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【フリゲ感想】ヨツバナサクラ

この記事の文字数は約5,000字です!

おはこんにちばんは! 富井サカナです。
今回はプレイ前から正当派ADVの香りがプンプンしていた作品です。
公開動画やタイトル画面などからクオリティの高さは約束されたも同然!

1.どんなゲーム?

今回紹介したいのは、3rd Singularityさんの「ヨツバナサクラ~春へと紡ぐ雪どけの手紙~」です!!

【制作】3rd Singularity 様
【制作ツール】ティラノスクリプト
【プレイ時間】約5時間~6時間程度
【ジャンル】ノベルゲーム
【KW】青春、長編、創作、文芸部
【筆者プレイ時期】2022年12月にプレイ
【筆者プレイ状況】クリア
【公式サイト】

【あらすじ】
創作を始めてから四年が経ち、なかなか結果が出ずに悩んでいた秋の終わりのとある夕暮れ。
小説家を目指す少年・門倉良太のもとに一通のファンレターが届いた。

『物語とは、理論により構築されるべきものです』

突き動かされる情熱だけを頼りに創作を 続けてきた彼に、顔も名前もわからない読者は『創作の理論体系』を説いた。
そして、この日から彼の日常は大きく変わり始める。

――身を凍らすような現実を越えて、桜舞う夢の向こう側へ。

【一言でいえばどんなゲーム?】
特にシナリオや小説を書いている人には刺さるであろう青春ADVゲーム


まずは以下をチェックしてクオリティを感じ取ってみてください!
これだけちゃんとした動画があると手に取られやすくなるだろうなぁ。

👆こちらはティザーPV


👆こちらはゲーム本編でも流れるOPムービー



2.こんな方に特におススメ!

・創作活動を行っている人(特にシナリオ・物書き)
本作の主人公はラノベ作家になることに全力を懸けて情熱を注いでいる高校生です。口先だけで夢を語っているだけでなく、夢を叶えるためにメチャクチャ頑張ってまさに青春を捧げています。この頑張っている姿には特に創作活動を行っている人には感じるものがあるはずです。創作に限らず何かに一生懸命頑張った経験があれば感情移入できるかも。


・魅力的な個性溢れる女性キャラに囲まれたい人
本作は主人公以外の男性キャラの姿を見ることがありません。登場する顧問の先生、文芸部員の同級生や下級生はいずれも女性。そしてみな魅力的で個性豊かです。恋愛メインのストーリーではないので惚れた腫れたやマルチエンドとは無縁ですが、可愛らしい女性キャラだらけで眼福ではあります。


・クオリティの高い中長編作品を遊びたい!という人
ゲームを作るのには多大な労力が掛かります。また、ゲームを構成する要素であるシナリオ・グラフィック・スクリプトなどに関して全て個人でスキルを伸ばすのは大変です。一方で、それぞれを分担してチームで制作するというのも、そもそも縁があってうまくまとまらないと完成まで漕ぎつけないので同じく大変です。本サークルさんのことは全く存じ上げていませんでしたが、シナリオ・グラフィック・スクリプト担当の皆さんが高いスキルを持っており、品質面で胸を張っておススメできる一作でした。



3.ネタバレなしの感想

ここではネタバレなしの感想を記載します。
ノベコレでの私の感想+補足という形にします。

👇こちらはノベコレでの私の感想へのリンクです
ゲームのプレイ・DLページへのリンクを兼ねています

あまり補足することもないかな、というところでしょうか。
シナリオについてはそれほど触れていませんが、こちらで感想を書くつもりだったので少し控え目にしてみた、という感じです。ネタバレについてはほぼシナリオ関連ですし。

さてさて、タイトル絵の綺麗なビジュアルやあらすじに少しでも興味を持った方は、間違いなく楽しめることと思います。プレイ時間は公式では5~6時間とありますがたぶん3時間半くらいだった気がしますので、そこまでプレイ時間について身構える必要はないです。というわけで未プレイの方はいますぐどうぞ!



4.ネタバレありの感想

というわけでここからは完全にネタバレを含みます。
今回はプレイ中の展開や2つのエンディングの結末にも言及しておりますので、未プレイの方は必ず先にゲームのプレイをどうぞ!先に下を読んでしまうと台無しです。


↓ネタバレ記事開始カウントダウン5

↓ネタバレ記事開始カウントダウン4

↓ネタバレ記事開始カウントダウン3

↓ネタバレ記事開始カウントダウン2

↓ネタバレ記事開始カウントダウン1

キャラクター
登場するキャラクターについての感想・感じたことです。キャラ紹介というだけでなく思い切り結末にも触れているので未プレイの方は先に、というか別に以下は見なくても良いのでプレイしてください

○弓川春奈
正ヒロイン的な立ち位置と思える、ゲーム冒頭から関係値MAXのメガネっ子です。いやはや、主人公にとってこんなに良き理解者が身近にいるとかどんな奇跡的なんだ!と思わずにはいられませんでした。創作物を心から好きかどうかというのは態度に出ると思うので、彼女から本心から応援されたことでどれだけの肯定感を得られたのだろうか、と。ゲームのスタートより前のタイミングからずーっと励まされ続けているわけだから本当に偉大な存在。しかも作業終わりにコーヒー淹れてくれるとかも天使だよなぁ。そしてカワイイ。

○新藤あいり
もし存在していたらオタクからすれば無敵すぎるつよキャラでした。美少女でギャルでオタクな上に天性の創作スキルの持ち主。これは強すぎる。中盤以降は文芸部に所属して主人公らとの時間が増えていくことになりますが、その時点でヒエラルキー的には大暴落なはず。教室での光景が中盤以降あまり描かれてなかったけどどうなんでしょう。周りに流されずに自分の人生の優先順位を正しく理解して行動できるあたり素直だよなぁ。そしてカワイイ。

○星川咲
奇天烈キャラ的な天才クリエイター。エキセントリックな言動がずっと目立っていましたが、終盤の素が垣間見えるあたりは主人公の仲間なんだな、と絆を感じました。彼女のキャラのおかげで主人公が救われるシーンも何度もあったような気がします。そしてカワイイ。

○西条文香
担任かつ顧問の先生。美人だし、優しさと厳しさを兼ね備えてるし、親身になってくれるし最高過ぎる先生。そしてカワイイ。

○門倉良太
気持ち良いほどに創作に全てを捧げている主人公でした。かなり無愛想で創作以外興味がない、みたいなキャラかと思いましたが、あいりが小説を書きたい、と言った時に純粋に応援して協力するあたり根は良いやつだな、と思いました。終盤に自己嫌悪に陥ることになりますが、一線は越えずに堪えている様子が伝わりました。「犠牲を払わなければ夢は叶わない」と思い込んでいる節があり少し視野狭窄気味になっていると感じましたが、相応の努力をしているので好ましい人物でした。

ちなみに本作の主人公は最終的に大きな成功を掴みますが、
芸人、作家、漫画家、ミュージシャン、俳優、スポーツ選手・・・
本気で努力を継続できている人が少ない可能性もなくはないですが、人生を賭けて成功を掴み取ろうとするのはなかなかリスキーだと思います。
特に作家は本職があっての兼業でも十分に成功できることは多くの兼業作家が証明しておりますし、軌道に乗るかせめてデビューまでは本職があった方が(≒人生の基盤が整っていた方が)制作に集中できるような気がするんですがそのあたりは個人差でしょうか。あの新海誠監督だって「ほしのこえ」は余暇時間に一人で制作したわけですし(但し普通の人は働きながら睡眠時間を削ってあそこまで情熱と労力を注ぎ込むほうが難しい気がしますが)
ダラダラと何が言いたかったかというと、西条先生の考えや接し方って凄く親身になっていて100%共感できるな、ということでした。
散々努力した結果、やはり才能が一定レベルにないので成功に到達できない、成功には運も必要なのでなかなか成功に至れない、となった時に自分の人生を振り返って全く後悔しない自信があるならそれも良いのかもしれませんが、手堅く生きてきた身としてはそんなことを考えてしまいます。自分に子どもができたので余計そう思うのかもしれません。あまり冒険できない自分に対してスケールの小ささ?的なコンプレックスも若干はありますが。
個人的にはひぐらしで一発当てるまでの竜ちゃんの人生設計が完璧だと思うんですよね。創作続けたいから提示で帰れる職種の公務員、これは素晴らしい考え方かと。


エンディング
ここからは本作のエンディングを見て感じたことです。
改めて未プレイの方は絶対に立ち入り禁止です。

ストーリー終盤で精神的に大きく落ち込む主人公ですが、『雪音』からの手紙をきっかけに立ち直ります。そして部室を訪れて長く努力している自分の目の前であっさりとデビューのチャンスを掴んだ後輩作家に対してアドバイスを送ります。手紙⇒葛藤⇒部室という流れで主人公が嫉妬心を吹っ切って改めて創作に邁進する姿勢を取り戻したことが良く分かりました。
その後のEDでも動画が流れますが、こちらはシンプルですが凄く良かったですね。線画にペンキっぽい感じで色が塗られてく演出、たまんねぇです。エンドロールを見る限り担当されたのはケーネコさん。他のゲームでもいくつかご担当されているそうです。動画はあるだけで凄くテンションが上がる派なので本作はOP含めて大満足でした。


〇TRUE
弓川視点で綴られる後日談的なものですが、TRUEと銘打つのは珍しいと感じました。10年後に無事に大成功を収める主人公と、担当編集としていまだに主人公を支え続ける弓川。10年経っても恋愛的な面でなんの進展もなさそうなところは少し残念でしたが、本作は創作を中心に据えた物語というところをきっちしたいので恋愛要素は入れなかったのかな、と勝手に感じました。『雪音』の正体に捻りも意外性もなかったことも、そのあたりの意外性ではなく本筋のお話そのものを読ませたい、という思いだったのかなとこちらも勝手に思いました。


■ちょっと気になった点
何か感じた時はきちんと書いておこう、というスタンスです!
そもそも個人的には全体的にメチャクチャいいな!と思うほど、
気になる点が気になったりするんですよね。(自分だけ?)

〇タイトル画面のメニュー
各コマンドのカーソルの反応範囲が若干ずれているのがいきなり気になりました。文字の表示に対して上目に設定されているようです。開始直後に一瞬あれれ?と思いました。これは「ちょっと気になった点」にふさわしすぎるかなりどうでも良い話ですね。

〇キャラクター名表示
キャラクター名の表示位置が縦書きのメッセージ枠の下側にあり、視線の流れと少し外れた場所に置かれていると感じました。また、キャラ名の表示がない箇所が複数あったのも少し気になりました。キャラクターの数は多くなく、それぞれの性格を考えると誰が話しているかは問題なく分かりましたので、キャラ名表示は無しでも良かったかもです。

〇ムービー再生モード
前述の通り動画はお気に入りなので、ゲーム中に流れる動画はCGモードから再生できると嬉しかったです。(幸いセーブできる数は多めだったので、動画が流れるシーンの直前のセーブデータを残す方法でセルフ動画再生モードが残せたので特に不満はありません)


ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯



5.おわりに

というわけで「ヨツバナサクラ~春へと紡ぐ雪どけの手紙~」の感想はこれでおしまいです。

新藤・星川のお話ももう少し摂取したい!という方は以下からサイドストーリーが楽しめます。新藤のお話は凄く分かる感じがしました。逆に星川のお話は宇宙人感が強まりましたが。

👆ティザーPVのリンクなんかもありますよ


彗星のように現れたガチサークルなので今後の活動も非常に気になっているのですが、次回作の情報なんかは今のところ見つからず。どなたか何かご存じの方がいたら教えて欲しいところです。徹底マークします!

以上、富井サカナでした。


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