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三鷹産野菜はなぜ美味しい?

去る6月8日に「なぜ?三鷹産野菜の美味しさの謎」というタイトルの講座を受講する機会がありました。お話くださったのは、三鷹市で農園を営んでいる森屋さんとJA東京むさし三鷹支店の井上さん。

はじめに、JAの井上さんが一本のきゅうりを取り出されおっしゃいました。「このきゅうりは特別に美味しいきゅうりです。今日のお話を聞かれると、なぜこのきゅうりが特別に美味しいかがわかります。」と、正確なお言葉は忘れてしまいましたが、そのような意味合いのことをおっしゃいました。

食いしん坊の私は「特別に美味しいきゅうり!?特別に美味しいってどういうこと?食べてみたい、食べてみたい、食べてみたい・・・・・」という思いでいっぱいになりました。でもここはお話をお聞きする場。欲望は抑えてお話に集中です。

三鷹の農業の概要

次にお話くださったのは森屋農園の森屋さんです。まずは三鷹の農業の概要をお話くださりました。

三鷹の農業の始まりは約370年前。江戸の大火事の被災者が移り住んできて田畑を開墾したそうです。

三鷹は武蔵野台地に位置するそう。「黒ボク土」という農産物を作るのに適した土壌だそうです。

次に示されたデータは、今回お話を伺う中で最も驚愕したところです。下記は、三鷹市の農業人口と耕地面積の推移です。

三鷹市の農業人口と耕地面積の推移(2020年農業センサスより)

昭和50年と令和2年を比較してみてください。
農家人口:2679人→773人
農家戸数:488人→206人
耕地面積:251.13ha→125.40ha

農家人口は三分の一以下、戸数と面積は半分です。こんなに、こんなに減っているなんて!!

いただいた資料には次のように書かれていました。

昭和30年以降(約70年前)の高度経済成長時代の急激な都市化の波や、約60年前に施工された『都市部の畑を住宅等にするべき』という法律の影響で、畑や農家の数は大幅に減少してしまいました。

今回の講座では踏み込んだお話はありませんでしたが、都市農業の課題として固定資産税や相続税といった税負担の重さがあげられております。私どもの会社は調布市にあり、すぐ近くに畑があります。しかし、最近も、一部アパートになったところがありました。相続税のために土地を手放されたようです。日常的に畑仕事をするお姿を目にしていて、勝手に癒されておりましたのでとても寂しい気持ちになりました。

畑の役割

森屋さんは「畑の役割」についてもお話くださりました。

「畑の役割」って!?
農作物を作るということではないのでしょうか?
実は、それだけではなかったのです!

①景観
まちなみにうるおいや個性をもたらす「景観創出」機能。
②交流
地域にふれあいとコミュニティをうみだす「交流創出」機能。
③食育
農や食をとおして学びの機会をつくる「食育・教育」機能。
④地産地消
新鮮な農作物を食べてまちおこしにもつながる「地産地消」機能。
⑤環境保全
まちの環境を整える「環境保全」機能。
⑥防災
その時、あなたを助ける備えとなる「防災」機能。

恥ずかしながら、畑にこのような機能があるとは考えてもみませんでした。
でも、そういえば、近所の畑にこのような表示がありました。

他にも色々お話を伺いましたが、今回はここまで。
三鷹市・武蔵野市の農家の方の活動は下記ホームページで紹介されていますので、ぜひご覧ください。お若い方が頑張っていらっしゃり、読ませていただくと元気が出ます。今回お話しくださった森屋さんの農園も掲載されています。

ところで、最初の「特別に美味しいきゅうり」のお話。最後に井上さんが答えを教えてくださりました。

そ・れ・は・・・・



\森屋さんが作られたから!/

でした。

「作った方のわかるお野菜は美味しい!」ということです。

「な〜んだ」と思われますでしょうか?
私は「その通りだなあ・・・」と深い納得がありました。

どなたかが精魂込めて作ってくださったものということが具体的にわかると、「ありがたいなあ」「大事に味わわせていただこう」という気持ちが湧いてきて、おいしさが何倍にもなるものですよね。

私の家の近所にも畑があり、庭先無人販売機があります。私もよく利用させていただいているのですが、「今は何があるのかなあ?」「これから何ができるのかなあ?」と畑を見てはワクワクしております。農家の方が作業をされているのを目にする機会があると、「ああ、こういう風に育ててくださっているんだなあ。美味しいお野菜をいつもありがとうございます。」と心の中で思います。

身近なところで農作物を作ってくださっているということで、意識している以上に心の豊かさをいただいているのだな、と改めて気づかされます。

私自身は栃木で生まれ育ちましたので、畑は身近な存在でした。美味しいお野菜をいただくのは当たり前で、チェーン店の飲食店で出てくる野菜も新鮮です。

なので、東京のスーパーで買うお野菜はちょっと残念、と思うことがあります。遠くから運ばれて来るうちに鮮度が落ちてしまうのでしょうね。

初めて直売所で地場野菜をいただいた時はとても感動いたしました。「東京のお野菜も美味しいんだなあ。」と。こんなお野菜を自分自身もいただき続けたいですし、子供達にも食べてもらって本当の野菜の美味しさを知っていただきたいな、と思いました。

これ以上、東京の農地が減らないことを心から願っております。

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