3社目の会社が「理想の環境」の可能性が高い説。
残業続きの毎日、顔を見るのもイヤな上司、アルバイトよりも低いんじゃないか、と思える給料……。こうした状況を前にして、「転職したらすべてが解決するかも!」と考える気持ち、痛いほど分かります。
でも、気を付けないといけないことがある。
それは、1回目の転職で入った会社(2社目の会社)が必ずしも理想とはいえない、ということ。いや、むしろ理想とは違う可能性が高いかもしれない。
イメージでお伝えすると、以下のとおり。
まず1社目、つまり新卒で入った会社は、いわゆる「ガチャ」。つまり、「大企業だから」とか、「社員の雰囲気が明るそうだったから」という理由だけで選んでしまいがち。社会人経験がないので仕方ないけど、これは日本の300万社の名前が書かれた紙が入った箱の中から、えいやっと1枚を引いただけの“クジ”に等しく、「3年で3割が辞める」という理由も分かる。
それで、はじめての転職を経て2社目に入るわけだけど、これはこれで失敗したと感じる人が多い。理由は、「1社目の悪い点を解消すること」にしか目が向いていなかったから。たとえば「仕事で成長できない」と感じ、「若手の裁量権が大きい会社に転職してしまう」とかも、あるある。(後で話すけど、僕もこのパターンだった)
そもそも後悔しない会社選びをするには、色々な条件を天秤にかけて、譲れないポイントや妥協できるポイントを考えていくことが鉄則。でも、1回目の転職ではどうしても「今の環境を変えたい!」という気持ちが先行しがちで、視野が狭くなってしまうので、ひとつの要素しか見えていないことが多い。だから結局は「裁量権が多いのは良いけど、忙しすぎてもうイヤ……」といった状況になりがちだ。
で、そこから再度の転職を経て入った3社目。これが、自分にとっての理想の環境である確率が高い。1社目、2社目を経て、ようやく会社&仕事に求める条件を冷静に考えられるようになるから。
例えるなら、中学→高校→大学と進学するなかで、勉強環境とか、興味ある領域とか、安心して何でも話せる友人の特徴とか、が見えてくるのと一緒。自分の向き・不向きを知るためには、いくつかのステップを踏むことが欠かせない。
ちょっと脱線したので、少し話を戻します。
この記事でお伝えしたいのは、「企業選びを慎重にしよう」ということではなく、理想の環境に出会うためには、転職を繰り返すのが普通かもしれない、ということ。
ぼく自身、1社目は「感動を生み出したい!」という理由でエンタメ会社に入社したけど、自分の成長が感じられず、2社目は人材会社(転職エージェント)に入社。キャリアアドバイザーとは名ばかりの「営業職」だったけど、一人でPDCAを回す仕事に成長は感じられた一方で、「そもそも営業職に向いていない」という致命的な欠点が見つかり、メンタルダウンの末、退職。
それで、改めて自分にとっての理想の環境を考えたときに、「そもそも正社員は窮屈すぎる。給料よりも、自由がほしい。あとは、パソコンの前で集中して取り組める仕事が向いている可能性が高い」との思いにいたり、あえて派遣として働くことを選び、Webメディアの会社で編集者として働いた。
ちなみに1社目も2社目も、自分なりにはしっかりと企業選びをしたつもりだった。でもやっぱり仕事経験がない、または少なかったので、限界はある。2社目の選択はもう少し慎重にすべきだったな、と反省もあるけど、その当時は「1社目を早く抜け出したい……」という一心だったので、冷静になれなかったのは仕方なかったのかもな~、と今になっては思う。
だからこそ、3社目は理想の働き方を手に入れることができた。1社目と2社目で良いと思ったこと&悪く思えたことなどを冷静に踏まえたうえで、落ち着いて就職先・働き方を選べたからだ。
今は、転職が珍しくない。
欧米では5回以上転職する人も多いみたいだけど、こうした未来はきっと日本にも訪れると思う。
だからこそ、たとえ1社目の会社が合わないと感じたり、2社目の会社への転職で失敗したと感じたりしても、焦る必要はないかな、と。3社目はおそらく、自分にとって理想の環境である可能性が高いし、なんなら4社目、5社目でさらに“最高”な環境で働ける可能性だってある。ちなみに僕は、今は派遣をやめてフリーランスとして働いているけど、紆余曲折を経て、自分にとっての“最高の働き方”に出会えたと思っている。
仕事人生は長いし、1社目、2社目が「超・理想」と思える人も、稀(まれ)だ。
だったら、もう少し長期的な目線で、キャリアを積み重ねていく、という視点も大事なんだろうなぁ~と思います。
▼ブログでは、転職を繰り返した僕の“リアル”をお伝えしています
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