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サカキシンイチロウのおいしい手帖

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おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
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2023年2月の記事一覧

マグロの胡麻だれ、豚汁にガリ昆布

どうにもこうにも「マグロの漬け」を食べたくって銀座の「岩戸」にやってくる。 銀座一丁目にある日本料理のお店のランチ。タナカくんと作った料理別ランキングで豚汁の部ナンバー1がここだった。 ランチの名物。「まぐろ胡麻だれ重」がオキニイリ。 しかも豚汁がたまげるほどにおいしくて、「まぐろ胡麻だれ重の豚汁付き」の一択。 前回来たときはしらすご飯や天ぷらなんかもあったのだけど、マグロ、豚汁だけの献立になっていた。それでもにぎやか。人は続々やってくる。 お店に入ってすぐのレジで、注文

天丼が好きだった理由がやっとわかった月命日

今日はタナカくんの34回目の月命日。浅草の「尾張屋」を目指す。 大好きだった天丼を食べて偲ぼうと思う気持ちも手伝って、電車の中でもずっと気持ちが小走りしてた。 祝日ということもあって、浅草の町はおおにぎわい。仲見世通りも新仲見世も人で溢れて地面が見えないほどでした。 開店と同時を狙ってお店についた。 今日は天丼。並天丼。 並天丼でも器からはみ出す大きさ。蓋を持ち上げ尻尾が飛び出す景色がうれしい。 蓋をとった瞬間に、うれしそうにニッコリとするタナカくんの笑顔が見えるおゴチ

お見送りまでがおもてなし

銀座で朝をはじめる今日。トリコロールで朝食とする。 煉瓦造りの一戸建て。回転扉を押して入ると、漆喰壁に貼り煉瓦、木の床、赤いビロード張りの椅子にソファ。 カウンターを飾る真鍮製の手すりはいつも見事に磨かれピカピカ。 贅沢な空気が店の隅々満たす、これが銀座とウットリします。ここと銀座ウエスト本店は銀座の宝。 女性だけで運営しているお店です。 全員、白いワイシャツ、黒いベストにズボンをはいて凛々しく、けれどおだやかに働く姿がなにより特別。 もしここで同じ格好の男性が働いてたら、

ヤエチカのアメリカでアップルパイ

東の方からアメリカ料理がボクを呼ぶ。 おおらかにしてシンプルで、力強くて素直においしいアメリカ料理。 呼んだ主はバビーズヤエチカ。 四谷三丁目から電車にのって来られるアメリカ…、って感じがうれしいオキニイリ。タナカくんも好きだった店。 大きなマグにたっぷり入ったコーヒーにミルクを注いで手のひら、お腹をあっためて料理がくるのをのんびり待った。 まずはコーヒーにミルクをたっぷり注ぎコクリコクリと飲んでお腹を温めながら料理がくるのをのんびり待った。 ハインツのケチャップ、フレ

teishoku美松でおむすび2個に甘い卵焼き

池袋に来たから昼をキッチンチェックで…、と思って開店ちょっと前にお店に行ってみた。 そしたら尋常でない行列ができててあっさりあきらめる。 なにかに紹介されたか、どこかでバズっているのでしょうネ。 最近、突然行列ができ、しばらくするとその行列が嘘のようになくなるようなことがよくある。 業界がなにものかの手で右往左往していると思うとちょっとやな感じ。 かわりにおいしいおむすびを食べに行こうと「美松」に歩く。 表通りから今の場所に移転したのが3年前。それまでは行列が絶えない店だ

カツサンドならぬ「とんサンドイッチ」にとん汁つけて…。

ひさしぶりの「王ろじ」。 創業大正10年。とんかつという料理を作ったお店のひとつと言われる名店。 すべてのはじまりは、明治時代に銀座の煉瓦亭が牛肉で作るフランス料理のコートレットを、手軽に手に入る豚肉で作ってポークカツレツという名前でメニューにのせたこと。 叩いて伸ばした薄い豚肉をフライパンで揚げ焼きするのがカツレツで、ナイフフォークで切り分け食べる。 それをアレンジ。 分厚い肉を揚げて切り分け箸で食べられるよう提供したのがこの王ろじ。「とんかつ」と名付けたのも、ここなんだ

なめらかでトロトロのラザニア

表参道の路地裏にある「レッドペッパー」でランチをとった。 深い緑色の壁にワインレッドのテントがかかる。英国風のパブのような造りで、けれどイタリアンレストラン。 前菜にパスタ、小さなデザートがついて1600円。 5年前に来たときも同じメニューで1500円。5年でたった100円アップというのに頭がさがります。 おいしいと人気のラザニアを選んで注文。まず前菜。 グリーンサラダに和牛のリエット、ウフマヨ、ポタージュ。 和牛のリエットは力強い。 牛の脂の香りにチーズのコク、トース

マガザンルージュ。ステーキの焼き加減はおまかせで!

マガザンルージュで昼ごはん。 四谷四丁目の交差点近くのフレンチビストロ。ゴキゲンなご夫婦ふたりでやってらっしゃる気軽なお店。 この店になる前には「グレース」っていう喫茶店だった。 朝ごはんがたのしくて、昼はカレーやスパゲティがおいしかった。 その頃のお店の壁は白くていかにも喫茶店って雰囲気だった。 改装したらいきなり真っ赤になっちゃって、色が変わるとこれほど印象がかわるものか…、ってびっくりしちゃった。 「Magazin Rouge」はフランス語で赤い店。 最初はちょっ

白菜の甘みがおいしい銀座タンメン

ひさしぶりの「銀座たんめん」。 寒くて寒くて、お腹の芯まで冷えるような季節になると思い出す店。 冬の築地をぶらぶら歩き、銀座に向かって歩く途中で出会った店です。事前の知識もなにもなく、おいしい匂いに誘われるように入って体をあっためた。 今日も体をあっためる。 一年くらい前に来た。 メニューは変わらず。 たんめん、大盛り、トッピングだけ。そのときは800円だったたんめんがちょっと値上がり、900円。 普通のたんめんにパクチートッピングの食券を買う。 入り口近くのカウンタ

たまらなくおいしいたまごトースト

中野新橋にステキなお店があるんですよ…、って友人に教えてもらってやってきてみる。 タナカくんが住んでた中野富士見町は交通の便はよかったけれど、お店が少ない住宅地。 だから隣町の中野新橋に来て食べたり飲んだりしていて、それでなつかしい。 ぶらぶらしてたら駅の裏側にお店が一軒。 マンションビルの一階で、白いテントに出入り口をかねた大きな掃き出し窓。木張りのテラスに椅子やテーブル。 かわいらしくてステキにみえた。 「トリクロマティックコーヒー」って店。 お店の前に朝食メニューが