見出し画像

teishoku美松でおむすび2個に甘い卵焼き

池袋に来たから昼をキッチンチェックで…、と思って開店ちょっと前にお店に行ってみた。
そしたら尋常でない行列ができててあっさりあきらめる。
なにかに紹介されたか、どこかでバズっているのでしょうネ。
最近、突然行列ができ、しばらくするとその行列が嘘のようになくなるようなことがよくある。
業界がなにものかの手で右往左往していると思うとちょっとやな感じ。

かわりにおいしいおむすびを食べに行こうと「美松」に歩く。

表通りから今の場所に移転したのが3年前。それまでは行列が絶えない店だったのに、今は静かですんなり入れる。
入り口脇に「御結び」の文字が書かれた袖看板。

カウンターだけの小さなお店。マーク・ロスコ風の絵が店頭、店内に飾られていて、それも含めてボクの好みでここが好き。おむすび2個の定食に卵焼きを追加する。

卵焼きは「塩、砂糖、甘辛、醤油」と4種類の味付けがある。いつもは甘辛味にするのだけれど、タナカくんは甘々味が好きだった…、って思い出し「砂糖」でたのむ。
「卵焼き、砂糖でひとつ」ってオーダーがとおり、しばらく待ってやってきたこんがり焦げたオムレツみたいな仕上がりにニッコリします。

砂糖は優秀な保湿剤。だから玉子はしっとり、プルンとなめらかで味は甘々。焦げた香りがまた旨い。
そしてまもなくおむすび定食が出来上がる。

竹の巻きすの上におむすび。味噌汁、小鉢、漬物がつく。味噌汁の実は大根にニラ。風味豊かな麦味噌にどっしりとした出汁の風味も旨味も上等。

漬物は4点盛り。
ニンジン、きゅうり、大根、白菜。
どれも手作り。
状態もよく盛り付け方もうつくしい。
漬物というよりまるで野菜の料理…、味もよい。
小鉢は切り干し大根とニンジン、ちぎりコンニャクの煮物。
素朴な味わい、やさしいゴチソウ。

おむすびは梅と鮭。

梅のおむすびは白米、鮭は雑穀米で作ってもらった。手のひら大の大きなおむすび。

けれど空気をたっぷり含ませるよう、やさしくふわっとむすんでる。だから手にすると見た目ほどは重たくなくて、ハラっと崩れそうになる。それをクルンと巻いた海苔がささえて形を保つ。

口に含むと待ちかねたようにハラっとご飯がちらかる。

具材はたっぷり。ひと口目から梅や鮭を感じるほどで、噛んだところから具材がこぼれだしそうになる。
昔ながらに酸っぱい梅干し。焼いてほぐした鮭は脂の風味が豊かでしっとり。海苔も風味豊かで、おいしいなぁ…、ってしみじみ思う。

ご飯の炊き具合がいいんですよネ。白米はしっとりふっくら、雑穀米は硬めでホツホツ。塩の塩梅はちょっと強めで具材なしでもおいしいんだろうなぁ…。
今日は特に鮭の量がたっぷりで食べてるうちに、花を開くようになっていく。鮭がほとんど顕になってもこぼれ落ちずにずっとご飯に包まれている。やさしい景色にうっとりしました。満ちました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?