見出し画像

白菜の甘みがおいしい銀座タンメン

ひさしぶりの「銀座たんめん」。

寒くて寒くて、お腹の芯まで冷えるような季節になると思い出す店。
冬の築地をぶらぶら歩き、銀座に向かって歩く途中で出会った店です。事前の知識もなにもなく、おいしい匂いに誘われるように入って体をあっためた。
今日も体をあっためる。

一年くらい前に来た。

メニューは変わらず。
たんめん、大盛り、トッピングだけ。そのときは800円だったたんめんがちょっと値上がり、900円。
普通のたんめんにパクチートッピングの食券を買う。

入り口近くのカウンターが一緒に来たとき座った席で今日もその席。

目の前の壁に今日の白菜が「茨城県産黄芯白菜」だって書いてある。甘みが強いのが特徴だって、読むとお腹がグーッとなる。
カウンターにはティッシュペーパー、お酢に胡椒に自家製ラー油。
このラー油がおいしくってネ…、みんなたっぷり使うからお店の空気にラー油の香りが混じってる。

カウンターだけ。奥に厨房。大きな包丁で白菜をストンストンと切り分けてそれをスープと一緒に炊いて麺を入れたらできあがり。

湯気と一緒においしい香り。器の中に見えるのはほぼ白菜です。
目を凝らしてみるとところどころにぶつ切りの小さな豚肉が混じっているけど基本白菜。
スープは透明。油がキラッと光って見える。
まずはスープをゴクリとひと口。
旨味に甘み、白菜の香りに油の風味がまじりスッキリとしたキレのよい味。嫌味がなくて後口がよい。ずっと飲んでいたくなる味にウットリします。

麺は細めのストレート。
スープをたっぷりたぐりよせ、口の中を潤すゴチソウ。
ハリがあってバッサリ歯切れて心地よい。
麺はコツコツ、奥歯を叩く。
白菜はシャキシャキ音をたてつつこわれてく。
一緒に食べるとそれが同時にくりひろげられ口の中がにぎやかになる。
白菜が主役、麺が脇役みたいになるのが独特で、野菜の料理を食べている…、って感じに気持ちがホッとする。

そして追加のパクチー投入。
かなりたっぷり、大量で、それまでお行儀良かったスープの味があっという間に荒々しくなる。

白胡椒で風味をつけたスープはまるで西洋風の野菜スープのようだったのに、パクチーひとつでフォーを食べてるような感じになってくる。

ラー油をポンッと白菜の上にのせかき混ぜながら食べていく。

焦げた赤唐辛子の香りや油の風味が混じってあっという間に四川料理風になっていくのがおもしろく、しかもラー油の辛いこと。
突き抜けるような辛味にお腹が汗をかく。

お酢を注ぎます。

そして胡椒をたっぷり追加する。
酸辣湯麺の出来上がり。唐辛子の辛味は鋭い、胡椒の辛味はどっしりしていてその両方が口の中で混じってうねる。
そこにお酢の酸味が混じると白菜の甘みがくっきり強調される。

舌はヒリヒリ辛いのだけど、もっともっとと頭はおねだりするのがオモシロイ。

シンプルなスープだからこそ、加えるものでこんなに味を変えていく。
「スゴいたんめん見つけちゃったネ」って感心したのを思い出す。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?