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おいしい食べ物、たのしい食べ方

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おいしく食べてやろう。 たのしんでやろうと思うと、いつもの料理、いつものお店も違ってみえる。 飲食店を嫌いになるのはもったいない。
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2021年5月の記事一覧

乾いた氷の宇治金時

若松町から都バスにのると終点が新宿西口。そのバス停の目の前に甘味処の「時屋」がある。 バスを降りると同時に風が後ろから吹いてきて、お店の軒下の「氷」の旗がふわりと踊る。「かき氷を食べたいよぉ」って風と旗を借りて言ってるように見え、それでお店に入って宇治金時を選んでたのむ。 今年は伊勢丹の地下の虎屋菓寮が閉鎖中。 いつもならば今年最初の宇治金時はとらやの食べて…、ということになるんだけれどちょっとイレギュラーにはじめてここの宇治金時。 四角いお盆に高脚のガラスの器。高く積み

中野坂上の悪魔のささやき

思い出の場所をぶらぶら歩き、喫茶店でお茶を飲みまた散歩してオリンピックで買い物をしてそろそろ帰ろう。 ただその前に、行っておきたいお店がある。 駅の近くの「萬蔵そば尾張屋」っていう店。 「悪魔のささやき」っていう不思議な名前の料理がある店…、として強烈にインプットされてるんです。 それも相当昔から。 町田にもお店があって、その店の仕事をちょっとだけしたことがある。30年以上も前のことで、その当時からその名前の料理があった。記憶違いでなければ「乙女のいのり」って料理もあった

新橋・むさしや・オムドライ

先日友人と待ち合わせをしたニュー新橋ビル。友人が来るまでブラリとビルの中を散歩した。 そう言えば長い間、「むさしや」に来てなかったよなぁ…、と思って今日はそこを目的にやってきてみる。 カウンターだけ。しかもそのカウンターを取り囲むように白いすだれがぶら下がっていてヴァーチャルな壁とでもいいますか。すだれだからどこでもドアで、でもあることでお店と通路が心理的に隔てられてる。 ある意味発明。来るたび感心させられる。 タナカくんはちょっと苦手な店だった。忙しいときにはズラッと

ガストの朝にお皿の上で作るチャーハン

朝、早く目が覚めて寝なおそうと思うもすっかり頭も起きた。 近所で朝ごはんでも食べようか…、と思うも今では平日の朝早くから営業をしているお店は限られる。 ひさしぶりにガストにしようとファミレスモーニング。 和洋朝食メニューが多彩に揃い、ほとんどがワンコイン以下の値段ながらドリンクバーがついてくる。 しかもドリンクバーにはドクターペパーが用意されててジャンクな朝をたのしめる。 おかわり自由の日替わりスープはいつも玉子の入ったクリアスープ。ドクターペパーに氷をぎっしり詰めたグラ

雨の日のラーメンはなぜかおいしい

今日は朝から本当の雨。肌寒さすら感じる「ラーメン日和」。 熱々の料理を食べても汗をかかずにすむからと、飯田橋にある「中華そば高はし」にやってきてみる。 昔、水道橋にオフィスがあった頃に時々食べに来ていたラーメン。ワンタン麺がおいしくて、ひさしぶりにそれにする。 ご主人のフェンシングの選手のような前傾姿勢から繰り出される、華麗な麺の湯切りにスープ張り。出来上がったワンタン麺のスープの上には熱い脂の層がただよい、ずっと熱々。 細めの麺がスープをたっぷり手繰り上げ、分厚いチャー

今年もかき氷がはじまったよ!

淡路町から四谷三丁目の間にちょうど銀座がある。 駅を降りて、お昼の〆に甘いものでも食べましょうかと、交通会館の地下にある「おかめ」を選ぶ。 基本、女性だけで運営している甘味処。お客様も女性がメインで、おはぎがおいしい。あんみつ、みつ豆、クリームソーダと品揃えも豊富で何にしようかと来るまでちょっと悩んでた。 ところがお店の入り口脇に「氷」の旗がさがってた。 今年最初のかき氷を、オキニイリのお店で食べる。しかもオキニイリの「杏氷」と洒落てみる。酸味がおいしいかき氷で、タナカく

夏がくると沖縄料理を食べたくなるネ!

暑くなりはじめると沖縄料理が食べたくなる。 東京にはたくさんの沖縄料理のお店があるけど、そのほとんどがオリオンビールや泡盛を売ることを目的にした居酒屋業態のお店。 食堂スタイルのお店は少なく、その点、新宿のアルタの裏側にある「やんばる」ってお店は希少。 カウンターだけ。メニューも沖縄そばや定食類におかずがいくつか。 ふらっとやってきてテキパキ食べてお腹満たして帰っていける。便利でとてもありがたい。 ゴーヤチャンプルーにご飯、ミニそばがついた定食が一番人気。 ただボクのオ

せいろにうなぎ、ホースラディッシュ

おいしい蕎麦を食べようと、大庵にくる。 夜の時短要請のため、代わりに開店時間が30分ほど前倒し。定休日もなくして昼ごはんには使いやすくなった。 酒の提供をやめたため、魅力的な一品料理のメニューが一切なくなったのはかなり残念。しょうがない。 せっかくだからこの店ならではのものを食べようと「鰻せいろ」を選んでたのむ。 せいろ一人前に鰻の白焼きがセットになっているというもの。 蕎麦には油や脂があうもので、例えば天ぷらの揚げ油。鴨南蛮の鴨の脂を味方につける料理は、ずっと昔からそば屋

ソニーがやってたあるでん亭

銀座でお昼。「あるでん亭」。 もともと数寄屋橋の交差点にあったソニービルの中にあった。ソニーの外食子会社が経営していて、ここでしか見たことのないパスタボイラーが目を引いた。 満開のデイジーみたいな形をしていて花びらひとつひとつが麺を寝かせて収める小さな鍋。その花びらを束ねる雄しべ雌しべの部分からお湯が出てきて、鍋は回転木馬のように移動する。茹で上がったら花びら部分を手前に倒して麺を取り出す。 町工場出身のソニー系らしい独特に、そのうちソニー製の厨房機器なんてのが誕生したら

のりまきにおでん、リトルコリアののり巻きの店

歌舞伎町をぶらりぶらりを北に向かうと、街の中に簡体字の看板が目立つようになる。 中国系の人たちが経営している飲食店が増えたなぁ…、と思うまもなく、それがハングル文字に置き換わる。 もう目の前は職安通り。リトルソウルの入り口につく。 静かだった歌舞伎町の空気が一転、平日というのに活気があって人出も多い。 ひさしぶりに「明洞のり巻き」。キンパがおいしいオキニイリ。 前からキンパをテイクアウトで買っていく人が多かった。コロナの今、その数が一気に増えたようでひっきりなしに人が来て

とんかつ屋でなくフライ屋でもなくあげもんや!

ひさしぶりに高円寺に来て、フォーや天丼を食べてなつかしかったよ…、って日記をあげたら、高円寺にはスゴい揚げ物屋があるんです。 「あげもんや」って名前でここの唐揚げが滅法おいしいんですってコメントをもらった。 990円で唐揚げの食べ放題もやってて、あまりにおいしくいくらだって食べられてお店の人に申し訳なくなっちゃうくらいなんですよ…、って言うからいつか来てみようと思って今日。 高円寺の駅からほど近く。氷川神社の斜向いという場所にあって入り口は小さい。階段を3つほど下がったとこ

バルバッコア。サラダバーがちょっとさみしくなりました…。

LINEで友人とやり取りしてたら、どちらからともなく「肉を思う存分食べたいねぇ」…、って。 心置きなく肉にまみれる。 シュラスコなんていいんじゃない。タレやソースがくどくない。肉そのものの味をたのしむことができるし、しかも食べ放題。 新宿三丁目にあるバルバッコアグリルなんてどうよ…、と調べてみると、平日は案外こなれた値段で予約ができた。 圧倒的な魅力をもったサラダバーといえばシズラーとここがおそらく双璧。カリフォルニア的な「野菜をもりもり食べる」イメージがあるのがシズラー。

カフェドカナール。グッゲンハイム美術館的マグで飲むアイスコーヒー

友人と合流し、ちょっとお茶をとニュー新橋ビルの中にあるカフェドカナールという喫茶店。 昭和なムードが満点のインテリアにてお店に来ているお客様もみんな昭和。ボクらが一番年下って感じになんだかホッとする。 アイスコーヒーをもらうとガラスのマグでくる。このマグの形が変わってて歪んでできてる。向きを変え写真を撮ると斜めになったりこちらに向かって迫ってきたり。取っ手も斜めになってたりする。建築的とでもいいますか…、グッゲンハイム美術館がマグになったらこんな感じじゃないかしらって思った

四角いピザ、ペンネのグラタン、丸いサラダ

グラタンを食べたい…、って友人が言う。 場所は銀座界隈。れんが亭のロングマカロニのグラタンがまっさきに思い浮かんだけどもっと気軽な雰囲気でたのしみたいねと、それでシシリア。 四角いピザで有名なイタリア料理の店だけど、ここのペンネを使ったグラタンはクリーミーでなめらかで、チーズたっぷり。悪くない。 まずはグリーンサラダをたのむ。 ここでおそらく一番のフォトジェニックで特徴のある料理がこれ。 木のサラダボウルにこんもりと薄切りにしたキュウリが山の形に盛り付けられてる。 薄