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新型コロナへの情シスの取り組み第2章

製造業で情シス(主にインフラ担当)の私が、現時点(2020年5月中旬)で、企業が行う新型コロナ対策について考えたことをまとめる。ここまでの流れが第1章だとすれば、ここで終わりではなく、次の波への準備・防御が必要になるという意味で、第2章の始まりと認識をしている。

営業拠点と開発・工場拠点の差が大きく開いた

営業拠点(全国)を全員在宅勤務とし、3月~5月まで稼働させることができた。個人的にはこれは驚くべきことであり(社内でも)「やればできるじゃん」という評価だった(もっと混乱が起きるのではと思っていた)。パフォーマンスがどの程度出たのかは現時点では不明であり、今後明らかになるだろうが、まずは「できた」ことは喜ぶべきこと。

一方、開発・工場拠点においては、在宅勤務というハードルが高いことがより明確になった。

開発部門の最大の問題は開発環境の(在宅勤務用の)インフラが足りない(ハイエンドのVDIなど)。これはインフラ準備と検証に時間がかかり、やっと試し始めたころには新型コロナの第一波が収束してきた。今後の計画としてインフラを拡充していけば次への備えができる。

工場(ライン及び生産技術)で物を作っているところの業務を在宅勤務化は難しい。生産をコントロールしている部署(生産技術)も同じ理由で難しい。難しいが、システム開発、保守、監視などをやっている業務であればリモート対応可能なものも一部あるはずであり「何ができて何ができないか」を明確にする必要性に気づくキッカケになった。

業務を見直して「在宅勤務できる・できない」を意識する

新型コロナ以降の時代に向けて、社内の業務(プロセス)の見直しを行う。その際に必須となるのが「在宅勤務で対応できる・できない」を定義すること。雇用契約、個人のITインフラ(PC、スマホ、在宅勤務環境)などのパラメータをもとに最適な業務割り当てを行う。

在宅環境という新たなロケーションが増えたと理解すれば良い。そこの新たなロケーションでの業務環境の構築も、情シスのサポート範囲になるのであろうし、それに見合った体制作りが必要になるだろう。

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情シスを巻き込んだ社内改革で起きそうなこと

直近では「東京拠点の大幅なレイアウト変更とそれに付随するITインフラ環境の構築」が起きるのではないかと想像している。東京に本社機能を持ち、そこで多くの社員が働いている会社が多いはず。我々もその一つ。

これについては、経営層にて今頃作戦会議が行われているだろう。3密を避けたオフィス環境をどう作るか。まずは「時差通勤」と「出勤者を絞る」ということなのかもしれないが、非常に悩ましい。少人数であっても出勤させることに決めた場合、以下のようなことが思いつく。

・レイアウトを変える費用
・いつか元に戻す費用
・公衆衛生上必要な毎日の作業(アルコール消毒等)

人数を絞って出勤させるとしても公衆衛生上に配慮した作業が必要になるはず。そうなると、本当に出勤しないといけない業務って何があるのかをあらためて考え直すことになるのかもしれない。

限られた人数を出勤させるという施策ではなく、例えば既存の在宅勤務の環境をアップグレードすることにお金を使うという手もあるはずだ。

・高品質で高音声のスピーカー・マイク
・通信量を気にしなくても良い太いネットワーク
・大画面モニタ
・安定して快適なテレビ会議サービス
・長く座っていられる机とイス
・パーティショニングされたスペース

自宅だけの選択肢ではなく、どうしても必要なFace To Faceのミーティングの場合は、サテライトオフィスやレンタルスペースでも良いかもしれない。

社員に求められているのは、公衆衛生上、安全が守られている環境である前提でビジネスの性能が出せる環境である。それを自宅にするか、サテライトオフィス・レンタルスペースにするか、自社のビルの大規模改装するか、どれかを会社が提供してくれれば良い。

本当の課題は何か

「会社に集まって働けるようにする環境作り」だけではない、ってことが言いたい。もしかしたら、会社に行かずに2か月、3か月も過ごした社員が、会社に行きたくないと思っているかもしれない。でも、仕事は進めたいという責任力は持ち合わせているはず。

つまり、本当の課題は、仕事が前に進められること。在宅勤務というロケーションだろうが、会社のオフィスだろうが、レンタルスペースだろうが、どこでも良い。どこでもよくて、仕事が前に進むか(パフォーマンスが出るか)という視点で各自が業務を見直しし、業務を再構築することが今求められている本当の課題ではないだろうか。

まとめ

この5月から6月への変わり目のタイミングは、会社としての判断が迫られているタイミングだと思う。どこに金をかけるのかの分かれ道にきている。会社の動向に注目している。

追伸.おうち時間を工夫で楽しく

個人的な話になるが、在宅勤務が続いているため、我が家の一部を少し整理して自分専用の仕事スペースをDIYで作り出した。机、椅子を用意するところから始まり、ネットワークの中継機設置、配線。電源の確保。毎日、少しづつ自分のデスク環境とスペースが出来上がるのは充実感がある。もともと、こういうことはやりたかったんだけど、そういう機会がなかっただけ。おうち時間も、発想を変えれば楽しめる。

以上。

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