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在宅勤務でパフォーマンスを出すために情シスがサポートするべきこと

情シスの仕事は、社内の在宅勤務用のインフラが用意できればそこで終わりだろうか?私は、第2波と呼べる波に備える準備が必要だと考えている。それは、パフォーマンスを最大化するための運用設計が必要になることを指しており、主に情報共有の仕方が焦点になってくると考えている。

1.自社の在宅勤務インフラのカバー率

自社は製造業である。東京を含む営業拠点が全国にあり、工場を含む開発拠点が愛知県にある。営業拠点のメンバはほぼ100%在宅勤務を行っているが、愛知県の工場を含む開発拠点は実感として2~3割程度の在宅勤務率の状況である。在宅勤務という働き方が業務上難しい工場地区では、おおむね、事務所の在籍率を5割程度にするようにと言われている(3密を避ける施策)。

私はその企業の情シスにおり、全社のインフラのカバー率やインフラの使われ方が見える立場にいる。

情シスの視点として、ある程度の規模の会社であれば最後はお金の力でインフラのカバー率は勝手に上がっていく(上げられる)。端末の配備、VPNネットワークの増強など。だけど、各従業員一人一人の視点で見た時に、インフラが配備されたら終わりかと言われると全くそうではなく、むしろ「始まり」ではないかとさえ思う。

会社で働く環境とは道具もプロトコルも何もかも違う。各従業員毎に用意されたマニュアルもないし、手を伸ばしたところに教えてくれる人もいない。

インフラが配備されたかどうか、という第1波は終わった。次の第2波は、業務のパフォーマンスをどれだけ出せているかを問われることになる。

2.業務のパフォーマンスという指標

自分自身が在宅勤務を始めた当初から(自分で)注目している指標がある。それは業務のパフォーマンスがどうなったか。会社で業務を行うことに対して、在宅勤務でパフォーマンスを何%出せているか。まずは100%を達成しているかを確認しながら在宅勤務をやってきた。私自身の個人評価としては、ほぼ100%を達成しているが、100%以上にするためのノウハウをためることが今後の課題だと認識している。

この業務のパフォーマンスを出すという指標、視点が情シスのメンバと共有できているものと予想していたが大きく外れていた。いまだに、インフラの配備にばかり気を取られていて、配備された後の世界(第2波)の話題が表に出てこない。情シス内部がそういう状況では、従業員の期待にはこの情シスは応えられない。プロアクティブに動いて、今こそ、情シスの社内の評価を上げるチャンスではないかと考えている。

3.業務パフォーマンスを上げるための情シス施策

個人的に、第2波に対しては、以下を考えている。在宅勤務を行っている真っただ中の従業員からの声を拾ったうえで、以下の3つを出した。

(1)チャット機能を含む情報共有ツールの全社配備とガイドライン徹底
(2)情報共有ツールにアクセスできるスマホの配備
(3)インターネットアクセスに快適に対応できる社内システムの再配置

(1)について。Office365の導入。
社内の情報システムにおいて、ファイルサーバが乱立しており、かつ、それらほとんどがオンプレのシステムである。よって(在宅環境から見た時に)VPNの奥にあるわけで、在宅勤務で利用するうえで非常に使いづらくなっている。当初から計画しているOffice365化計画を前倒し、本サービスを社内の情報共有の中心に持ってくるべきと思う。そのうえで、その運用設計、ユーザへの浸透、ガイドライン作りなどが必須であり、そこの出来によって、成功するかしないかも決まる。今、自社の情シスがすべての新規案件を止めてでもこの業務に打ち込むべきでないかと考えている。

(2)について。iPhoneの配備。
今回の在宅勤務の体制を経験したうえでの結論は、iPhone・iPadをPCと別に配備するべきということ。現時点では、(自社は)おおむね管理職以上のメンバにiPhoneを配備するような雰囲気であるのだが、そういう役職縛りではなく、在宅勤務の装備の一つとして配備する必要があると考えている。(1)で記載したOffice365サービスとiPhoneとのマッチングがすこぶる良い。iPhoneのOffice365アプリからダイレクトにインターネット経由でアクセスできるため、社内ネットワーク負荷の影響を受けずに快適に使えることがわかった。配備を加速させる必要がある。

(3)について。VPN内に封じ込めるシステム設計からの移行。
今回、VPNの入り口がとにかく混みあい、それにより業務のパフォーマンスが落ちることを嫌というほど体験した。(1)と(2)によって、事務系ファイルの共有や会議の実行においては、VPNの混雑の影響を回避できる。残るは、社内システム群である。「それらをクラウドに」などとまとめて語ることなどはできず、業務ごとのシステムの特徴を考慮しながら個別に対応していくしかない。もともと、そういう予定を長期的に考えていたところに突然わいてきたチャンスでもある。今しかない。今やらなければ一生できないと思う。

以下の友岡さんの記事がとても読み応えがあった。同じ製造業の業態であり、問題点の多くが似ており参考になった。

追伸

在宅勤務は体調の自己管理が必要ですよね。みなさん、どうされますか?私、在宅勤務の弊害で腰を少し痛めてしまったので、GW突入以降は自転車で体を動かすことにしました。今のところ、30キロ~45キロ/日を走っています。このペースでずっとは無理としても、できるだけ何かしらの運動を続けていくつもり。何より、河川敷のサイクリングで風を感じるのが心地よい。

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以上。

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