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ドラマ「正直不動産」第7話を、不動産業界の中の人が見た実際のところ

NHKのドラマ正直不動産、第7話は不動産売却リバースモーゲージについて。
それでは今回も業界人として正直に語ってみましょう。
今回も私、嘘がつけませんので。

いやー、不覚にも後半ウルッときてしまいました。
子育て世代の親としては、子供&じじばばを出されるとダメですよね・・・。

さて。
今回はすごく不動産業にまつわる良いテーマだったんじゃないでしょうか。
加えて金融業界の商品も出てきました。
ドラマ向けにだいぶマイルドに修正されていたものの、結構リアルに現場の空気感を表現しようとしていたんじゃないかと思います。

最近は相続した不動産の売却というのも増えていますが、住み慣れた家を本人が売るというパターンも当然多いです。
誰もが金銭的に余裕のあるわけではないので、当然今回のようなリバースモーゲージを利用するパターンも十分あり得ると思います。

リバースモーゲージとリースバック

リバースモーゲージリースバックという商品はよく考えて利用されることをお勧めします。
リバースモーゲージは主に金融機関の商品で、自宅を担保にお金を借りるというもの。
リースバックは不動産業者の商品であることが多く、いったん不動産業者に売却しその元自宅を賃貸して住み続けるというもの。
どちらもおおよそ高齢者をターゲットにした商品です。

リバースモーゲージ高齢になってから借金をすることに問題がないか契約期間終了後の自宅の取り扱いがどうなるか、といった点は確認された方がいいでしょう。
あくまで自宅を担保に取られたうえでの借金ですので、最終的には何が何でも返済が必要です。
最後に自宅を売却し返済するというのが一般的かと思いますが、都心部ならいざ知らず、地方では予定していた価格で売れるかということも懸念材料です。
ドラマで出てきたとおりですね。

またリバースモーゲージを利用せず自宅を売却した場合はその現金を相続財産にすることも可能ですが、リバースモーゲージでは借金返済時に取り上げられてしまえば相続財産としては何も残りません。
自分の代では自宅に住み続けられるので困らないが、次代には何も残せない可能性もありますので、このあたりは相続計画をよく考える必要もありそうです。

一方、リースバックは不動産業者に自宅を売却し、不動産会社所有となった元自宅を、賃貸物件に引っ越す代わりにそのまま賃貸借契約して借りるという商品です。
こちらの注意点はいつまで賃貸可能なのか売却額と月々の賃料設定が周辺相場と比べて妥当なのか、というところです。

判断基準

リバースモーゲージ、リースバックともに一概に良い悪いという判断はできず、状況や重視されるポイントで判断は違ってきます。
例えばお子様などの相続人がいないケースや事情があって資金が必要な場合など、利用しても差し支えないケースもありますのでよくご検討ください。

また、自宅に住み続けられるのは本人たちにとってメリットの場合もありますが、自宅を売却をして高齢者施設に入る人のご意見として「子供に介護などの迷惑をかけたくないから」というのも多いです。
自宅に住み続けることが結果的に自分の子供に心配をかけ続けさせることになるという可能性もあります。
何が正解というのは一概に言えませんので、ドラマのように、商品の販売者ではなく別の不動産業者など第三者の意見も聞いてみるとよいのではないでしょうか。

不動産は資産ですので、処分方法については所有者の意見を尊重したいところです。
所有者が意思を持ってハッキリ示さないと、業者の言うことが全てメリットに聞こえてしまい、流されやすくなります。
言葉は悪いですが、そういう人はハッキリ言ってカモです。
大事なのは所有者のあなたが今後どうしていきたいか、その一点に尽きます。
とはいえ選択肢がたくさんあることは悪いことではないですから、結局は自分の頭でよく考えて利用しましょう、ということになるでしょうか。
身も蓋もない言い方ですが。

不動産売却の際の数々のリアルドラマを見てきた私なりの意見を述べてみました。
参考になれば幸いです。

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