『読書という荒野』
僕はかねがね「自己検証、自己嫌悪、自己否定の三つがなければ、人間は進歩しない」と言っている。
自己検証とは、自分の思考や行動を客観的に見直し、修正すること。
自己嫌悪とは、自意識過剰さや自己顕示欲を恥じ、自分のずるさや狭量さ、怠慢さに苛立つこと。
自己否定とは、自己満足を排し、成長していない自分や、自分が拠って立つ場所を否定し、新たな自分を手に入れること。
現状に安住し、自己検証と自己嫌悪と自己否定を忘れるようなことがあれば、生きている価値さえないと思う。
そうした感情を味わえるのが、まさしく読書なのだ。
本を読めば、自分の人生が生ぬるく感じるほど、苛酷な環境で戦う登場人物にで会える。
そのなかで我が身を振り返り、きちんと自己検証、自己嫌悪、自己否定を繰り返すことができる。
読書を通じ、情けない自分と向き合ってこそ、現実世界で戦う自己を確立できるのだ。
見城徹
『堺から世界へ』プロボクサーしてます。Instagram TikTok @tomita.d.aiki