食べる分だけ魚を捕る、の夢(2022.12.24)

 豊平川。
 札幌市内を流れる川である。
 どうやら僕と妻は、河原に住んで、食べる分だけ魚を捕る生活をしているらしい。現代でそんな生活をしているのだ。
 今日も漁に出ていた。川を横切るように網を張る。適当に魚が入ったところで、網を上げる。
 川なのに捕れる魚は海水魚ばかりだった。小振りなサメや、カツオなどが多い。タコもいる。珍しいところでは、50センチ以上ある虹色のカエルが数匹。これは食用ではないようだ。
 水揚げが終わってひと息ついていると、急に日が陰った。空を見上げると、巨大な飛行物体の群れが、ゆっくりと移動していた。鋼鉄製の飛行船といった外見。丸っこい船体に大砲や機銃が装備してある。
 戦闘飛行船の群れは、川の上流に向かっていた。何だかとても嫌な予感がしたので、僕も川をさかのぼっていくことにした。
 上流では、何か工事をしていた。川にとって良くないことが起きているらしかった。ひいては、僕と妻の生活にも悪影響が出るかもしれない。
 実作業のほとんどはロボットがしていた。二足歩行のロボットが、汗ひとつ流さず働いている。ロボットだから発汗しないのは当たり前だが、実によく働く。こいつらを見ていると、やがてロボットに仕事を取って代わられる時代が来るという話も、その通りだと思えてくる。
 その中の一台が暴走して暴れ始めた。現場には対処できる人がいそうになかったので、僕が何とかすることにした。
 ロープを足に引っかけて転ばし、鉄柵をかぶせて動きを封じ、大きな電動工具を投げつけて叩き潰してやった。
 騒動を収めたことについて、工事の現場監督が礼を言ってきた。偶然だが彼は顔見知りだったので、工事の全貌を聞き出した。やはり川にとって致命的な改変を加えようとしているのだった。
 工事を中止するよう訴えたが、現場監督にそれほどの権限はないだろう。

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