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ユーザーインタビューの事前準備「ステークホルダーインタビュー」やってみた!

はじめに

今日は最近やってみたステークホルダーインタビューについて忘れないうちに書いていきます!控えめに言って、やる価値あるなと思いました@i09sakaiです。

やってみた!の概要

会社のある活動でUXデザインを活用して検討・企画・作成・運営していこう、という取り組みをやっています。その活動では社内外(メインは社内)へ広報をしていきます。広報したい内容は最新技術関連についてです。全部で8分野あります。おおまかなターゲットは社員(2千人弱の会社)、約8割が社外常駐型のエンジニアです。

発信する側の目線で言うと、「何で見てくれないんだろう。」「どうやったら広まるのか分からない。」という疑問だらけの状態でした。受信する側(ユーザー)の目線に立たないと解決しません。そのため、ユーザー調査(ユーザーインタビュー)してみることに。ただ、その前にまずは8分野のリーダーに話を聞いてみよう!ということで1人で8人に30分間のステークホルダーインタビューをオンラインにて行いました。

なぜステークホルダーインタビューって必要なの?

前回の記事ではインタビュー前のステップ「1.目的の設定」の中の1つとして、「ステークホルダーインタビューやってみるのもいいかもね」くらいに書いていました。
ユーザーインタビューのマインドを整理する

それが!!!意識変わりました、「確実にやった方が良い」です。なぜかというと、下記5つの理由があります。
1.目的が明確化、具体化される
これがメインの目的だと書籍には書いてありました。確かに、ステークホルダーインタビュー前の「何で見てくれないのか?」「どうやったら見てくれるのか?」知りたい、という曖昧な目的が下記のように変わりました。

 目的
 ・社員にとって最新技術はどういうものか?
 ・普段の生活の中で触れ合う、考える機会があるのかを知るために、どのような価値観、生活スタイル、仕事への考えをもっているのか?(コンテキスト部分)
 ・入社時から考え方が変わったタイミングは何か?それに影響したのは誰か?

2.視野、視座、視点などが異なるインプット情報により考える幅が広がる
どうしても仕事上、参画PJの状況次第では、全関係者と一緒に検討することはできません。参加者の職種、年代、役職、経験の有無など、なるべく多様性を持たせたいのですが、必ずしも多様性を持たせられるわけではありません。同じような境遇の人が集まると、考えが狭まってしまいます。そんなときに、ステークホルダーインタビューです!30分くらいなら、いくら忙しくても時間が取れないレベルではないので、協力してもらいやすいです。活動について深く考えている人、別の視点から問題を捉えている人、想いがある人に事前にインタビューしておくことで、後で「こんな観点なかった、最後まで一通り進んでしまったけど、もう一度ユーザーインタビューやり直さないと…」と後悔することがなくなると思います。

3.話を聞いたからには、解決したい!と渇望に繋がる(モチベーションアップ)
色んな人の話を聞くと、共感や発見の嵐です。もちろん、知っていたこともありますが、そんなこと考えていたんだ!そういう意図があったんだ!と発見が多かったです。また、同じような悩みや課題を持っている人も多かったです。しかし、同じ課題を持っていても、お互いが知らないので協力して解決するという発想にも繋がってもおらず…。勿体無い!と思うと同時に、全員から話を聞いた私がやらなければ!解決したい!この問題を!という使命感のような意識の変化がありました。

4.周囲を巻き込むための第1歩になる
会社って謎に情報隠しがち、閉じがちじゃないですか。別に隠すつもりもないんだけど、数人だけで勝手に話が進んでいたり、自分も多少関係あるはずの活動の情報が入ってこなかったり…。勿体無いなと思うんですけど、誰も悪気はないけど、当事者にされていないと興味・関心もなくなったり、悪循環な気がします。ステークホルダーインタビューは、「あなたの考えが重要なインプット情報になります」と伝えて、話を聞いているわけなので、インタビューされた人は仲間な感じがしますよね。仲間だと思ったら興味・関心も持ってくれるし、何か役に立ちたいと情報を提供してくれるし、と良いこと尽くしです!!

5.ユーザーインタビューの練習ができる
ユーザーインタビューのマインドややり方ってすごく難しくて、インタビューできる機会も少ないので、経験積むことができなかったりしませんか?ステークホルダーインタビューで試したらいいんです!もちろん録音の許可を取って、後で振り返ってみると「あ、ここは誘導しちゃってるな」「自分の話しすぎだな」「沈黙に耐えられていないな」など自分の癖など見えてきます。ユーザーインタビューをより意味のあるものにするためにも、お勧めです。

どうやってやった?

1.シンプルに何を知りたいか、聞いてみたいかをマインドマップで書き出しました。もちろん属性なども。
2.時間も少ないので事前にマインドマップを共有した上で、ステークホルダーインタビューの目的を伝えて、会議招集をします。
3.当日は、録音の許可を取り、理想論やあるべき論ではなく素直に話してもらうため録音データは他の人に見せないことを約束します。また、話しづらそうであれば、私のネガティブな情報を話すことでハードルを低くします。
4.メモは簡単に取りますが、話に集中するため必要最低限にします。話の中で深堀したいことを詳しく聞いていきます。マインドマップの聞きたいことを順番に聞いていくというより、話してくれた内容を深堀、広げていくことで話の展開が自然になるようにします。
5.聞きたいことをすべて聞けた後は、お礼と参考になった旨を伝えて終わります。
6.録音を聞きながらポイントをまとめます。
7.共有します(ネガティブなストーリーは口外しない約束なため程良いマスキングを)。

大変そうに見えますよね。1人あたり1時間10分(事前準備、インタビュー、まとめ)、8人なので全部で9時間20分。1日半あれば終わります!自分たちで1日半考えても出てこないような観点も拾えるので価値ありと感じました。

ステークホルダーごとに何を聞くべきかまとめてあるサイトもあるので参考にしてみてください。
UX MILK
プロジェクト進行の上でステークホルダーに聞いておきたい質問リスト
プロジェクトに関わるステークホルダーに聞きたい10の質問

誰に対して行うのがいいの?

ステークホルダーって曖昧ですよね。今回は各分野のリーダーをステークホルダーと定義して、インタビューを行いました。実際のプロダクトにおいては、営業やマーケター、運用保守、業務チーム、開発チーム、PMなどがステークホルダーになります。また、参加するメンバー全員に事前インタビューするのもありです。何か考えや情報を持っていそうな人、知らない部署・職種・役職など聞きたい人に聞くのが一番良いかなと思います!

終わりに

ユーザーインタビューの設計から結果まで、また記事にするので、ぜひ皆さんも身近なところでやってみてください。

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