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オリジナルイベント開催へ向けて始動!〜SAJ「ワクワクする学びの場創造研究会」2023年度第4回レポート

一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)の「ワクワクする学びの場創造研究会」による2023年度最後となる第4回会合が、2024年3月13日(水)にオンラインで開催されました。本研究会の目的は、「ワクワクする学びの場」について開かれた対話の場を創出すること。3ヶ月に1度、メンバーとSAJ会員からの参加者が情報交換を行っています。

[2023年度の開催レポート→第1回レポート第2回レポート第3回レポート

自ら「ワクワクする学びの場」を創ろう!

今回は、「SAJの参加企業でワクワクする学び場をつくってみよう」をテーマに、オリジナルイベントの実施を目指して具体的な協議が行われました。きっかけは第2回研究会の際に、各社が教育事業で抱える悩みを共有し合ったこと。共感が生まれる中で、「ワクワクする学びの場を自分たちで創れないか?」という声が上がったのです。

<2023年度第4回研究会参加者(敬称略)>
研究会メンバー:中村⿓太(研究会主査/サイボウズ株式会社)、丸尾周平(トレンドマイクロ株式会社)、

参加者:次の所属のみなさん。株式会社H&Eテクノロジー、株式会社Globable、株式会社C60、株式会社⾖蔵、株式会社MOVED、リバティ・フィッシュ株式会社、株式会社ロックトゥーン

オブザーバー:遠山紗矢香(静岡大学情報学部講師)

2023年度第4回参加者のみなさん

参加企業の協働でワクワクを生み出す

はじめに同研究会主査の中村氏は、「個々の会社が学校や教育現場と関わるだけではなく、みんなでいろいろな知見やコンテンツも持ってワクワクすることができたら」と呼びかけ、各社のコンテンツや経験をもとに協働して何ができるのかを探っていくことになりました。

トレンドマイクロ株式会社の丸尾周平氏と株式会社MOVEDの渋⾕雄⼤氏による進行で、参加各社が自己紹介をかねて業務や教育関連事業について共有すると、プログラミング教育や探究学習など、子どもの教育に関する事業を各社の理念に基づいて行っていることがわかりました。教育委員会や学校、地域の子ども達などにそれぞれが持つつながりでアプローチしています。

トレンドマイクロ丸尾氏(左)とMOVEDの渋谷氏(右)

渋谷氏は第2回研究会で上がった共通の課題感を、「学校に関わりたいけれど、マネタイズを考えて関わっていくと一社では重たい面もあり、ボランティアではなかなか関わりきれない」、「自治体との関わり方が難しい」と整理して振り返りました。そこから、複数社で協働的に動けると良いのではないかという話になり、その第一歩として今回のイベントの企画があります。

丸尾氏は「皆さんが持ついろいろなコンテンツを集めて、時間割を組んで1日のイベントとして実施してみたらどうか」と提案し、各社がどのような講座の提供が可能なのか、これまでの経験を共有し合いました。

各社のコンテンツをチェック

各社の取り組みを見ると、例えば子ども向けのプログラミングひとつ取っても、そのアプローチはかなり違います。株式会社C60はC言語でロボットプログラミングをする講座、リバティ・フィッシュ株式会社は子ども向けのスモウルビーを使ったプログラミング体験、サイボウズ株式会社は同社のキントーンによるノーコードのプログラミング体験というように、内容は多岐にわたっていました。また、探究系の講座は時間をかけて関わることが多いので、単発のイベントに向かないことなどもわかりました。

対象の年齢や所要時間、オンライン講座が可能かどうかなども確認しながら、今回はどこかリアルな場で開催し、複数の講座から好きなものを選んで参加するイベントの形が見えてきました。「皆さんが持ち寄ったコンテンツをお互いに知ることによって、そこでコラボレーションが生まれたら面白いなと思うんですよね。私も過去に3社くらいで共同のワークショップを実施したことがあります」と丸尾氏。

イベントの位置付けや場所の検討へ

リアルな場での対面イベントとなると、開催場所と集客が課題です。無料であれば学校などの場で実施させてもらう道もあるという声もありましたが、丸尾氏は、「各社がバラバラに違うところに届けにいくよりも、同じ場所でできた方がコラボレーションにつながるのではないかなと思っています。子どもたちのリアクションも同じ場所で知ることができたらいいですよね」と、同じ場所で協働するメリットを指摘しました。

株式会社C60の⾕藤賢⼀氏からは、「教育委員会の後援を得れば地域の学校にチラシを配布できて集客がしやすいですよ」という情報も共有され、場所と日時を独自に決めて開催する道筋が見えてきました。最終的には、夏休みの8月に東京のSAJの会議室を会場にして、無償のオリジナルイベントを開催するという案になり、具体的に参加企業を募ることになりました。

C60の谷藤氏(左)とH&Eテクノロジーの原山氏(右)

渋谷氏は、「SAJとしてイベントを実施する意義を統一しておいた方がいいですよね。例えば技術者育成のような文脈でもいいですし」と、全体の建て付けにも目を向けます。株式会社H&Eテクノロジーの原⼭⻘⼠氏からは、「GIGAスクール構想の1人1台端末整備の更新時期が来る“NEXT GIGA”の文脈や、来年から大学入学共通テストで情報が科目になることなどの文脈でもいいですね」と補足しました。

教育事業に関する課題感とも向き合うきっかけに

また、SAJとしてのプレスリリースを出して参加企業名を出すことで、各企業にとってのメリットにつなげようという話も上がりました。渋谷氏は、「皆さんの実績作りにもなれば良いと思いますし、これ自体が直接マネタイズにならなくても、その先で活用できるようにしていければと思っています。ボランティアで終わって欲しくはないので、その意識は統一して進められればと思います」と話し、きっかけとなった教育事業に関する課題感を改めて確認しました。

同研究会主査の中村氏も、「“SAJとして”という視点はこれまであまりなかったので、我々が会員としていろいろな場を作っていただいたSAJにひとつの価値を提供できるのはうれしいですね」と受け止めます。

サイボウズの中村氏

進行してきた丸尾氏は、「話していたらワクワクしてきました」と感想を伝え、他の参加者も楽しく前向きに協議できた様子です。企画する側がワクワクしていてこそ「ワクワクする学びの場」を生み出すことができるはず。どのように企画が進んでいくのか、今後が楽しみです。

イベント参加企業募集中!

今回の企画をもとに、2024年8月中旬〜下旬に開催するイベントの参加企業をSAJ会員から募集することにしました。

・ワークショップ、体験会、講義など「ワクワクする学び」コンテンツの提供
・1〜1時間半程度
・子ども向け、親子向け、大人向け、いずれも可
・参加者は無償(材料費がかかる場合は徴収可で検討中)
・SAJ会議室(東京)で対面の開催
次回の回までに、具体的なイベント案を作っていく予定です。

2024年度も引き続き「ワクワクする学びの場創造研究会」を開催いたします。SAJ会員の皆さんで関心をお持ちの方はぜひご参加ください。

[前回までの研究会レポートも合わせてご参照ください]→2022年度:第1回第2回第3回第4回、2023年度:第1回第2回第3回


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