「天地」(universe)/個展「山際」出品作#7
イタリア製の楕円の額を入手してから、これに合わせた絵の構想を以前から温めていました。天と地、といういわば区分けをする意識を、再びつなぎ合わせる”気”のような存在としての龍です。
”龍”というテーマをガラス絵や多層ガラス絵でここしばらく取り組んでいます。自分なりに描くきっかけとなったのは、様々な動物の混成体という龍自体のルーツでした。これは、自身が特にコラージュ作品を制作する際などに強く感じる、別世界同士の並置(バランス)、ぶつかり合い、混じり合い。それを異なる形で体現させられるかもしれないと思いました。
地元見沼の龍を扱った際は、ある特定の場所で、地理的歴史的に龍がどのように捉えられてきたかを深掘りする作品に派生していきました。
今回の新作は、それらの制作から得た自らの龍とも言える“貝塚の龍“を、あえてより広く伝統的な構図を踏襲する形に落とし込んでいます。それにより、新たに蠢き始めた龍は時間を超え、古い構図の中を生きる、別々の時間を繋ぐというのがテーマになりました。
出品作品は随時更新していきます。本作は現在、福屋八丁堀本店ギャラリー101にて開催中の個展に出品しています。
作品のお問い合わせは福屋まで。電話:(082)246-6111(代)
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