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「酒をやめてみた」という話

タイトルのとおりですが、お酒をやめてみました。

「量を減らした」とか「休肝日を増やした」とかではなく、完全な「断酒」です。種類を問わず酒を一切摂取しない生活に切り替えて、一カ月以上経ちました。

今のところ順調ですし、思うところがいろいろあったので書き留めておこうと、今回のnoteを記しています。


酒をやめた理由は4つほどあります。

1.健康診断で、肝臓系の数値(ALT)が悪化してきた
2.お腹まわりもたるんできた気がする
3.最近、酒に弱くなってきた
4.もともと、それほど強い体質ではなかった

年齢とともに「酒関連」で気になることが増えてきたわけです。

酒はそれなりに好きだったし「量を減らす」という対策も考えました。しかし4番めに挙げた「もともと、それほど強い体質ではなかった」という事実とあらためて向き合ってみると、もういっそ「やめる」でもいいのかな…と思うようになってきたのです。


そもそも僕は、大して酒に強い体質ではないというか、むしろ弱い方だったと思います。お酒を飲むとすぐに顔が赤くなりますし、若いころは飲み会に行っても「乾杯の中ジョッキ」を飲み切るくらいが限界量。

しかし、社会人になって「場数」をこなしていくうちに、だんだんと飲めるようになっていきました。

30代の頃には、乾杯の中ジョッキ→ビールお代わり→日本酒や焼酎に切り替えて1~2回はお代わりをし、二次会のカラオケ屋でもサワーやカクテルを数杯飲む…という感じ。人並み程度にはアルコール耐性が備わったのではないかと思います。ここ数年はウイスキーにハマってストレートで飲んでいたので、度数の強いお酒にも順応していました。

ところが…。つい最近になって急に「体質が元に戻り始めたのではないか?」と感じることが増えてきたのです。

あるとき、ビールの350ml缶を1缶飲んだだけで完全に「酔った」感覚を覚えました。「えっ? たかがビール1缶でこんなに酔う? いやいやまさか」と妙な意地を張って2缶めも開けて飲みほしたのですが、心臓バクバクするわ頭が痛くなるわ。ビール2缶が限界になってしまったという事実に、大いにショックを受けました。「どうしちゃったんだ、俺…?」と。


ただ、冷静に考えると「もともとはそうだった」のです。大学生の頃は、こんなもん。そう、これが本来の自分だったのです。

もともとは大して飲めない体質なのに、それを強引に、体に無理をさせて対応させてきた。「場数を踏むうちに酒に慣れて飲めるようになった」と思っていましたが、そうではなく「無理できる有効期限を使い切った」のではないか。最近はそう思うのです。

特殊アイテム「アルコール分解ブースト」
この能力を開放すると、20年間はアルコール分解能力を向上させることができる。しかし、能力を使い切った後は元の体質に戻る。

ゲームに例えるなら、こんなアイテムがあるようなイメージでしょうか。
一見バカげてるようで、案外この妄想は間違ってはいないんじゃないか…?と思ってます。

アルコールの分解能力は生まれつきのもので、変わらないという話も聞きます。そう考えると、今までだいぶ体には負担をかけてしまいました。おそらく僕の体に許されている「一生分の許容量」には、すでに到達しているのだろう。もう一生分の酒は飲んだ。いっそやめてもいいかもしれない。

そんな思いに至り、きっぱりと断酒することにしたわけです。
「この先の人生、一滴たりとも飲まない!」という重大な決意ではないのですが、ひとまず1年くらいは断酒してみようかと。もしもそのときに調子が良ければ、もう少し続けてみるかもしれません。


現在、断酒して一カ月ちょっとです。この間、一滴も飲んでいません。
特殊アイテム「アルコール分解ブースト」を使い切ったからか、大してつらくないのが自分としても驚きでした。

YouTubeの料理動画などで「酒をうまそうに飲むシーン」が出てくると「いいな、うまそうだな」とは思います。しかし、こらえきれなくなってコンビニに走る…というわけでもなく、すぐに忘れるレベル。

どうしてもモヤモヤするときは「炭酸水で十分代用できる」というのも発見でした。僕にとって「ビールが飲みたい」という衝動は、要するに「甘みのない炭酸飲料をゴッゴッゴッとノドの奥に流しこみ、ベフッとなりたい」というだけだったようです。アルコールやホップの苦みがあるかないかは、大した違いではなかった(あくまでも僕にとっては、ですが)。

そして、断酒生活を始めてみて「飲めない側」の視点を取り戻せたことは非常に大きな収穫でした。

今はこんなご時世なので飲み会はできませんが、もし今後、また普通の生活が戻ってきたときにも、僕は「飲める側」と「飲めない側」の双方の心理を、当事者として共感できます。

何の世界にも言えることですが、「両者の視点がわかる」のは、非常に大切なことですよね。例えば僕はクルマもバイクも運転するため、どちらの運転者心理もわかります。この心理を体感的にわかっているおかげで回避できている事故も、おそらくたくさんあると思っています。

こういった「双方の視点」は、なかなか得ようとしても得られないことが多いので、貴重なものと言えるでしょう。


決してこういった意図があって断酒を始めたわけではないのですが、思わぬ気づきがあり、すでに「やってよかった」と思っています。

はたしてどこまで継続することになるかはわかりませんが、ひとまずの目標は1年。はたして達成後には、どんな気づきがあるだろうか。今から楽しみです。

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