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水を求めて旅をするようになり再確認した3つのこと

前回の投稿でも少し触れたが、緊急事態宣言解除後から僕は導かれるように川や滝など水源のある場所を巡り始めた。

SNSで繋がる多くの友人たちはこう思ったようだ。

「旅人に転向したの?」
「滝行でもするの?」
「なにか忘れたいことでもあるの?」
「自分探しの旅?」
「羨ましいけど暇なの?」

どれも間違っていない気がするし、むしろどれも正解な気もする。

自分をまず徹底的に癒すためのアンパンマン理論実践に向けたトライアル。

そして今まで感覚的に捉えていた水の原点の模索と、上善如水な生活への移行。

約二ヶ月の自粛期間中に妄想していたことは、実際にこうやって行動を始めてみると更なる発見にたどり着く。

①水の循環は人生の象徴である
②きれいな水のあるところに人々の生活はある
③水が教えてくれる厳しさという側面

一つずつ説明していく。

①水の循環は人生の象徴である

当たり前のことすぎて改めて言うと変な感じもするが、やはり水は循環している。

例えば梅雨の時期に行った那智の滝(和歌山県東牟婁郡)は恐ろしいほどに水量が増して本当の龍に見えるほどだった。

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こうやって怒涛の水が下へ下へと流れ、そこから川になり、海へ流れ、そしてまた蒸発して雲を作り雨となる。

水というものは常に形を変化させていくのだ。まさに自然の摂理

人生もそうありたい。

年齢を重ねてもどんどん変化する環境に適応しながら柔軟に生きる人生。

水の循環も人々の生活も脅かされると自然は不自然になる。

いつも自然体でありたい。

②きれいな水のあるところに人々の生活はある

よく酒造りの表現で「きれいな水のあるところに美味しい酒はある」という。

まさに名水百選に選ばれるような場所にも行ったが、人々の暮らしに密着しているところが多いと改めてハッとした。

例えば、なんとも形容しがたいほどのきれいな川沿いに佇む奈良県の天川村は、そこらじゅうの軒下に生活用水を引いているし、さかんに近所の人たちが飲用水を汲みに行っていた。

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ちなみに長野県松本市の城下町にも至る所に湧水群が残っていた。

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そして南阿蘇にある白川水源もサントリーの天然水で有名だが、立ち入りを有料とし、綺麗な水を保とうと管理されていた。

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それにしても湧水を飲み比べてみるとこれまたたくさんの発見。

特に顕著だったのは利尻島。

島の中央にある利尻富士から流れ出る4箇所の湧水のうち、3箇所をテイスティングするも風味が全く違う。

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どれも軟水だが、通ってくる道筋(土壌)によってそこに影響する要素が変わり、さっぱりとミネラリーなものもあれば、余韻長く甘みを感じるものもある。

もっとも当たり前のようだが、東京近郊で暮らしていると上水道が整備されているので蛇口をひねれば飲める水が出てくる。

しかしここに個性は存在しない。

安全性は担保されているかもしれないが、水質基準をクリアするためのフィルターがある分、個性は失われているのだ。

無論、都心では生活用水としての機能であれば相当にありがたい。

しかし、水に対する感謝が薄れるのもまた必至だ。

これは大いに気をつけなければならない危うさであることは言うまでもなく、人々の生活と水との距離感が、環境に対する配慮を生むのかもしれない。

③水が教えてくれる厳しさという側面

老子の上善如水という生き方を実践するにあたり、一番自分で実践が難しいと思った箇所がある。それは、水が岩をも削る存在だということだ。

水は使い方によってあの硬いダイヤモンドですら切ってしまう力を持っている。

水の侵食によってできた高千穂峡(宮崎県西臼杵郡)や、裏見の滝で有名な鍋ヶ滝(熊本県阿蘇郡)では年月をかけて出来上がった自然美を体感することができた。

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また、面不動鍾乳洞(奈良県吉野郡)では、1cm伸びるのに100年かかるという途方もない悠久の時間を感じさせるが、それだけコツコツ努力をせよ、と諭されたような気がした。

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自分に対して優しさだけではなく厳しさも持ち合わせる必要があるのだ、と。

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こうやってまがりなりにも半年ほどで日本各地様々な場所へ赴いた。

まだ世間的にはなかなか身動きの取れない人が多くいると思う。

そんな中、フリーランスという立ち位置で身軽に動けたのはかなり大きかったし、Go Toキャンペーンの恩恵をものすごく受けた。
(※もちろん感染症対策を十分におこなって行動しました)

また、各地行く際にはそれぞれの場所でたくさんの友人・知人にお世話になった。自分一人ではここまで多彩な情報を得ることは難しかったし、行けない箇所も多々あった。

この場でみんなに感謝したい。ありがとう。

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2020年も残りわずか。

今年の旅は一旦終え、風の時代が本格的にスタートする2021年を新しい心持ちで迎えることとする。


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