魔法物語 竜の大地2 No.24
陽光を受けてなお、薄く闇に包まれている。
風景は暗く、濁っている。
音はしている。無数の状況を表現する音たち。だがそれらはあまりに多様であり、ひとつの意味をもたらさない。たとえば阿鼻叫喚を強く押しつぶして生まれた静寂。
時に重さがあるだろうか。軽やかに過ぎる時間というものがあるかもしれない。けれど今、限られたこの空間には、進むこともままならぬ、固まりかけた溶岩に似て、粘り着くような重い時が流れている。
空間を構成する巨大な竜が二頭。広い平原すべてを覆い隠すように、身