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2024年5月の記事一覧
参考にならないヨーロッパの「女帝論議」──女王・女系継承容認の前提が異なる(「神社新報」平成18年12月18日号から)
スペイン王室は(平成18年)11月末、レティシア王太子妃が来春に出産する予定の第2子が「女子である」と発表しました。もし男子なら、「男子優先」を定める憲法の規定により、第1子のレオノール王女の王位継承権を「飛び越す」ことになるため、懐妊発表後から女帝論議が白熱化していた。そこで論議の加熱を防ぐため、誕生前の性別発表に踏み切った、と伝えられます。
新聞報道によると、世界中で女帝容認論議が起きて
「男女平等」か「ジェンダー平等」か──イギリス王位継承ルール変更の「パンドラの箱」(令和6年5月31日)
2013年イギリス王位継承法は、「王位継承をジェンダーによらない(not depend on gender)ものとし、王族の婚姻に関する規定を設ける等の法律」という長文題名がついているように、「ジェンダー平等」を明確に謳っている。〈https://www.legislation.gov.uk/ukpga/2013/20/enacted〉
ところが、以前、紹介した河島太朗・国会図書館主任調査員の翻
王位継承ルールの「変更」を検討したイギリス下院特別委員会報告書──伝統主義を捨てたのか(令和6年5月19日)
イギリス下院の政治・憲法改正特別委員会(Political and Constitutional Reform Committee)は2011年、政府(キャメロン内閣)が提案する王位継承ルールの変更を検討し、報告書をまとめた。委員会で何がどのように議論されたのか、あるいは議論されなかったのか、同年12月に発行された報告書をもとに、概要を以下、紹介する。
委員会のメンバーはグラハム・アレン議員(議
パース協定の中身──イギリス下院の報告書から(令和6年5月14日)
河島太朗・国会図書館主任調査員のリポート「イギリスにおける王位継承法の制定」(2013年12月)は、「オーストラリアのパースで行われた英連邦諸国首脳会議の2011年10月28日の会合では、16の全領国の首相が①男子優先の王位継承を止めること、②ローマ・カトリック教徒と婚姻をした者に関する王位継承の欠格条項を撤廃すること(後述)の2原則で合意に達した」と記している。
〈https://dl.ndl.
イギリス労働党政権の王位継承改革案──皇室制度に接近するヨーロッパ王室(2008年09月30日)
イギリス労働党政権が、男性の優位、カトリック教徒の継承禁止を定めてきた王位継承法の改正案を準備している、と伝えられます。
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2008092602000097.html
http://www.asahi.com/international/update/0927/TKY200809260389.html