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突然、「サッカーなんてどうでもいい」と言われた日

「世の中の人にとって、サッカーとかスポーツって“どうでもいいもの”なんだからね」。

ニュースポータルのスポーツ担当をしていた約9年前、上司から諭すような口調で突然こう言われました。

なんで? スポーツのニュースって、スポーツ好きやファンが見るものじゃないの? 「どうでもいい」姿勢で発信して大丈夫なの? え、なんで?

パイセン、俺はスポーツを愛してるんだけど、お言葉の意味がよくわからないです……!

キラキラのIT企業で念願のお仕事

みなさん、こんにちは。本日の記事は、スポーツをテーマとして書くことに悩んだ過去の僕がいかにブレークスルーの瞬間を迎えたか、初心に戻って綴っていこうと思います。

冒頭では、若き日の苦い思いを語ってしまいましたが、誰も気づかぬうちにわたくし斉尾がOWL magazineの執筆陣に入って1年が経過しておりました。

自分でも最近気づいたくらいなので、どうか皆々様におかれましては、引き続き、もう中学生騒動の円満解決に気を配ってやっていただければと思います。

さて、冒頭の約9年前の上司からのアドバイス。この1年、サッカーのことを書く機会がOWL magazineで非常に多かったせいか、しきりにフィードバック&リフレインしてくる言葉だったように思います。

この頃、正社員の職歴なしだった僕はスポーツに携わる仕事にどうにかありつくべく、流行りのニュースポータルの門を叩きました。

そうして仰せつかったのはニューストピックスのスポーツ担当。ヤフトピ(Yahoo!ニュース)のように、新聞メディアやウェブメディアから配信されてくるスポーツニュースをポータルサイトにピックアップする役割です。

「〜〜選手がデビュー戦でハットトリック」「〜〜球団がリーグワーストの連敗記録を更新」という毎日の試合に関するストレートニュースから、「評論家がサッカー日本代表のプレーを批判」「5回裏の采配が試合の明暗を分けた」みたいなコラム記事を織り交ぜつつ、10本のニュース群をPV数などの流入を見ながら並び替えていくお仕事です。

お仕事の時間中は、たった10本のニュースを並べていくのが主なタスクでしたが、これがなかなか難しいものでした。時流やトレンド、ニュースバリューなどを勘案しながら、どの記事を落とし、どの記事をピックアップしていくか。

ニュースをアップするや否や、PVなどはすぐに参照できるので、いわゆる記事が“当たる”まで10本を更新し続けなければいけないという「ニュース100本ノック」みたいな状態で、この頃の僕は大きなやりがいと共に一日を終えていました。

アルバイトの身分だけど、観葉植物が生い茂るオフィスでウェブのお仕事って、なかなかのキラキラした環境だったと思います。

ここからは、有料公開にさせていただきます。OWL magazineでは毎月700円で個性あふれる執筆陣による記事を毎日読むことができます! 執筆陣は、OWL magzine代表の中村慎太郎、ノンフィクションライターの宇都宮徹壱さんの他に、日本各地のサポーターやサッカーフリークたちです。全国津々浦々の「サッカー」がわかる記事が盛りだくさんです。ぜひ購読よろしくお願いします!

麻婆豆腐殺しの「世間ってそんなもんだ!」

そんな中、上司のパイセンと中華料理屋にランチにいった際に例の忠告を受けました。

「世間って、スポーツ好きの斉尾くんからすると、信じられないくらいスポーツのことに興味がないし、自分ごとだと思ってないんだよね」。

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サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…

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