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エッセンシャル思考で学校の仕事を見る

◆おはようございます!小学校教員のねこぜです。積読解消するべく読書を続ける夏となっています。今、グレッグ・マキューン著『エフォートレス思考』を読んでいます。はて、前著『エッセンシャル思考』も読んだはずだが、内容どうだったっけ?と気になりました。過去の自分が貼った付箋のあるページをざっと読み返しつつ、アウトプットしていこうと思います。


1.自分軸をもつために

 エッセンシャル思考において最も重要なことは「より少なく、しかしより良く」である。残念ながら学校現場では「より良く」が強く先行するせいで、それ自体が悪いことでは当然ないが、「あれもやろう、これもやろう」状態が長く続いている。正確には「やろう」ではなく「やれ」も多分に含まれていること。加えて、じゃあどうするかの選択肢が多く、いろんな人がいろんな意見を言うもんだからますます混乱する。本書にもあるように「決断疲れ」がまず多くの人に覆いかぶさっている。これは現代社会に生きる人の病理だと思う。

 「他人の期待に合わせるのではなく、自分に正直に生きる勇気がほしかった」
 自分に正直に生きるというのは、単にわがままになることではない。不要なことを的確に見定め、排除していくことだ。そのためには、無意味な雑用を断るだけでなく、魅力的なチャンスを切り捨てることも必要になる。やることを減らし、人生をシンプルにして、本当に重要なことだけに集中するのだ。

グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考』

 忙しい日々に負われると自分自身を見つめることさえ難しくなってくる。正直に生きようと思っても、本当に重要なことは何だろうと思ってしまうだろう。そこで、次の三つを考えるようにしたい。
 ①自分は何が大好きか?
 ②自分は何に向いているか?
 ③どうやって世の中の役に立てるか?
 転職を考える際にもこの3つを意識することで答えは自ずと出てくると著者は言う。

 ギリシャ語には「メタノイア」という単語がある。心の変容を表す言葉だ。ただ頭で考えるのではなく、心で感じること。それが人の変容をもたらす力になる。
 「人は心で思うところの者になる」という言葉があるように、心の奥までしみこんだ考えが、私たち自身を形づくっていくのである。

『エッセンシャル思考』

 時々、心を落ち着かせて、「本当はどうしたいのか」「目の前にいる子どもたちにどんなことだったらできるか」を振り返るようにしている。あれもやらなきゃ!これもやりたい!の前に一旦立ち止まって何のためにやるのか、本当に必要なのかを考える。それでも公教育においては、やるべきことが多いのは変わらないのであるが…

2.より少なくする方法

 自分に正直に、とは言ってもやりたいことだけやるわけにはいかない。それは、上述したわがままに成り下がることにも通ずる。ブルシット・ジョブ(くそどうでもいい仕事)を「より少なく」するためには大きく2つのポイントがあると考えている。1つは、量そのものを少なくする。もう1つは、負担感を少なくすることだ。
 
 量を減らすには、断ること削ることがある。誰かにお願いされたときに断る。自分がやりたい、やろうとしていることを削る。この2つである。
 かつて自分も「何とかやってみます」「多分大丈夫です」のような曖昧な返事をしていた。そして中途半端な、或いは割に合わない時間と労力をかけて、或いは結局できないまま…断る術を知らなかった。というより、断っていいものだという概念がなかった。今にも潰れてしまいそうなそこのあなた!あなたがいなくなってしまうことの方が何倍も辛い。だから断っても大丈夫!期待に応えたいと思う事は悪いことではないし、頼まれた仕事が自分のやりたいこととマッチにしていれば是非やればいい。しかし、この状況でそれは厳しいなという場合には、事情を説明するとか、代替案を出すとか、誰かに協力を仰いで一緒にやるとかするしかない。
 次に削ることだが、自らやりたいことを生成しまくって自滅に追い込まれる人が教員の中には多い気がする。教材研究をすることは大事なことだし、子どもたち1人ひとりに寄り添うことは素晴らしいことだ。しかし、それが自分を圧迫していると思うのなら削るしかない。「逆プロトタイプ」と言って、試験的にやめてみて不都合があるかどうかをたしかめるのだ。不都合がないならそのまま削る。不都合があれば考え直せばいい。

 負担感を減らす。どちらかというとこっちの方がやりやすい。すぐやること早くやることだ。
 マルチタスクができる人はいい。自分は、複数のことを並列してできない。また、仕事の優先順位をつけるのも苦手だ。だからこそ、与えられた仕事がその場で完了するものなら即実行する。その場で終わらないものでもとりあえず手を着ける。すぐやるのだ。「後でやろう」はNG!他の仕事に埋もれて一時期は不可視化されるが、それは仕事がなくなったわけではなく堆積されているだけ。自分の首をしめることになる。
 もう一つが、早くやることだ。締め切りが1か月後と言われたらどうするか。1週間前にやればいいと思うのは先述の通り、仕事はその間にも増えていき堆積する。5分でも10分でもいい。早いうちにその仕事に割く時間をつくる。始めることが大事。仕事の堆積とは反対に、小さな蓄積が締め切り前の負担感を大きく軽減すると思っている。
 計画錯誤(プランニング・ファラシー)という言葉を知っているだろうか。

 計画錯誤とは、ダニエル・カーネマンが1979年に提唱した言葉で、作業にかかる時間を短く見積もりすぎる傾向のことを言う。以前やったことのある仕事でも、なぜか実際より短く見積もってしまうのだ。

『エッセンシャル思考』

 期末に行う成績処理や所見。毎年、毎学期行っていることなのにいつもギリギリになってヒイヒイ言っている人はいないだろうか。これこそ、すぐやる、早くやるを組み合わせることで追われることなく終えることができる。仕事に追われるよりもむしろ追かっけるくらいの気持ちでGOだ。


◆最後までお読みいただきありがとうございます。『エッセンシャル思考』を読んで、仕事の本質や見方は大きく変わりました。人は「達成」と「達成を認められること」の両面によって意欲が高まると本書でも指摘されています。すぐやることですぐに「達成」を味わうことができます。すぐにやることで周囲の人からも認めてもらうことができます。そして、苦しいときは断る、削ることも大事です。自分軸をもって、働いていきたいものです。

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