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[夢シリーズ] 博多・中洲の古いクラブを再建する嫁。



【夢のパターン紹介】

<パターン1>
 
断片的な夢は記憶の整理のためで、時系列がしっかりしてストーリー性のある夢は、過去生の記憶だとかいう説もある。今回の場面自体は、自分にわかりやすく現代の事象に置き換わっている感じはあるけれど、やけにストーリー性があったから、私は地元の博多でこういうことも繰り返してきたのかもしれん、とじんわり考えてみた。

<パターン2>
 
結婚したいわけじゃないのに周りに勧められて、うーん、まぁ、生理的に耐えられないほどじゃなさそうだからなぁ、もういいか、と流れでハイハイと言った途端に周囲が動き出して話が進んでしまう、という「縁談もの」が時々ある。どうも今回のはそれだな。

 だから、「自分がノリ気じゃないならやめればいい」という発想や前提は、その夢の中では、無いのだ。

<パターン3>
 
全然関係なさそうな場面がもう一つ付いている夢。二部構成。これは、単に眠りがいったん途切れただけなのかもしれんけれど、歌舞伎の演目みたいに全然違う
話が並んでいて、それも一緒に覚えているというのも、私の夢のパターンではある。

 というわけで今回の夢はこの3パターンを総合した、過去生縁談もの・世は情け浮世の女房。


【博多・中洲のクラブ?閉店パーティ】

 それなりにフロア面積のある、古いクラブ的な中洲のお店の、今日は閉店パーティ。クラブと呼ぶのか、私にはよくわからないのだが、お客のグループそれぞれが革張りのソファのボックス席にハマって、ダンスしたりカラオケしたりスペースもちょっとあるような。昭和の感じの。

lost space さん、お借りしてます。
ありがとうございます!)

 それは成金の若い男の店で、心も姿も美しい奥様が仕切っていた。(男の顔も奥様の顔も、夢からさめても覚えております。オトコ丸顔。小柄で眉濃い。)

 私はなんとなくこの女性の方と知り合いだったっぽい。けっこういつもカラオケマイク握って話さない老齢の常連客たちで賑わっていた感じのお店。


 私はパーティ客の一人で、大勢の客の中で偶然座った席のほぼ正面にいた男性が、明日から新しいオーナーになるヒトだった。

 これまたまだ若い感じの、けれど実直、愚直な、言ってしまえば冴えない感じの人で、周りの陽気なじぃさんたちが、ちょうどいい、アンタこいつと結婚したらいいじゃないか、と話を進めて盛り上がって、私もなぜか、はぁ、まぁいいですけど、と乗り気でもないのに反応してしまい、スルリと話が進んだ。

<夢チェック>
 昔の縁談も、まぁ家柄がどーだとかの条件はあったとして、条件チェック通過後の進み方なんて、似たようなものだったのじゃないかしらね。と思う。


【冷めきった夫婦の終わり】

 一晩中盛り上がって、宴の後、朝方、客は三々五々引き上げ、しんとなった暗い店内の別室、いつのまにか帰ってきていた成金の夫が、自分の寝室のキングベッドに入っていて、美しい奥様は侍女を連れてガウン姿で夫の部屋に入って行って、靴のまま床に正座、三つ指状態で挨拶を始めた。おいおい。

なんか、こういうのに入って、
ヘッドボード?に寄りかかってる夫。
jpbed.jpさん、ありがとうございます。)

 めぢゃぐぢゃ丁寧な言葉遣いで、閉店パーティ開いた事情を伝えると、そっけなく、あーいーよ別に、と夫。なんっか私好きじゃないんだよな、こいつ。

 さらにめぢゃぐぢゃ丁寧に、あなた様どうぞこの先お幸せにお過ごしくださいませ、と涙ながらにお別れ言葉を告げてもどってきた美しい奥様の方に、私は共感するやら背中さすってやりたいやら、なんとかその涙のケアを・・・と、思ってはいるのだけれども・・・

・・・なにっせ、自分のことがあまりに激変しているのでアタマの中がぐるぐるして、行動が伴わない。だって、今日から私は中洲の店は再建せないかんし、この目の前にいる男と結婚すると言うてしもうたし。

<夢チェック>
 しかし不思議と、なんとか切り盛りしていけるのだろうなぁ、という感覚は、あるのだ。けっこう具体的に。


【嫁の、クラブ再建案】

 毎晩夜中までちゃんとした格好してお店に出て、うーん、ちゃんとした格好といっても昨夜までの奥様のような妖麗な服は無いからまずは今持ってるアレとアレで何とかして、徐々に店内の雰囲気のほうを、私の好みの格好が馴染むような方向に変えていこう、とか。

 (リアルだなー。私の基本方針といってもよい。自分に寄せさせる(笑)。自分は寄らない。)

 朝早い授業の時には(現実の今の仕事もやってるらしい 笑)睡眠時間かなり少なくなるな、準備を早めにしとかんと、とか。(この、睡眠不足を覚悟して当然のものとして乗り越えるのも、リアル生活だ。)

 あのカラオケ好きのご高齢の方々が定期的に集まるような企画ものを入れたら、お客さんがそれなりに集まる日はつくれるな、とか。(ここは、まさかの私の企画の才能が開花したところ。現実世界では、人集め関連ノーアイディア。)

PABLO PAYRA STUDIOさんのお借りしてますよ。
ありがとうございます!)

 昨夜のパーティに集まっていた客の中には、現実のフラメンコのレッスンで私に嫉妬心を燃やして異様にこっちをマル無視ツンツンしとった人なんかも来ていて、アンタここの奥様になるのね的なことをワイワイ言うて帰ってったから、ああいう人たちが楽しんでこの場所で踊ったりする企画も立てるといいのだろうな、とか。

 ほんとに、まさかの、淡々と案を出し続ける感覚。わたくし、こう見えましても実は、博多商人の血筋なのです。とうとう血が湧いたか?

<博多商人チェック>
 うちのじぃちゃんは何かとアイディアを使って、商売してきたらしいんだな。この子は成績が良いからぜひ、と学校の先生が進学を進めていたのに、傾いていた自分の実家の料亭を立て直すしかなく、なんと戦前の博多でほか弁デリバリーを始めて、潤ったそうな。

 なかなか女将さんも食事を作る手間がかけられない商家が多かった博多で、料亭で抱えている職人さんの腕を活かしたご飯デリバリーのアイディアは、好評だったらしい。

 戦後も、それまで磨き粉といえば火山灰そのものだったのを、そこに石鹸混ぜたらもっと汚れ落ちは良くなるだろう、という発想で鹿児島から火山灰運んできて、土間というかたたきというか、その頃、旅館をやっていたうちの建物内の裏側の空間に大きな機械を置いて、大量の石鹸を混ぜ込んで、袋詰めして、丸善クレンザーという商品名で売って全国展開、けっこうな評判となってたらしいんだな。

 私たち孫数人はある時、ぽろっと出てきた昔の白黒写真に驚いたことがある。いかにもな旅館への慰安旅行、大座敷でのお膳を並べての記念写真は、総勢50人ぐらいか、もっといたかなぁ、お揃いの風呂上がりの浴衣で集まってみんなニッコリ。よく見たら、いやどう見ても、その中心どまん前に座っていたのは、ちょっと若いじいちゃんとばあちゃん夫婦ではないか!

 嘘やろー、なんだよ、この、今と違いすぎる盛況ぶりは! 知らんぞ、無いぞ、こんな現実!

 ・・・残念ながら、じいちゃんには「特許」の概念が無く、やがて同じようなクレンザーは、月のマークの会社の特許商品となったとさ。

 嫁の再建案は、リアル+αで笑える。我ながら、夢の中なのにそのアタマの中で考えていることが、あまりに現実の感覚そのまま。そしてやがて、商売なんてやったこともやろうとしたこともないのに、必死こいて考え始めるじいちゃん・善次郎の孫DNA。

 窮地に立たされると、何かとにかく考えつくものなのだろう。けれど、考えつくこと自体に喜びとかはないのかもしれん。ただノルアドレナリン出るのみなのかも。少なくとも今回の夢の中では、そうだった。楽しくはない。


【好いた惚れた感情ゼロで結婚するということ】

 そして何よりも、結婚すると言うてしまっとることが、この夢の中の根源的な重荷なのである。まだキャンセルできるよねとか相手に言ってみたが、あまりに愚直な相手はハハハとかわすばかり。

 こいつ若そうだから、朝になって明るくなって私の歳に気づいてやっぱ嫌だって破談にしてくれんかな、と思ったりもしている。

 でも別れる前提は無い夢の中の状況としてはとにかく、なんとかして、こいつとこれからコミュニケーションとっていくしかないから、その方法をだーっと考えているのだった。

 「あのさ毎朝毎晩、言うことなくてもメールとか何かで、とにかくなんか送り合うことにしようよ」と言ってみた。その愚直なアホは、「あ、じゃあ朝はSNSの何々を使って、夜は別のを使うといいの?」とか言い始めて、やっぱ実直すぎる愚直なアホ発想。既に会話はズレてってるなぁヤレヤレ、と脱力しつつ、私も話を進めていこうとする。

 それは離婚を決めてうつむいて泣いている奥様のすぐ横、ライブハウスの楽屋みたいな狭く暗い空間を占領している大きなテーブルについてボソボソと続けている会話なので、このやりとりは奥様や他の人々から見たら実に無神経な、他人の不幸も目に入らないぐらい有頂天な幸せの絶頂に見えるのかもしれなかった。

 ぜんっぜんそうじゃないんだよなー・・・・という感覚に、私は満ちていた。

むー・・・・楽屋の中の図。
狭くて暗い。


<ゼクシィチェック>
 昔のいわゆる縁談で嫁に行った人って、こういう感覚なのかもなぁ、と、ものっすごく実感した。という夢。だから、多かったはずだよきっと、こういう感覚は。

 結婚決まったからゼクシィとか? 新婚さんだからいらっしゃ〜いとか? あらまぁ今が一番いい時ね、シアワセ絶頂!みたいなのこそ昭和周辺の幻想だろうよ。

 それまでの結婚の多くの、あてがわれた環境で無条件に生きていくのに必死、という感覚を、私は今回の夢でチョーリアルに感じさせられた。

<夢判断>
 以前見た縁談ものは、死んだばあちゃんまで出てきて、ウンと言え、と迫られる圧力に負けてしまい、つい頷いてしまったばっかりに、もう結婚の当日になってしまうという切羽詰まった夢だった。気が進まんのにもう披露宴に招待客も集まりだして、自分もそろそろ着替えないといけない。

 実は寝ていながらトイレに行きたくて夢の中でなかなか用が足せないという、ありがちなパターン4「トイレもの」でもあったのだけれど、披露宴会場の建物の各階でトイレを探し出せないまま「こんな結婚するぐらいならあん時のオトコの方がマシやった!」などと後悔し、とうとう「またお前は親の顔に泥を塗る、とナジられてもいいから、やっぱりイヤですって言おう!」と決心して、親族控室のある4階までの階段を駆け上る、というところで目が覚めた。

 はぁ〜〜〜! よかったー! 結婚せんでいいーっっ!・・・とほっとしたあの朝の安堵感・・・あれが、私の現実の正直な感覚です。


【第二部:春色のベランダから地下へ】

 その続きの場面では色合いが一気に明るくなって、狭いのだけど春の黄色や若草の色合いで、軽やかだ。すごく居心地の良い石造りの建物のベランダに、テーブルと椅子でぎちぎちになって座って、女性の誰かとしゃべっている。

 中洲の女房バナシと場面が打って変わって、色合いが本当に明るく、ベランダで外の空気を吸えて開放的なのも印象的だ。

 「自分の父親の入院中に、寝たきりで腸が動きづらくなっていたからお腹をマッサージしてやったらすごく喜んだ、そこから広まって同室の他の方々にもお腹マッサージしてあげた」という話を、相手の女性が私にしていたのか、私がマタイトコにあたるおねえさん(ひとみちゃん。実在。)から聞いてその相手に話していたのか、わからんけどそのどっちか。

<夢チェック>
 わからんけど、10ヶ月ほど前に光になったうちの猫が、最後はウンチ出ず大変だったなぁと最近考えたりしてたから? かしらー?

 途中で狭いベランダの左側にもう一人座っていた老女がヨロヨロと階段を降りて行くのを手伝った。

 ベランダ床面の重い石の扉を私は会話を中断してヨイショッと引き上げて開けといてあげて、そこから続く幅の狭いほっこりした石段を、腰の悪い彼女は這うようにしてゆっくり降りて行ったけれど、彼女の服も、石段を囲む壁も、とても明るい春の色だった。

ぎっちぎちに狭いベランダなのに
地下に繋がる階段。 春いろ。


寝てる間、魂は体の外で伸びをしてるのだよ。夢シリーズでした。

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