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絵本プレゼンテーション!>>なんでもやってみタイは面白い!お母さんを元気にする「せとうちたいこさん デパートいきタイ」

せとうちたいこさん デパートいきタイ
初版発行 1995年11月27日
作    長野ヒデ子
発行所  株式会社 童心社

あらすじ

せとうちたいこさんは、なんでもやってみたい タイのお母さん。海の中のおうちに、デパートのチラシが入ってきたらしく?麦わら帽子と黒のハイヒールといういでたちでお出かけします。たいこさんの探検で、デパートのあちこちが楽しく紹介されていく絵本です。

子どもが面白がるところ① ユニークなキャラクター

魚なのに、人間のデパートで臆することなく売り場を見て回る、たいこさんの近所のおばちゃん的な親しみやすさと、アグレッシブさがとにかく面白いんです。化粧品売り場では、お化粧体験もしてもらったりして、みずみずしいお肌ですねなんて言われたり、下着売り場でブラジャーを試着しようとしたり、ヒラメの奥さんに宅配でおくりものしようとしたり、ついつい親子で笑ってしまいます。


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子どもが面白がるところ② 子どもが大好きな繰り返し

たいこさんは タイなので あちこちみながらやってみ「たい」見てみ「たい」のです。ページを捲るたびに、同じリズムで、たいこさんが活躍していきます。そして何度目かの繰り返しの途中には「ターイ ターイの たいこさん」と合いの手のようなフレーズが。子どもも一緒に真似します。

たいこさん ワクワク。
「こんな かさ さしてみたーい」
「こんな くつ はいてみたーい」
たのしくって ぐるぐる。
「エレベーター のりたーい」
いろんな うりばで びっくり。
「こんなの つけてみたーい」
いろんなところ トコトコ。
「あれも みたーい」
「これも みたーい」

子どもが面白がるところ③ ナンセンス

第一、魚のタイなのに、すたすた歩いてデパートを散策するところ。周りの人が、たいこさんを受け入れているところ。レストランでほかのお客さんと相席でお茶したりする場面もあります。ギフトコーナーで『ヒラメのおくさんに おくりものしたーい』とカウンターに座った時には、店員さんから冷静に『うみのなかは うけたまわっておりません』と言われていて、クスッと笑ってしまいます。

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子どもが面白がるところ④ ちょっとしたスリル&ハラハラ

デパートのレストランでデザートを頬張っていると、たいこさんはさくらんぼの種が喉に詰まってしまいます。苦しくなって、医務室に連れていかれる一連の場面が描かれて、お医者さんの姿が描かれたページでは、子どもはドキッとするようです。次のページでは、すぐに元気になったたいこさんが、またデパートを(デパ地下)トコトコ巡り始めるのでホッとした表情になります。

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子どもが面白がるところ⑤ まだ何かあるんだろうなと想像させるラスト

デパ地下の魚売り場の前まで来ると、魚屋さんから「いらっしゃい、おくさん おいしいよ!」と青魚を見せられた たいこさんは、悲鳴をあげて逃げるように海へ帰って行きます。海のおうちで旦那さんと4人の子どもとのいつもの暮らしが描かれているのですが、『それでも やっぱり たいこさん、また でかけたーい」と言って終わります。きっとまた何かやらかしそうだなとページをめくると、デパートの総合案内所では、魚屋のお兄さんがたいこさんが落としていった麦わら帽子と黒いハイヒールを届けています。レストランで相席になり、いつの間にか、たいこさんを追いかけて迷子になった男の子も一緒に。

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絵本は表紙から裏表紙までがひとつのストーリー

絵本を読んだら、必ず裏表紙まで見てくださいね。裏表紙に結末のその後があったり、物語の余韻があったり、表紙と裏表紙が繋がって一枚の絵になっていたりしますから。
裏表紙には、たいこさんのおうちのサンゴの枝に、黒いカバンだけがかかっています。お出かけ前は、そこに麦わら帽子と、黒いハイヒールもあったのに。たいこさんは忘れ物してしまって、どう思ったんだろう、おばさんらしく「しょうがない」で忘れてしまったのかな、旦那さんは呆れたのかななんて、色々な想像が膨らみます。

さいごに

せとうちたいこさんはシリーズのようで、富士山へ登ったり、遠足に行ったりしてるようです。わが家にあるのは「デパートいきタイ」だけですが、たいこさんの活躍を、見てみたいものです。長野さんの絵本は、私たちの周りにいそうな親しみやすいキャラクターに加え、日常の場所やものが細かく描かれていて楽しいです。他にも紹介したい絵本があります。二階の屋根裏から見つけ出したら、また、ご紹介します!


子育て中にお母さんたちの絵本の読み聞かせあい会から絵本にハマり、図書館や小中学校での読み聞かせボランティアをしてきた経験をもとに絵本の紹介をしています。絵本はコスパの良いおもちゃ!親子で活用しやすくなるお手伝いができればと思い、思いつくところから書いています。自分が持っている絵本を撮影して使っていますが、著作権の問題等ありましたら、お知らせください。

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亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。