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【映画感想】怪物②

なんとなくこの映画を一つにまとめるのが難しくて、二つ目を書いている。

映画を見終わったあとの電車でどうしてもいろんな人に見てほしい。できればTSUTAYAでDVDを借りるとか、netflixなどサブスクではなくて映画館で見てほしいと思った。すぐインスタのストーリーで感想を書こうと思ったが、言葉がまとまらなかった。
実際のストーリーで「言いたいこととか思ったことがあるけど言葉にできない。」って書いている。これが素直な私の感想だ。

一つ目の映画感想でも自分が加害者になり得ることに気付かされた、ということを書いた。

この映画の中で
「○○ができないとモテないよ」
「普通に結婚して子どもを産んで」
「男らしく」
「シングルマザーだから過保護なのかもね」

という言葉が使われていた。割とよく聞く話だと思う。しかも悪意とかなしに。なにも考えずに言っていたり、なんならアドバイスで言ったり。それが怖いところだ。

この言葉を受けた彼らの葛藤が身に染みて伝わった。

要するに誰かにとっては当たり前の価値観、人生観が
時にはふとしたときに誰かの心の奥底にへばりついて、
刃で心をズタズタにしてしまう
ことがあるということだ。


坂元裕二さんが“たった一人の孤独な人のために書きました。”と。

孤独を本当の意味でずっと楽しめる人っていないし、私は孤独を感じると生きるのが辛くなる。だから私たちは時に誰かと自分の気持ちを共有して分かってもらいたいし、何も言わずに側にいてほしいし、なんなら関係ない話をして笑い合いたいと思っているのだと思う。孤独で生きていけないからこそ、誰かとの関わりが必要だから。だけどだれかと関わると、相手を傷つけたり、相手から傷つけられることを避けられないのも事実だと思う。

私たちは自覚的に自分の言葉が行動がだれかを傷つけてしまうことがあるかもしれないってことを知りながら、それでもだれかに救われたり、だれかを救ったり、つながりを求め続けるし、繋がっていたいということを伝えたいのではないかと思った。

P.S.
言葉の危険性を知りながらもこうして私も文章を書いている。でも意識していることがある。それは自分の言葉に責任を持つこと。自分が書く言葉に関して、どんなに最善をつくしても、相手に誤解なく伝わる文章も、同じように感じる文章も書けない。それは言葉は相手の経験値や相手の心にあるフィルターによって変わるものだから。だから周りにどう思われたとしても自分が話すこと、書くことは責任を持ちたいと思っている。


この映画を見たあとに最近あるタレントさんが亡くなったことを思い出した。いろんな憶測や解説がyoutubeやニュース、あらゆる媒体を通じて私の視界に入ってきた。でももう本人がいない以上、本当のことって本当に分からない。今となっては誰かからの言葉がタレントさんが亡くなったことに起因しているかも分からない。簡単になにかカテゴライズしたり、決めつけたり、そういうことをしてこの件を消費したくないと思う。


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