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紅茶ジュレと白桃ローズのグラスケーキ


店内はほんのりと薄暗く
電球の柔らかい光が包み込む
壁向きのひとり席に案内された

1日10個限定の
季節のグラスケーキに間に合った

ふぅと深い椅子に腰かけて
電子本を読みはじめる

5頁も進まないうちに
甘い匂いに包まれた

一気に世界が変わる
紅茶ジュレと白桃ローズの
グラスケーキがやってきた

赤ちゃんの手のように
小さくて可愛らしいフォークが目に入る
ずっと眺めていたくなるフォルムだった

お皿は大きく左右が欠けている
欠けている部分は触れるととても滑らかで
そのアンバランスさが美しいと思った

トリップするにはもってこいの空間



器がまるいとは限らない
フォークが重いとは限らない
冷たいカフェラテも
透明のグラスでやってくるとは限らない


深く深く

心地良く

内側に潜る時間

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