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「推し活」に見るIPの持つ社会貢献パワー

「推しの子」、ご存知の通り大人気です。
私、日常においてはマンガ・アニメは疎く、話題になってから体験するタイプなので、こちらもYouTube「田原トシちゃんねる」の企画にてディレクター陣激推しを受けての体験。
めちゃ面白い!
コミックは売り切れと聞いたのでアニメから入り、今11話。
第2期制作も決定して楽しみです!
で、今回はこの「推し活」から思い立ったIPの力とライツビジネスの新たな視点について書いてみたいと思います。

「推し」の対象は自由なのだ

推し活―――
すごくざっくりその活動を定義すると、誰かを熱心に応援し、時にはその良さを周いに伝える活動、と言うのが良いでしょうか。
そして、推し活というとすぐ浮かぶ対象はやはりアイドルですが、先日の読売新聞の特集記事にもありましたが、その対象は別にアイドルに限ったことではないのです。
取材の中でも色々な推し活者に出会ったそうで、例えばある会社員の方は「パンダ推し」。
ブログも執筆し、毎日更新されているそうです。
その他にも「坂本龍馬推し」、「縄文文化推し」。
パンダはともかく、縄文文化を応援するとは?
こうなると前述した推し活の定義の範疇では測れないですね。
でも、「縄文文化推しなんです」と言われたら、「そうなんですね」とスッと感覚的にはそれも推し活だよね、と理解は出来る。
ホント、推し活の対象は自由なのです。

「推し仲間」=IPが生み出すコミュニケーション

推しの最も根底にあるのは、その対象に対する「好き」という気持ち。
それは、他人がどう思おうと関係なく「自分はこれが好きなのだ」という、ある意味「個」としての確固たるスタンスです。
これだけ読むと、何かとても「一人の世界」な印象を持つかもしれませんが、実態を見ると実は逆なのです。
この同じ対象を真摯に推している、という共通項がコミュニケーションにつながり、仲間を生み出しているのです。
記事に登場する人たちも口々に推し活を通じて友達が出来た、と仰っています。
自分が大好きな対象がいるということ。
それを応援することによる心の充足感は、推し活の大きな要素でありバリューではありますが、そういった対象と自分という「縦」のつながりだけではなく、同じ対象を推すという共通項が生み出す「横」のつながりも推し活の大きな魅力なのだと思います。
となると、「坂本龍馬推し」「縄文文化推し」も、なるほどなのです。

「コミュニケーション創出」という社会貢献的?ライツビジネス

ライツビジネスについて、以前「ライツを活用して自分がビジネスをするというスタンスではなく、そのライツ/IPにとってプラスとなるプロデュースをするというスタンスが大切」ということを書きましたが、ここにまたもう一つ、新たなライツビジネスのスタンスがハッキリと出てきました。
それは自分の為でもIPの為でもなく、「世の中の人/社会の為のライツ活用ビジネス」です。
そのキーワードが「コミュニケーション」「コミュニティ」
豊かな人生を送る上で不可欠なこのキーワードを生み出す仕組み。
従来のファンクラブのように、生まれたコミュニティを運用運営する為の仕組みではなく、生み出す仕組み。
この仕組みを生み出すことが、新たなライツビジネスのテーマの一つになるのではないかと思うのです。

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