「シン・仮面ライダー」に見る核心的ライツ運用
「シン・仮面ライダー」を観て来ました、初日に。
まだこれから観られる方も多いと思いますので、中身に関してのコメントは控えたいと思います。
一つだけ言うと、浜辺美波がとってもステキです。笑
こちらの「シン・」シリーズですが、ご存知の通り稀代のクリエイター・庵野秀明氏が手掛ける「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「シン・ウルトラマン」と続いてきた、日本エンターテイメントの宝とも言える作品のリブートシリーズ。
これ、究極的かつ理想的なライツ運用だな、と思います。
作品が“続く“ための仕組み作り
作品というものは、当たり前ですが「誰かに産み出された」ものです。
ウルトラマンは円谷英二さんですし、仮面ライダーは石ノ森章太郎さんが産み出した作品です。
しかし、「作者がいて作品が生み出される」という構造だけですと、作者が亡くなってしまったり、スランプに陥ってしまったり、作品自体に飽きてしまったりすると、そこで作品の誕生、作品の“種“が途絶えてしまいます。
それを防ぐための手段の一つとして、「プロダクション制作システム」というものがあります。
これは聞いた話ですが、赤塚不二夫さんはこのあたりのことが良くお分かりになっていて、ネタ会議・構成会議という形でチームで漫画を制作していたそうです。
上記の作品も「シン・」とは関係なく、それ以前にシリーズとして多くの作品が作られてきました。
近年のウルトラマンや仮面ライダーの作品やキャラクター設定の内容は、円谷英二さんや石ノ森章太郎さんがご存命の頃に考えていた、というものではないはずです。
作品自体がクリエイターを刺激する
プロダクション制作システム。
作品を産み出し続け、ビジネスを継続するために有用なシステムではありますが、そのシステムがあれば自然と新作が生まれるのか?というと、そうではありません。
どんな作品も最初は“ゼロイチ“の瞬間があります。
それは原作者自身だけではなく、例えば、直近のライダーシリーズ「仮面ライダーギーツ」において同様です。
以前何かの本で読んだのですが、この世で一番「種の保存能力」がある生物は「小麦」だそうです。
人は小麦を自分達が食べるためのものだと思っていますが、実は小麦は人間に「小麦は美味しいぞ」という意識を植え付けることにより、人間に種を蒔き育てる、という行為をやって貰っているというのです。
名作がシリーズとして続いていく―――
それが実現出来ている根源も同じなのではないかと思います。
小麦で言うところの「美味しい」が、ここでは「面白い」で。
作品が作品を産み出すというライツ運用
テレビや映画のシリーズ、「シン・」のようなリブート、そしてスターウォーズにおける膨大なスピンオフシリーズ―――
作品が作品を産み出すことは、ある意味核心的かつ根源的なライツ運用なのではないでしょうか。
そう考えると、ライツ運用ってとってもクリエイティブでわくわくしますね!