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デラウェアは好きですか?

ブドウが美味しい季節です。近くの直売所にはかなりの種類のブドウが並び、ついつい目移りしてしまいます。

子供の頃、家で食べるブドウといえば「デラウェア」でした。たまにお客様からマスカットをいただいた日にはもう祭です。巨峰なんて高級品でした。小さい頃に家族でブドウ狩りに行った時に粒の大きなブドウを食べた気もするのですが、やっぱり子供にとっては「デラウェア」が一番だったのです。

理由は簡単、種がないから。子供にとってブドウの種をいちいち出すことは面倒ですし、親からしたら種を食べてしまったら大変!だったのでしょう。ブドウの種を食べると盲腸になる、といった昭和の都市伝説もありましたが昭和生まれの方はご存知でしょうか、それともウチの地方だけでしょうか。

最近ではブドウといえば「大粒で甘くてジューシー、種なし、皮ごと食べられる」ものが主流になっています。シャインマスカットやナガノパープル、コストコでたっぷりサイズで売っているアメリカングレープなど大粒で種がほぼ無く、皮ごと食べられるブドウを私も選んでしまいます。大人だって種を出すのは面倒です。むしろ皮を出すのさえ面倒になってしまっていました。もちろん例外もあります。先日直売所で買った「藤稔(ふじみのり)」は皮は食べられない品種でしたが、皮離れが良くてとても甘くてジューシー。見つけたらまた買います。

今ではデラウェアといえば子供の頃の味覚だったり、祖父の仏壇に桃と一緒に供えられていた記憶ばかりが残っていて、買い物リストから追いやられて久しく、これではあまりにデラさんが不憫ではなかろうかと些か心も痛みます。

しかしながら、別の形でデラウェアと親しくなっています。

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ボトルの状態で撮り忘れたので、ラベルコレクターの状態になりますが、こちらは熊本の菊鹿ワイナリーさんの辛口デラウェア。以前、知人からこのワイナリーの「樽熟成シャルドネ」をいただいて非常に美味しかったので、何種類かお取り寄せしてみました。以前にもデラウェアのワインは口にしたことはありますが、中口~ほんのり甘口のものが多かったので、辛口というのが新鮮でした。みずみずしい果実香が広がるのにほんのりドライ。和食にも合わせやすくお値段もお手頃。ラベルもスタイリッシュです。

そして密かなお気に入りの1本がこちら。

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数年前、勝沼のワイナリー巡りにて出会った1本。菱山中央醸造さんの「勝沼ヴァンムスー」。炭酸が苦手でスパークリングを好んで飲まない私ですが、現地で試飲して即買いしました。青デラウェアというデラウェアの熟し切る前の果実を使っているそうです。酸がゆたかで青々しく、それでもほんのり甘みがあります。まさにブドウの若い実をまるかじりしているみたい。こちらのワイナリーさんについては個人的に思い入れが強いので、そのうち勝沼めぐりとして記事にまとめたいと思います。

いつの間にか食卓から遠ざかっていたデラウェア。近年では栽培量もかなり減ってしまっているとか。それでもワイン原料としてポテンシャルがある品種です。ワインにするならジベレリン(種なし化)処理も要りませんし、これからもっと広まっていけばいいな、と思っています。

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