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「楠本浦」をゆく。

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佐伯市蒲江の海は、美しい。

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穏やかな海に、

養殖の筏(いかだ)が今日も浮かぶ。

ここは入津湾に位置する「楠本浦」。

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町並みは「海沿い」に、

そして海をさかのぼり「楠本川に沿って」も広がる。

きらきらした癒しの風景。

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およそその中心には、「王子神社」がある。

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この神社の創立は1403年。

当時はここにわずか6軒しかなかったとのこと。

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なんと今の和歌山県東牟婁郡、

熊野本宮大社」からの御分霊を祀っている。

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じつに、600年前のこと。

ゼロからの町づくりに意気込みを感じる。

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ちなみに、古く縄文時代にもここには人の営みはあった。

楠本浦の扇山3合目、「石斧」が発見されている。

(なお、住居を思わせる遺跡は見つかっていない。)

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海岸線は埋め立てられ、

道路沿いには住宅が立ち並ぶ。

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数十年前は、きっとにぎやかな通りであった。

それが見て取れる。

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海とともに夜が明けて、

海とともに一日が終わる。

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そんな暮らしの中で、

1月、6月、9月、11月には

祭りも行われてきたという。

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6月には、ここ天満社で「蛭子祭り」。

ちなみに、天満社の創祀は不明。

(鳥居は1724年に建立とのこと。)

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海に生き、神社に集っては親睦を深める。

祭りでは自然に感謝しながら。

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そんなあたたかな暮らしを

ここに感じた。

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