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彼とくらげ


虚しい日々だ。何をもって生きていると言えるのか。
幸せとは何か
自由とは何か
答えを探していた
 
水族館に行った。もっと生きていたいと言えるように。
生きがいとは何か。
生きる意味は何か。
答えを探しにいく
 
水族館は居心地がよかった
色とりどりの魚
美しい世界観
特に水槽の中を泳ぐくらげに惹かれた
 
くらげの水中を漂う姿は
心の平穏や安らぎを象徴しているように映った
くらげの無欲と無頓着な姿は
自分の存在に満足しているように映った
 
思わずくらげに話しかける
「君はどうして幸せそうなの?どうして自由なの?どうして美しいの?」
 
するとくらげが答えた
「私は幸せではないし、自由でもないし、美しくない。

 
ただ生きているだけ。
存在の意味を求めない。存在していることが意味だと思う。
自分の存在を楽しむ。自分の存在が冒険だと思う。」
 
彼はくらげの言葉に驚いた
「君は存在に意味を求めないの?存在が意味だというの?
存在を楽しむの?存在が冒険だというの?」
 
くらげは彼に言った
「私はそう思う。私はそう感じる。私はそう生きる。」
 
彼は少し考えた。でも、青白い顔をクシャっとさせていった
「ありがとう。君は教えてくれた。気づかせてくれた。生きる意味を見せてくれた」
 
彼はくらげに告げた
「君は友だ。君は光だ。君は生きる意味だ。」
 

 
彼はくらげを見つめた
無欲で無頓着だった彼は
自分の存在に意味を見出そうとしている
 

彼はくらげのように
意味を求めず、存在を楽しみ、冒険をする
くらげのように
 

こうでないといけないなんて事は一つもない
彼はくらげを見つめた
くらげの光が彼の心に残った

https://www.creema.jp/item/16906946/detail

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存在の意味をテーマにした物語です
自分の存在に意味を見出せない彼が
水族館でくらげと出会い
自分の生き方を変えていく物語。
人間とくらげとの不思議な出会いを通して、存在の意味や生き方について考える物語です

彼は幸せや自由を求めていましたが
それらを得る方法や目的を見つけることができません
彼は答えをずっと探していました
そんな中水族館で出会ったくらげと会話をすることで、彼と対照的なくらげに魅力を感じました
くらげのように、意味を求めず存在を楽しみ冒険する生き方に彼は心惹かれます
存在することが意味だということを知った彼の物語です

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もちろん、くらげとは会話をしていません
くらげは彼を投影したものです

こうでなくてはいけない。そう生きてきたからこそぶち当たる葛藤につらさを感じていました
誰もが一度は思う”くらげになりたい””ねこになりたい”
なんて自由で羨ましいのだという願望。

だけど現実はそんなことはできなくて、時間に追われる毎日。
そんな時こそ、自分と向き合う時間が必要な時もあるのかもしれない

そんな思いでつくりました。
「くらげと彼」
タイトルが気に入っています^^



儚く/美しく/繊細で/生きる/葛藤/幻想的で/勇敢な 詩や物語を作る糧となります