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東京での初恋の相手は、モテるモンスター(そのレベル99)

本音を言わない関係は  "ある意味ラク" だけれど、日を増すごとに辛くなり、何もない事実に気づく。
19歳〜22歳の時に『モンスター級にモテる男』に惚れてしまい、ズタズタになった想いを振り返って、反省文としてまとめます。

当時ウブな私は行動ができず、ただ思い悩んで苦しいだけで、自らの傷を深くしていきました。細かく書くと、結構エグい話なので、あっさり塩味でお届けします。
すずの失敗エピソード、誰かが同じことをしないように、気づきがありますように。


■ 恋愛レベルの低いピュアガール

19歳の私はピュアで、デートと言えば放課後手を繋いで一緒に帰るレベルで止まっていました。いわゆる青春!というような経験しかしたことがなかったのです。(ありがたい経験ですけども)

東京に出てきたものの、渋谷の電力館近くに来て!と言われても「電力館ってなに?」ですし(今はもう電力館はないです)
じゃあ東急ハンズの近く!と言われても「東急ハンズの場所がわからない」という始末のザ田舎者。

東京にキラキラとした憧れを持っていたピュアな女が、仕事で売れていないモンスター級にモテるクリエイターに惚れていきます。


■ きっかけ


高校生のころから服が好きだった私は、ずっと雑誌で見てきた原宿に魅了されます。
過保護で過干渉な母から離れ、一人暮らしという自由を手に入れた私は、大学帰り週3で原宿にいました。

とあるブランドの白いドアを開けたことが、ジェットコースターのような気持ちを味わう、ことの始まりです。原宿に行くたびに遊びに行っていた、お気に入りのブランドでした。

店員さんと話していると、いかにも東京っぽい...という見た目の男性客も店員さんと話しており、流れで3人で話すようになりました。
男性客が試着しているときに「よくいらっしゃる方なんですか?」と小声で店員さんに聞くと

「え?笑。すずちゃんが大好きな作品作ってる人だよ?顔知らなかったの?」と笑われました。
作っているものに興味があったものの、本人の顔なんぞ知りません。


ひょんなことから顔を知り、なんでもない世間話しかしていなかったので、とりあえず作品が好きなことは伝えておこうと思い、顔を知らなかったことを謝罪したあと。

「作品がかっこよすぎて昔から手に取ってます!超売れそうなのに、なんで売れてないんだろう?ってずっと不思議です!」という、超失礼なことを伝えました。

男性客は笑いながら、ありがとうと言って
店員さんに聞こえないくらいの声で、私の耳元で囁きます。

「この後どこかいくの?良かったら、ご飯でも行かない?」

「いや、知らない方とご飯は行かないです」


と、すかさず真顔で答える私の顔を見て
男性客は、さらに笑いました。


「じゃあこれ、よかったら連絡してね。作品の感想も聞きたいから」
と、おしゃれな名刺を渡されます。


彼がお店を出てすぐに、うわっ売れてないとか超失礼なこと言ったわ!と猛省した私は、すぐに謝罪メールを送ると...

「まだ近くにいるんだけど、渋谷の電力館のほう来れる?」

「電力館ってなんですか?」

「ははは。電話して」と言われたため、名刺の番号に素直にかけると、言葉の地図で案内してくれました。

「お店で顔なじみだし、店員さんの前じゃ言えなかったからさ。今度、作品のイベントがあるから招待するよ」と、後日イベントに行く約束をしました。

もちろんご飯には行かず、即帰りました。
あくまで作品のファンなだけだったからです。
真面目か。



■ 困惑

東京での作品のイベントって、何!オシャレすぎて怖!とビビリまくった私は、おしゃれな人たちばかりの空間に、どうしていいか分かりませんでした。
知らない男の人にナンパされ、困っていると...

突然腰に手を回され、抱き寄せられました。

「この子はダメ♪」と彼が言い放つと、ナンパ男は即退散。
突然目の前に現れる、どこまでも私にとってモンスターです。

不意すぎてドキッとした私は、守ってもらったという感情に困惑しました。
モテる男特有の特別扱いに、まんまとドキッとしたのです。

ただし、イベント中たくさんの女の子に言い寄られている姿を目にしたため、ただの作品のファンである私は彼を遠ざけました。

男として見てないし、女の子の敵を作りたくないし、東京の男女の距離感近すぎる!大人って怖い!と思ったのです。
しかし、距離を取れば取るほど「俺の周りでは出会わない真面目な子」と言われ、しょっちゅう連絡がくるようになったのです。



■ それから

お出かけやご飯などデートを重ね、空想的な考え方が近かったせいか惹かれ合います。

臆病で本音を隠し合う2人は、発散する場所が作品でした。
彼は私のことを作品に取り入れるようになり、たまたま大ヒットしだします。

しかし付き合っているわけではありません。
後に共通の友達から「あの人彼女いたはずなんだけど...」というプライベート文春砲をくらう私。

本人に尋ねると、別れそうなんだよね!という、ありがちなイイワケをされ、めんどくさいから離れておこうと、再び距離を取りました。

ある日
男友達と渋谷の道玄坂を歩いていた時に、バッタリ彼に出くわしたことがあります。

「ちょっと、おいで」と言われ、何かを手渡され素直に受け取ります。

「まだサンプルなんだけど、あげる。...今歩いてる人と、付き合ってないよね?」と、未発表の作品を渡し逃げし、タクシーへ消えて行きました。

それは私をイメージした作品でした。
本音を直接言葉にしないくせにずるい!と思いながら、自分も本音を言えていないから仕方ないかと何も言えず。

結局、彼とは付き合ってもいないのに、離れることになります。
本音で話し合っていないし、なにも分かり合えていないことをお互い察していたのです。分かっていたのは、お互い夢があることだけ。

彼は、これ以上傷つけたくないし俺からはもう連絡しないようにする...と、困った顔で話し
私からは、もう連絡しない。仕事頑張ってね。ずっと作品のファンではいるから応援してる。と連絡先を消しました。

終わりだけちゃんと話し合えて、後悔もなく、めちゃくちゃスッキリしました。話し合うことの大事さを痛感。


■ さいごに

本音を話し合えない関係は、ある意味楽だけれど、どんなに一緒にいても遠く、どこか寂しく満たされません。時には、分かり合えなくてイライラさえします。
付き合っていても、結婚しても、話し合える関係でないと本物にはなれないんだな!と分かった学びです。(この経験は付き合ってないけどね)

大事にしたいと思える人が見つかったとき、本当の気持ちを伝えないと、報われないし満たされないし、あのとき伝えていたら...という後悔が出てきます。

後悔は知らぬ間に膨れていき、いつか弾けて壊れてしまうのです。結果、自ら離れることを選択することになる。話し合うことを、ずっと逃げて来た結果に過ぎません。


結婚して、愚痴ばかり友人に話している夫婦は、話し合いができていないことが多いです。
どちらかが我慢すればいい、話しても無駄だし揉めるのが面倒だ...と思い込んでいると、いつの間にか仮面夫婦になってしまうかもしれません。


本物のパートナー、本物の夫婦になるには、話し合うことから逃げてはいけない。話合わなかったら、自ら終わりを選んで進んでいるだけ。

このときの学びから、好きな人にはきちんと気持ちや、自分の考えを伝えようと気づきました。
それが万が一、報われなくても。


言わなかった後悔で苦しむより、現状をどうやって変えようかと苦しんだ方が、自分の人生において健全です。考えて行動すれば実際に変えられるし、先にも進めます。
自分の人生、他人に期待しすぎず、自分の気持ちを大事にしてあげたいものです。

本音を言い合える関係こそ、本物のパートナー。
どんなに感覚的に分かり合える相手でも、言葉にしないと伝わらないものです。
家族間でもケンカするのだから、どんなに仲良くとも他人には言葉をぶつけないと分かり合えません。

感謝も不満も溜めずに、日々きちんと伝え合える人と一緒に生きていくのが心地よい。

読んでくれた方が、お互い自分の気持ちを伝え合える人を見つけて、ずっと一緒にいられますように。


最後の婚活のはじめかた すず*

「だれかに役立ちますように」と時間をかけて書いています。 あなたのサポートは、めぐりめぐって誰かのために...♪ ぐるぐる、まわる。