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「紙」マルチによるニンジン栽培のテスト。地代は原価+手間賃で決まる価格とは別の原理で成り立っている件など

アダム・スミスは国富論の中で、賃銀と利潤は価格の原因だが地代は結果だとしています。

「地代」について、制度や政策と言うことを離れて考えてみると、確かに「労働」によって実現される価値とは違う性格を持っていることは確かです。

価格や価値と「労働」の関係ですが、アダム・スミスは「労働価値説」、つまり、労働があらゆる価値の源泉だとしています。

たとえば、僕が大根を育てて、1本100円である飲食店に卸したとします。飲食店の方では、その大根で大根オロシを作り、1000円の焼き魚定食に添えて出しているとします。

この100円とか1000円とかと言う価格なり価値なりがどこから出てくるのか、アダム・スミスはそれは労働が源泉だと言うわけです。

まず、大根は土を耕す、畝を作る、種をまく、間引きをする、収穫すると言った「労働」によって作られます。飲食店に届くには「配達」と言う「労働」も必要です。

肥料のような原材料費が20円かかる、後、クワみたいな農機具も使っているうちには消耗すると考えて、その消耗代が1円分あるとすると、「生産コスト」は21円だと言うことになります。

「配達」のガソリン代が5円、車も長い間には消耗するからその消耗代が4円だとすると、それも含めて合計30円がかかっている、

その30円を大根代の100円から引いた70円が「手間賃」、つまり、「労働」によって生まれた価値だとするわけです。

さて、肥料代ですが、例えば、鶏ふんを与えたとして、鶏のふんを養鶏場から引き取ってくる「労働」、ふんを工場で堆肥に変えるための「労働」、出来た堆肥を袋詰したり、販売店に運ぶ「労働」、販売店で働いている人の「労働」があるわけです。

堆肥生産は機械化されているとしたら、その機械の動力エネルギーのコスト、機械自体が長期的に消耗するとして、そのコスト、機械のコストは、今度は機械を作る「労働」と機械の原料のコスト、原料の金属が鉄ならば、その鉄について、鉄鉱石を掘り出し、精錬する労働がある・・・

一方、大根を受け取った飲食店側もそれを大根オロシにする「労働」、魚を仕入れて焼き魚にする「労働」、それを盛り付ける「労働」、お客さんが座る席に運ぶ「労働」、食べ終わったお皿を片付けて洗う「労働」をしています。

いや、席に運ぶのは配膳ロボットがやっていると言っても、そのロボットを作る「労働」、ロボットも機械で作られていると言っても、その機械を作る「労働」・・・

と言うように限りなく「労働」に分解されていく、そして、その「労働」が原材料に付加されたものが「価格」、「価値」になっていく・・・

「労働価値説」と言うのは、結局、そうやって考えていくと、何らかの原材料に無数の段階の「労働」が付け加わって、「商品」となっていく、その商品の価値は、「労働」によって生じていると言う考えなわけです。

さて、ここで「地代」と言うものを考えてみると、「土地」と言うのは、ただそこにあるわけです。

もちろん、その土地を例えば「整地」したとか「土壌改良」したとかとなると、そこには「労働」があると言えますが、土地そのものは、ただそこにあるわけで、「労働」の結果ではないわけです。

スミスが言う「地代」は価格の結果だと言うのは、つまり、ここで飲食店をやれば1日100人の人が1000円の定食を食べるだろう、そうすると、売上が10万円になる、その粗利が7万あるとすれば、週一で定休日を設けても月に150万ぐらいは残る、そこから家賃10万ぐらいは払えるだろう・・・

と言うように「みんな」が考えると、地代10万と言う事が決まってくる、

いや、ここじゃそんなに稼げない、せいぜい月70万ぐらいの粗利にしかならないと「みんな」が思うような場所では、地代は10万取れない、5万ぐらいの相場になっていくだろう・・・

と言うような形で「地代」は決まっていくもので、「労働」によって実現される価値(原価に手間賃を載せて価格が決まる)と言うのとは別な原理によっている、

だから、賃銀と利潤は価格の原因だが、地代は価格の結果だと言う理屈になると言うことなんじゃないかと思います。

さて、まず、原理的に考えて、この理屈が正しいのかと言うことと、正しいとして、現在の土地政策や農地政策をどう評価すべきかと言うこと、この二つの問いが残ります。

このへんについては、また勉強しながら考えていきたいと思います。

ニンジンについていろいろ考えたのですが、やはり、特に生育初期の除草の手間を考えると「マルチ」を使った方が楽なような気がします。

ただ、資材代も値上がりしていますし、ポリシートのマルチを剥がす手間もけっこうかかります。長期的に「脱石油」化した農業と言うことを考えていくと言ったこともあって、ヌカ袋とかダンボールなんかを廃物利用してみる事を試してみました。

実際にやってみて、種をまく場所に「穴」をあけるのが、ダンボールだと割りと楽に開けられますが、ヌカ袋だとけっこうな手間になる、と言うことが分かりました。

多品種少量生産でニンジンについては、10メートルの畝をせいぜい月2本ぐらい作るので良いとなると、「スーパーなどで買い物した際に、レジ袋を受け取らず、買った品物をタダでもらえるダンボール(もともと、その店にティッシュとかドリンクなんかを詰めて配達するのに使っていたもの)に入れて、自転車の荷台にくくりつけて家に帰る」と言うことでかなり賄えそうです。

紙を「買う」としたら、変な言い方ですが、資材代が高騰しているので、梱包材などに使われているロールペーパーが相対的に安くなっていて、割りと「引き合う」可能性がありそうです。

今(3月)のような時季でなく、夏場、炎天下で種まきする場合にも、「ダンボール。ロールペーパーマルチ」でいいかと言うと、また別な問題がありそうですが、そのへんはまた別途考えることにしたいと思います。

2週間予報をみると、一時期は、最高気温が平年値より10℃も高いなんてこともあり、ほぼ連日4-6℃ぐらい高い状態が続いていました。

4/6には2℃高い状態になり、割りと「平年値」に近づくようです。

(11-1月について、2020年代は1980年代に比べ1℃、2月は3℃高いレベルだったので、4月について、2℃程度高い状態で推移するなら、かなり平年に近いと言えなくないのかもしれません。)

晴れて気温があがると、また平年よりかなり高い状態になるかもしれませんが、それでも、4月中旬には「平年値プラスアルファ」程度にレベルになるだろうと思われます。

ミニハウス内に1月まきした大根はびっくりするほど葉が茂っていました。「うろ抜き」を4月上旬に出せる可能性が出てきています。

溝底内で育苗しているセロリ、ピーマン、トマト、ナスは順調に育っているようです。

キャベツ、ブロッコリーの種まきもしました。

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