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かつての「植民地」が新興国となり、かつての「宗主国」と立場が逆転する時代の農業政策はどうすればいいのか

「新植民地と言うものは、たいていしばらくのあいだは、他の大部分の国に比べて、その領土の割に資本が不足し、その資本の割に人口が不足しっているに違いない。

そこでは耕作するための土地が、耕作するための資本より多い。

したがって人々が持っている資本は、最も肥沃で最も有利な一にある土地、すなわち海岸に近い土地や航行可能な河川の岸に沿った土地の耕作にもっぱら用いられる。

そのような土地の購買と改良に用いられる資本は極めて大きな利潤をもたらすにちがいない。したがって、極めて大きな利子を支払うことができるに違いない。

こんなにも有利な事業で資本が急激に蓄積されると、プランテーションの経営者は多数の働き手を必要とするようになるが、新植民地ではそれに応じる働き手が見つからない。それゆえ、彼が見つけた働き手には大変豊かな報酬が与えられる。

植民地が増えるに従って、資本の利潤は次第に減少する。最も肥沃で最もすぐれた位置にある土地がすべて所有されてしまうと、地味と位置の両方の点で劣った土地の耕作からは前よりも少ない利潤しか得られないことになり、また、このような劣った土地に用いられた資本に対しては、前より少ない利子しか支払われない。

そういうわけで我が植民地の大部分では、法定利子率も市場利子率もともに、今世紀を通じてかなり引き下げられてきた。・・・(中略)・・・労働の賃銀は資本の利潤とともに低下するのではない。労働に対する需要は資本の利潤がどれほどであろうと、資本の蓄積とともに増加する。

利潤が減少した後も資本は引き続き増加しうるばかりでなく、前よりずっと急速に増加しうる。・・・

大きい資本はたとえ小さい利潤しかあげていなくとも、一般に大きい利潤をあげている小さい資本より急速に増加する。金が金を生むと言う諺がある(アダム・スミス「 国富論」)」

プランテーションと言うのは、ゴムとか綿のような商品作物を生産するために作られた場所の事です。

欧米諸国がアジアに植民地を作り、商品作物を作るプランテーションを作ったわけです。

新植民地の新しいプランテーションに活発に投資がなされる、当初は「有利な土地」、そこが開発され尽くされると「劣った土地」が開発されていく、そして、資本が蓄積され、「金が金を生む」状態になっていく・・・。

欧米の「資本主義」と言うものが、アジアやアフリカ、アメリカ大陸を「植民地」にすることによって生まれていった事情が行間に読み取れます。

かつての「植民地」が新興国となり、かつての「宗主国=(先進国)」を追い抜いていく時代、世界経済はどうなっていくでしょうか?

日本も第二次大戦後、「植民地」をなくしたものの「先進国」の側にいたわけです。そして、石油は中東の途上国から買っていた事が多いと思いますが、農業産品、小麦とかバターとか家畜の餌とかは、アメリカやヨーロッパからかなり輸入してきたと思います。

このへんの構造が大きく転換していく時代に、農業政策の枠組みをどう考えればよいのでしょうか?

ところで、新しく買った備中鍬の「硬盤破砕力」はものすごいです。

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