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テキーラ・カスカウィン、日本人で初めてのテキレロ(テキーラ職人)となった景田哲夫氏。

#先日の余談

セミナーの備忘録としてまとめてみたものの、、、一応メモは取っていたんだけれど、テキーラが美味いこともあって、酔いが進んでいる。メモを見返してもよく分からない♪ またいつの日にか、こんなおぼろげな情報を確認したいわ!


日本人で初めてのテキレロ(テキーラ職人)となった景田哲夫さんが、テキーラセミナーとして日本各地を回った後、京都十条にある「Kyoto FOOD HUB & LABO」にて開催された。

テキーラ「カスカウィン(NOM 1123)」の蒸溜所があるのは、メキシコ中部グアダラハラ市から40kmほど北西に行った「エル・アレナル自治区」、さらに進むとテキーラ自治区などのテキーラ蒸溜所が多い地域だ。

景田さんは、数年前にはグアダラハラで暮らしていたようで、通勤の距離と時間を考慮して今はエル・アレナルに引っ越されたと聞く。

今回は、カスカウィンの国内インポーターが主催するプロモーションとしてのセミナーであったが、現役でテキーラ造りに関わる日本人である「声」は生産者としての視座が含まれており、とても貴重な機会であった。


実は、景田さんとは久しぶりの再会でもあった。僕の友人が六本木でテキーラバーを経営していて、当時そのお店で勤務されていた。僕が仕事の前乗りとして東京を訪れた夜、その仕事先も青山であったこともあって、一人でそのお店を伺ったのが最初の出会いだったようだ。

...この機会まで全く覚えていなかたったんだけど。さらにその後、そのお店のホームページを受注しており、僕が連絡する担当者が景田さんであったことも思い出す...♪


カスカウィンのテキーラセミナー

セミナー冒頭に、テキーラにまつわるミニテストがあった。僕は日常的にはテキーラと関わる時間が少ないこともあって、なんとか7割ぐらいの出来であった。(言い訳です!事前に知っていれば予習してきたかったよ♪)

セミナーの内容は働いている蒸溜所が家族経営の規模であることから、テキレロ(テキーラ職人)として、原材料であるアガベ(竜舌蘭)の栽培から収穫、搾汁、発酵、蒸留、熟成、ボトリングまで全ての工程を携わっているという。偶然(御縁)、働くことになった蒸溜所だったようだけど、大きなメーカーや蒸溜所ではやりたくてもできない経験であったかも知れない。

アガベの収穫は乾季に行うことが多いが、後述する「PLATA」という銘柄は雨季に収穫すると聞く。また、工程の効率化だったか、搾汁で水蒸気を加える際に「ディフューザー」を使っているメーカーもあるらしい。メリットはスピードだと思うが、デメリットには何があるのか聞くの忘れた♪

近年、アガベの生産数が減っているんだけれど、その理由は大手メーカーが栽培の数量を減らしたという情報から他のメーカーも追随しただけだという。なんとものんびりしたメキシコらしいほのぼの感である。

蒸留工程では銅製のポットスチル(蒸留釜)が使われる。これはウイスキーなど世界の多くのスピリッツで用いられる道具である。蒸留工程の中で、アガベの油分に加え、銅イオンによる青色が発生することがあるが、ちゃんとフィルターで除去されている。(緑青は毒ではない

熟成工程で用いる樽はアメリカンオークを使ったジャックダニエルやバカルディの中古樽だという。僅かであるがカラメル色素で色付けを行う蒸溜所もあるようだが、カスカウィンではその工程は行わず、純粋にアガベ100%テキーラを造っている。(頑固な職人気質なのだろう!)

テキーラの製造工程には「ロット」という概念があって、同じ年の同じクラスであっても、同じ味ではないという。そもそも色味すら違うこともあるようで、テキーラのロットはワインでいうところのヴィンテージの価値観にも通じるのではないかと思う。テイスティングでいただいたカスカウィンの全クラス(ブランコ、レポサド、アニェホ、エクストラ・アニェホ)の度数は38°で、ちょうど良い塩梅であった。

小規模生産のメリットだろうか、メインのテキーラとは別にスペシャリティとも呼ぶべき、製造工程にこだわったテキーラ「PLATA」も作られている。度数が48°ということもあってか、キリッと強めのブランコとして楽しめた。

更に、これも「PLATA」だったか(記憶がすでに曖昧)、、、樽の中にバガスと呼ばれるアガベの繊維質を浮かべて発酵を調整することがあるらしいが、シェリー酒の製造工程にあるフロールと呼ばれる酵母の膜と似た効果があるんじゃないかと思った。シェリーと同じくテキーラもスペイン人が深く影響している。技術的には関連があったとしても納得できる。(妄想です!)

もっとも印象に残っているのが、景田さんがカスカウィンのオーナーから、テキーラのテイストについて質問を受けた際、「苦味」という味覚を伝えたところ、メキシコでのテキーラの旨さはアガべの「甘味」と「うま味」が大事であって、苦味はネガティブな評価に繋がることが多いらしい。

しかし、景田さんの言う苦味は飲み終えた際の「キレ」にも繋がるポジティブな評価であると伝えたところ、オーナーにとって新しい発見であったようだった。


ペアリングディナー

セミナー後のペアリングディナーは、会場であるレストラン「Kyoto FOOD HUB & LABO」がイタリアンをベースにした薪焼き料理ということで、テキーラカクテルと次の料理を堪能した。

海老のセビーチェ

サワラの薪焼きを乗せたオイルパスタ

カルニタス(トルティージャで巻いてタコス風に♪)

今回のセミナーでカクテルを作られたフェリーさんのマルガリータ

他にも料理に合わせて、カクテルがあった。酔いも進んできたこともあって、写真が残っていない!パスタに合わせたのは、おそらく二種類のテキーラを加えたスッキリしたカクテルがあった。ドライライムが飾りで付いていたかな。タコスに合わせたのは、テキーラのハイボールか、コカコーラも少し加えているらしく、メキシコでもっともポピュラーなテキーラの飲み方だと聞いた。

カクテルを提供されたフェリー・ガデム氏:
長年、六本木のテキーラバー「AGAVE」でバーテンダーとして活躍した後、独立。2016年10月に開業した西麻布「Ferri's」のオーナーである。テキーラ・パトロンのアンバサダー。今回の会場である「Kyoto FOOD HUB & LABO」でもメスカルやテキーラのセミナーを定期開催されている。


心地よい酔いに任せて

数年前にテキーラのイベント会場で出会ったバーテンダーさんもセミナーに参加されており、酔った乗りでお店「酒肆 鬚髭」に同伴したところ、何の情報も伝えていないのに、すでに勤務されていたバーテンダーさんからカスカウィンの「PLATA」をいただいた。うまいことできてるわー♪



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僕のnoteは自分自身の備忘録としての側面が強いですが、もしも誰かの役にたって、そのアクションの一つとしてサポートがあるなら、ただただ感謝です。