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こんにちは。maruねえです。

オリンピックも始まりましたね。小さいころからひとつの目標を目指してひたすら取り組む姿はすごいことですし、それで勇気づけをもらう人もたくさんいることと思います。しかし、同時に夢が特にあるわけでなく、「将来こんな仕事に就きたい」などと思い描くことが、いまひとつしっくりこない人も多いのではないでしょうか。卒業を控え、“就職しなくてはいけない”から色々な企業に応募してみるが、あまりしっくりこないまま決まったところへ入社し「どうも思っていたものと違う」と悩んだりする人も決して少なくないのではないかなと思います。

キャリアを考えるとき「ドリフトする」という考え方があります。ドリフトとは「流される、漂流する」という意味で、キャリア理論でも使われる考え方です。色々な役職の方にお話をお聴きすると、必ずしもみなさんそのポジションに就かれたことが希望とは違う、自分のやりたかったことであるわけではない、と答える方は多いです。まったく専門分野ではないところに配属になって、ひたすら製造加工の工程での効率化を考えて働いていたら、そこから様々な機会を与えられて、いつのまにか超ニッチな技術の専門家になっていた、とか、すごく人見知りなのに、パートで売り場の担当をまかされて、どうやったら売れるかを懸命に考えているうちにいつの間にか売上一位になり社員、そして管理職になった、といった話は内容は違えど似たようなことを時折耳にします。そこでみなさん共通しておっしゃるのが「特にやりたい仕事というわけではなかったけれど、言われたことを一生懸命にやっているうちに、気が付いたらそうなっていた」ということ。

これといった目標がない、でもだからといって次の仕事についても明確な答えが出ない。という時、「目の前のことをひたすらやってみる」というのもひとつの方法だと思います。そしてやってみるとき、その取り組んでいる業務が、「どうやったらより良くなるかな」という視点を持つこと。これがあるだけで、業務への考えが自然と変わってきます。

やりたいことと違うから転職を、と考えている人は、その「やりたいこと」がどんなことなのか、明確化できており、そのための下積みスキルやポータブルスキルになるものがあり、今いるところで惜しまれるような存在になってるのか、もしくは「ここで得られるものは一通り得られた」「ここでできることはやり切った」という思いがはっきりしているのであれば、それは転機なのかもしれません。もし、そうでないならば、もう一度、振り返って、明確になるまで、今いる場所でやってみることも、一案かもしれません。

私は、ひたすら愚直に仕事をするということは決して悪いことだとは思いません。むしろ、ほとんどの仕事は愚直にしていくものだと思っています。そして企業に勤める時、その愚直さは大切なポイントでもあると思います。みんながみんなスタートアップを目指しているわけではないですし、投資家になるわけでも、コンサルになるわけでもありません。ほとんどの仕事は、社員の日々の黙々と淡々とした仕事の積み重ねからできているのです。

これからどうしようかと迷っている人がいたら、ぜひ辞めてから、ではなく、辞める前に足を止めて、ゆっくり考えてみてほしいなと思います。求められるまま、お願いされたことをやっているうちに「どうやらこれが自分には得意なことらしい」とか、「好きではないけれど、なぜかこの業務はするするできてしまう」ということが分かってきて、それが仕事を継続していくための大きな強みになっているかもしれません。「好き」=「できること」とは限らないのが仕事の面白いところ。ぜひ、少し「ドラフト」しながら、ゆったりと次のことをあせらず考えてみてください。何か違うものが見えてくるかもしれませんよ。

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