苦境を乗り越えるまでの軌跡と振り返り【後編】
今回、4月27日にフルマラソンの自己ベストを2年振りに更新できました。直前~当日にかけては前回の記事でまとめてみましたが、何よりもそれ以前の内容も大事になります。自分でも再現性を高めていく、また修正点を見つけて改善していくためにも、どのようにトレーニングをしてきたのか?今回はその点を振り返り・まとめようと思います。
■前回の記事【前編】
1月にも今回と同様に ”セルフハーフマラソン” を走りましたが、それまでのトレーニングについては以下の記事にまとめてます。
■昨年6月から今年1月までの概要はこちらから
月間走行距離
■昨年6月からの月間走行距離:平均 250㎞
まずは一番わかりやすい月間走行距離から。本格的にトレーニングを再開したのが、昨年の7月(細かく言えば6月末)。これまでの平均としては月間走行距離は「250㎞」位でしょうか。
ハーフマラソンを走ったのは1月26日でしたので、それ以降のマラソン練習期間は2月が279㎞、3月が320㎞でした。
■一昨年6月からの昨年5月までの月間走行距離:平均 170㎞
これは2019年6月~2020年5月までのグラフです。一見走ってそうに見えますが、縦軸の単位が違うので平均でも月間170㎞位でした。
「走行距離が伸びれば、そりゃ記録も伸びるでしょう。」
それはその通りで、何事も行動量に比例して良い成果は得やすいものだと思います。しかし、この量(月間走行距離200㎞台)でフルマラソン2時間34分を記録するのは、一般的には少ない練習量だと思います。ここにこそ、”トレーニングの鍵” が隠されているはずです。
走った内容
では ”走った中身” はどんなものだったのか?JOGとポイント練習の2つの側面から振り返ってみます。
① JOG 総走行距離:819㎞
✔ "平均ペースの平均" は4分31秒/km。
アップ・ダウンも込みなので、実際に一定のペースで走るのはもう20秒程速いと思います。
✔ "平均心拍数の平均" は130bpm(胸式ベルト着用)。
ポイント練習以外のランは一般的には「JOG」「ジョギング」と言われます。は "気晴らし" や "疲労抜き" を目的に、ゆっくりなペースで短い距離を走られると思います。
私のJOGでは "気持ちキツイ" 状態で走ることを意識しています。英語で表すと「moderate:適度な」です。典型的な例が以下のようなものです。
2㎞当たりからペースが安定してきて、概ね3分50秒/km位で走っています。ペース自体は「速すぎる…」と思われる方も多いと思いますが、走っている最中は
・口呼吸はあまりしない
・惰性で走る
・"走ろう"としない
という状態・感覚で走っています。つまり、この "ゾーン" で走ること鍵の1つ。
楽しくグループランをする時もありますが、やはり目標を持って前に進む姿勢はどんなことでも大事ではないでしょうか。市民ランナーは毎日が "時間との戦い" です。ちょこっとキツイかもしれませんが、毎日短い時間で効率良くトレーニングができる内容が重要だと、私は思っています。量がこなせればもちろんいいですが。この少しの頑張りが、今回のように「代えがたい達成感」へ生まれ変わってくれるので。
②ポイント練習 総走行距離:781㎞
JOGだけでなくポイント練習も欠かせないトレーニングです。調整含めて3ヵ月程のマラソン練習期間でしたので、内容はそっけないものかもしれません。なんせ最後までやり切れなかった練習(DNFと書いてあるメニューが予定していた内容を完結できなかったもの)も多々あるので…
マラソン前はよく「30㎞走」を行うことが多いと思います。私も以前まではよく行っていました。今回はそれはなく、多くても25㎞ほどで練習のリズムを崩さないようなサイクルでした。負荷をかけることはトレーニング効果を得るには必須ですが、その量は "過剰" になるべきではないと思います。自分の感覚で「腹八分目!」と言えるラインで終え、次も「腹八分目!」で終えられることを継続していく。こうして安定的にポイント練習をこなし、怪我をしないことがなによりも大切です。
走るために大切にしたこと 「ケアの充実」
怪我をしてしまったら振り出しに戻ってしまいます。そのため練習だけでなく、食事・睡眠・ストレッチにもとても意識しました。
●食事
食事は細かいことを言ったらキリがないのですが、大事なことは理論だけでなく感覚にも気を配ること。
理論は誰しもに当てはまるような数値・考え方ですが、必ずしも自分にジャストフィットするとは限りません。現場では様々な変数が絡み合ってくるためです。理想はその理論を理解し、変数に合わせて調整することができることですが、なかなか難しいものです。
「ランニング中の糖質補給は1時間に○○g~○○gまで」といった推奨量もありますが、このようにやってみてもうまくいかない。それが前回のフルマラソンでのミスの原因でもありました。「推奨量よりももう少し少なくてもいいのか?」。理論に基づきながらも感覚も参考にし、振り返りと次回の準備・実行することで結果に結びつくのです。
●睡眠
睡眠時間は7時間を取るようすると翌日の仕事・家事がフルコミットできるまで回復するのを実感しました。それまでは長めの昼寝をしてしまったり、だらだら仕事をしてしまっていたので。たまに「睡眠時間が短い方が優秀」的な風潮を感じることがありますが、インプットをしたらアウトプットをするのと同じように、トレーニングと休息(睡眠)時間は欠かせないセットだと思います。前者の量に比例して増えるものだと。
●ストレッチ
走った後は「終わった~」と思ってそのまま着替えなどをしたくなりますが、必ず「ストレッチをセットに行って終わり」と考えていつも走っています。めちゃくちゃに疲れてストレッチもままならない時もありますが、基本的には10分以上はゆっくりと行う(数十秒×数箇所)ようにしています。筋肉のケアが第一の目的ですが、リラックス効果による "心のストレッチ" にもなると思うので、その後の仕事などにもスムーズに移行できるような感覚があります。
2021年~2022年は
ようやくフルマラソンの疲労も抜けてきたので、練習も再開しようと思っています。今年はまさかの「東京マラソンに2回も走れる?」予定です。というのも、2020年大会の中止の振替で2022年にエントリーして、更に2021年(10月開催)大会が抽選で当たるという奇跡が。
10月開催と考えると、滅茶苦茶に暑い夏にトレーニングをしなければなりません。アスリートのように合宿できればいいですが、できる訳がありません。これもまた、自分にとっては例のないチャレンジです。どのようにすれば "夏のマラソントレーニング" ができるのか?試行錯誤をし、待望のレースに準備していこうと思います。
謝辞
今回のフルマラソンPB更新に当たり、最もお世話になったのはSushimanさんでした。
昨年の7月から練習メニューを監修して頂きましたが、前回のフルマラソンではペースメーカーまでして下りました。最高の結果が出せなかったのは悔しいことですが、これを達成するための道がまた見えてきたかなと思います。次は東京!!
また、この写真を撮って下さったのは元マラソン日本代表の加納由理さん。給水の手渡しまでして頂き、ありがとうございました。
【備考】全データ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?