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「地番検索くん」をリリースしました!地理空間情報にも強みをもつサグリの新サービスをご紹介します。

サグリ 採用担当の山本です。
今回は2023年1月にリリースした「地番検索くん」の開発の裏側をご紹介します!
「衛星データ×農業×AI」を軸に事業を展開するサグリがなぜ今回、「地番検索くん」の開発に取り組んだのか、そしてサグリにおける新プロダクト開発の進め方とは?是非ご一読ください!

※「地番検索くん」は誰でも無料で使うことができますので是非一度覗いてみてください。
地図を見ることが好きな方は必見です!

地理空間情報にも強みをもつサグリ

サグリの普段のnote記事では「衛生データ×AI×農業」についての話題が多いですが、実は「地理空間情報(GIS)」を扱うことも多く、サグリの強みとなっています。
サグリの既存サービスである「アクタバ」「デタバ」もアプリケーション内で地図が表示され、調査員さんの位置情報も利用しながら、区画ごとの耕作情報を記録することができます。画としての地図を表示させ、その上にデータである区画情報を表示することや、GPSを活用し位置情報を正しく表示する技術や、その上にアプリケーションとしての機能を追加していくことにサグリのエンジニアは長けています。

アクタバの開発ストーリーについても触れている、エンジニア田中さんのインタビューも是非ご参考ください。

そもそも地番って?住所とは何が違うの??

地番と住所は目的が違います。
地番は、土地の場所・権利の範囲を表すための登記上の番号で、たとえば土地の所有者に固定資産税を請求する管理などに使われます。
不動産は地番によって登記されるため、不動産の売買をしたことのある方は目にしたことがあるかもしれません。

一方、私たちになじみのある住所は郵便配達のためにできたもの。
住居表示法に基づいて、市町村が定めています。

地域によっては地番と住所ほとんど同じ地域もあれば、まったく違う地域もあります。

「地番検索くん」開発のきっかけは法務省のデータ開示

「地番データ」は法務省が管理しており、不動産登記情報だけではわからない、土地の位置や形状を正確に把握するため、精度の高い地図を法務局が作成しています。
これまでは、建物の地番を知りたくなったときには法務局へ申請を出し、受理されるというプロセスを経て情報を取得していましたが、今回2023年1月23日から誰でも見られる形で「G空間情報センター」に地図情報が公開されることになりました。

公開されることになった背景のひとつには、農業分野でのICT活用もあります。
土地の管理が基本となる農業分野では現在農林水産省が「eMAFF地図(農林水産省地理情報共通管理システム)」を推進しており、農地台帳、水田台帳などデータベースと、実際のその土地の現場情報をデジタル地図上で統合し、農業に関わる様々な記録・管理の効率化を進めています。そのシステム開発の過程において、「地番データ」を活用したいという要望が高まっていました。

その他にもたとえばサグリには、太陽光発電の設備を設置できそうな耕作放棄地を探しているが、そのためにアクタバを使えないか、という相談もありました。これまでは可能性のある土地を探してから法務局へ足を運び、費用をかけてその場所の地番の開示を申請していたそうです。

この他にも、地番データが開示されたことで、手軽に利用できるニーズが増えていくのではないかと考えています。
例えば、農地を所有者同士で話し合い、集約して法人に売却する際などに、区画ごとの権利がすぐにわかるようになりますし、都道府県での空き家に関する調査なども、これまで行政がデータを取り寄せ地図を作成していたコストをカットし、すぐに利用できるようになります。

開示されたデータを”誰でも使える形”にしたサグリの技術

今回、法務省が「G空間情報センター」に開示した地図情報は、実は私たちが普段スマホアプリで利用するような地図のイメージとは少し違います。
データ形式としては地図XMLフォーマットという形式であり、一般的にイメージされる地図のような表示をするためにはエンジニアによる変換が必要になります。

今回は、急遽開発が決まったこともあり、最短でどういった付加価値、機能のあるアプリケーションにするか、使いやすい形でみるにはどうしたらよいか?という観点の要件定義を行い、アプリケーションに実装しました。

背景地図に「Mapbox」を利用し、パブリックに提供されている地図XMLフォーマットのデータをGeoJSONに変換し、「Mapbox」の背景地図上にポリゴンとして表示させる、といった開発に取り組み、2日程度で企画からリリースまでを実現させました。

「地番検索くん」の今後の活用可能性

今回は、法務省の情報開示に合わせてサービスリリースを行いましたが、地番データが誰でも簡単にできるようになったことはこれまで法務局に申請していた方にとっては、コストや工数が大きく削減可能になり、今後幅広い分野での活用可能性があるのではないかと考えています。

サグリが向き合う「農業分野」では、区画の管理や区画毎のデータ収集・蓄積・解析が必ず発生します。「地番検索くん」も既存サービスであるアクタバ・デタバとの連携の可能性なども含め、サグリ内での活用可能性が広がるのではないかと考えております。

サグリでは、今後も社会の変化やニーズをとらえ、スモールスタートで新規プロダクトとしてアイディアを形にしていきたいと考えております。
仲間となって一緒に開発を進めていただけるエンジニアを募集中です。
▼下記URLからご応募をお待ちしております!


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