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シンデレラ、これが最期のシャヴァーサナ

シンデレラ譚に類するものは世界中にあるといわれている。

日本で知られているシンデレラは、忍耐力と魔法使いによって逆境を抜け出し幸せになる少女の物語である。
しかし、こちらでは少女がその辺りで拾ってきた奇妙な魚を自宅の池で世話することによって幸せになるお話となっている。

その魚は早々に継母に食われ、悲しむシンデレラに魚の精霊が言う。
「魚の骨に願えば、望むものをなんでも与えよう」

魚の骨よってシンデレラは物的に豊かになり、美しい装いで家を抜け出し祭りへとくり出す。しかし、慌てて帰ったため靴を落としてしまう。



美しいその靴を拾った人は、なんと靴を富豪に売り飛ばすのだ。(まいどあり!!王子は商人であったか。)

富豪は奇妙な妖力を発揮する靴の主に関心を示し、持ち主である少女を探し出し綺麗な子だったので娶る。
継母はどこからか石が飛んできて、他界。

そして富豪は妻が持参した骨に願い事をし、富を得る。しかし、年が変わると骨はなにも生み出さなくなり家はひどく没落した、という内容である。

シンデレラ・ストーリーで語られる少女はここにはいない。教訓があるのだとすれば、“嫁には行くな”だろうか。それとも“資産は自己管理せよ”だろうか。
少なくとも“魚を大切にね!”ではない気がする。
富豪が靴を拾わない点、ここに大きなヒントがあるような気がしている。
ははーん、さては漁夫の利だな。


なにが言いたいかというと、今朝寝室の床に広げたヨガマットの上に、立派な黒光りする脚を1本残して去っていった昆虫がいたということ。

脚に願えば願いは叶うだろうか。
願いはもう決まっていて、「あなた方もう来ないでください」なのだけれど。
せめて売り飛ばせるものを、忘れていってほしいものである。



2019年9月5日 選り抜き協力隊日記

【一言メモ】
継母の退場のスピード感にご当地感がよく出ているなと思います。そして、やはり「骨が好きなんだな」と思います。“デパートのレストラン階で店を選ぶロールプレイ”をよく活動中にしたのですが圧倒的に骨付き肉が人気で、骨が無いと食べた気がしないという生徒さんもいました。寓話には文化が現れていておもしろいと思います。

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