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ニュートラル

子供が産まれたら
まず出生届に区別される

そこに書かれた言葉
役割は必要ない
無意味と思う

だから、
子育ては生まれた人を
日々ケアしてフォローしながら
何年もかけて
何ものになりたいのかの声を聞くこと
親のカラーに染めないときめていた

絡まってぐちゃぐちゃになった糸を解くみたいな時がくるのを楽しみに

成長とともに年齢に応じ
希望やクレームを聞いて
可能な選択肢のプランを提示する
ピンクがいいのか
ブルーがいいのかところから

自分から情報収集し
選ぶことができるように
なることを自立と呼びたい
(金銭的な自立も大切だけどね)

ニュートラルでいたい


生物学上 女性
そこから始まる
私の生まれ育ちは少し特異な環境だったせいか
これには異議あり!
と幼少期から思っていた

祖父が戦後始めた事業
何度も失敗を重ね…
転居、結婚、離婚×?も重ね
ようやく高度経済成長の波に乗り
飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大した
テレビCMもはじまり
全国に派手なネオン塔や
西洋の宮殿造りのような支店(研修施設)があった
1970年代
父は次期社長
そこへ長女として生まれたのだ
そりゃジェンダーもバグるでしょうがよ
長男後継ぎ説な
年子で弟(長男)生まれる
さらに可愛い妹
家電の広告モデルになったぐらい

私の立ち位置は長女ってだけ
幼少期から私は負けず嫌い
同じ年の男の子が高い段から飛び降りようものなら
ガンガン張り合う、
しかし未熟児で生まれ平均より小柄
結果…顔から落ち前歯折る
3歳児
残念ながら永久歯は5・6歳になるまで生えない
その頃の写真に笑顔はない
めっちゃ睨んでる
なめられないように(誰にやねん)
変なおじさんみたいな歯抜け時代

セレブ育ちのはずだが
放任通り越し放置
母は家政婦のようにこき使われ
当時頭痛を止める薬を多用
(血液サラサラ効果過ぎるな)
ストレスから鼻血が止まらず
洗面器にどんどん溜まる
真っ青通り越し真っ白な母の顔
流石に怖すぎて救急車呼ぶ

祖父は体が不自由だったが類まれなカリスマ
女性好きが高じて
化粧品を手作り富山の薬売り業態から
訪問販売を始めたのが成功した
成り上がりっぷり

取り巻き
あからさまに目当てがある大人
ブレーンか秘書か女か金か
なんか匂うが見て見ぬふり
どうやら血のつながりありそうな
たまに遊んでくれるお姉さん
幼心に違和感満載

とにかく女は嫌だった
こんなふうになりたくないモデルばかり
今は女だけど、男になるんだと
中学に上がるまで真剣に考えていた
胸の膨らみもほぼなかったが
中2で生理が来た時は絶望した

一方、長男坊の弟は
ヒョロヒョロ星人
鼻水を垂らし、とにかくよく泣く
(左目の下に泣きぼくろ)
出来なくってもへっちゃら
嘘もぺろっとつく幼少期
恐ろしいほどの奔放さ
伝説のエピソードの数々

小学校の全校集会で
校長が「昨日、ため池で釣りをしていて
池に転落、溺れそうになった生徒がいた」
と話している
なに??なに?
昨日弟はずぶ濡れで帰ってきて
シャワー浴びとったぞ!?
母も水遊びしとったん?ぐらいの対応

警察沙汰やん…
中学に入るとさらに面倒な
盗難バイク預かるとか
万引きまがい
シャレにならないことも多々あった

高校ではバンド活動、演劇、
髪色はコロコロ変わり
ヤンキーに仕上がる
大学に積んで入ってからも
さらに羽ばたく
いつも男女問わず楽しい仲間に囲まれていた
そこに見え隠れしだすカリスマ性

私は私で自由にはしていたが、
何か足枷がいつもあり、
女の入れ物に入っている感があった
それでも、何年も体に収まっているから 
慣れたのかな、
恋愛対象も男で諦めた

会社は父に代がわりした
祖父は体調がすぐれず
常に父に会社を乗っ取られたと
妄想も酷く
刃物をふりかざしてた時は
優しい祖父の面影はなく
取り巻きも消えた
新本社ビル完成を待たずに亡くなった

私が21歳、弟が事故死した
長男に生まれたのに
跡継ぎだったのに
祖父がなくなった翌々年のこと

私は長男がいる事に安堵していたのだ
女でよかったと
別に性別で区別も役割も考えなくて良かったのに
弟の代わりはないのに
私は私で生きていかねばならなかった

ジェンダーニュートラルにして…





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