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「ゆでガエルを憂う」毎日ショートエッセー:古い羅針盤131章

敗戦後の高度成長。会社教という神話と土地神話の両方が崩れ去った後、日本では縋るべきイデオロギーが亡くなって久しい。日本だけではなかろう。世界中を見渡しても、民主主義への過大な期待が暴走し、経済格差の激しさは大戦前を凌いでいる。労働や納税といった市民としての義務を果たした上での、権利請求が可能なはずのルールが、弱者救済という、まるでおとぎの国のような理想論で切り崩されてゆく。生物は全て不平等の中で、競争し、時には、共生し合って、種の保存に邁進するものだ。で無ければ、自然の脅威の前に、人間が創った茅葺に近く脆い社会など、何の救いにもならないからだ。「幸福は絶望とともにある」:曽野綾子氏を読んでいる。

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