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テレワーク(リモートワーク)したいか(厚労省「労働者の働き方・ニーズに関する調査」)

厚生労働省の有識者会議「新しい時代の働き方に関する研究会」第9回会合が2023年6月23日に開催され、「労働者の働き方・ニーズに関する調査」中間報告がされたが、その調査には今後もテレワーク(リモートワーク)をしたいかといった質問項目がある。

新しい時代の働き方に関する研究会

厚生労働省の有識者会議「新しい時代の働き方に関する研究会」開催要綱によると、新しい時代の働き方に関する研究会の目的は「働き方や職業キャリアに関するニーズ等を把握しつつ、新しい時代を見据えた労働基準関係法制度の課題を整理すること」とされている。そして検討事項は、

1 働く方の働き方や職業キャリアに関するニーズの変容について
2 企業の意識、人材の管理・活用等の変容について
3 働く方の健康確保と働きがいの促進について
4 デジタル技術を活用した働き方の保護について
5 1から4までを踏まえた、法制度の基本的在り方について

「新しい時代の働き方に関する研究会」の参集者には、安部和志・ソニーグループ株式会社執行役専務(人事・総務担当)、今野浩一郎・学習院大学名誉教授・学習院さくらアカデミー長、戎野淑子・立正大学経済学部教授、大湾秀雄・早稲田大学政治経済学術院教授、小林由佳・法政大学現代福祉学部臨床心理学科准教授、武田雅子・株式会社メンバーズ専務執行役員CHRO、伊達洋駆・株式会社ビジネスリサーチラボ代表取締役、中村天江・公益財団法人連合総合生活開発研究所主幹研究員、水町勇一郎・東京大学社会科学研究所比較現代法部門教授、以上9名の有識者が選ばれいる。

9名の有識者のうち、使用者側(企業の代表取締役や執行役員)が3名、労働者側(連合の研究員)が1名、公益側(大学教授などの学者)が5名。

学者5名のうち、今野浩一郎・学習院大学名誉教授は経済学者、戎野淑子・立正大学経済学部教授は労働経済学者、大湾秀雄・早稲田大学政治経済学術院教授も労働経済学者、小林由佳・法政大学現代福祉学部臨床心理学科准教授は心理学者、水町勇一郎・東京大学社会科学研究所比較現代法部門教授が労働法学者。つまり「新しい時代の働き方に関する研究会」メンバーの中で労働法学者は水町勇一郎教授のみとなる。

労働者の働き方・ニーズに関する調査

第7回「新しい時代の働き方に関する研究会」が2023年5月25日に開催されたが、「労働者の働き方・ニーズに関する調査について」が議案の一つに。

資料「労働者の働き方・ニーズに関する調査について」によると、厚生労働省「労働者の働き方・ニーズに関する調査」は「中⾧期の労働基準法制の方向性を整理するために、働き方・労働時間制度等へのニーズを把握すること」を調査目的としている。

また「労働者の働き方・ニーズに関する調査」は委託事業として実施され、調査対象はインターネット調査を通じて24,190人を対象にスクリーニング調査を実施。

その内、就業形態が「正規社員」「非正規社員」「雇用関係によらない者」に該当する15歳~79歳の男女から、就業構造基本調査と同様の比率になるように6,000人を抽出し、2023年3月に本調査実施。

そして、回答者の属性として、性別は、男性が55%、女性が45%回答者の年代は、40代が25%、次いで30代が20%、50代が19.6%となっている。

就業形態については、会社等に雇われている社員が93.3%、自営業主・フリーランス(実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社⾧)が 6.7%となっている。また、会社等に雇われている社員のうち、正規の職員・従業員が61.8%、次いでパート・アルバイトが25.3%となっている。

調査項目は、今後の働き方について重視したい事項、希望する労働時間制度、健康確保についての考え方、人事管理における希望等の項目について。

なお、項目57から62の質問内容は次のとおりで、項目57では「あなたは今後、リモートワーク(自宅等、オフィス以外の場所で働くこと)をしたいと思いますか」と質問している。

なお、調査委託先PWCは「リモートワーク」としているが、厚生労働省は「テレワーク」としているので「あなたは今後、テレワーク(自宅等、オフィス以外の場所で働くこと)をしたいと思いますか」と質問すべきと思う。

57  あなたは今後、リモートワーク(自宅等、オフィス以外の場所で働くこと)をしたいと思いますか。
58 通常の勤務時間制度(始業・終業時間を会社が決める制度)
59 変形労働時間制度(業務量や繁閑に合わせて、あらかじめ会社が日・週毎に異なる勤務時間を決められる制度)
60 フレックスタイム制度(一定の時間内で自分で始業・終業時間を決められる制度)
61 みなし労働時間制(一定時間分働いたとみなして、その時間数を基準に残業代が支給される制度)
62 労働時間制度の対象としない(勤務時間を会社が管理せず、自分で決めることができ、時間による賃金ではなく、成果等により高い賃金を目指せる制度)

資料「労働者の働き方・ニーズに関する調査について」

労働者の働き方・ニーズに関する調査について(PDF)

テレワーク(リモートワーク)をしたいか?

「労働者の働き方・ニーズに関する調査について(中間報告)」は、本日(2023年6月23日)開催された「新しい時代の働き方に関する研究会」(第8回)の資料として厚生労働省のサイトに公開された。

その「労働者の働き方・ニーズに関する調査について(中間報告)」によると、「今後、テレワーク(リモートワーク)をしたいと思うか」との質問に対し、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計割合は、年代別では30代が最も高く、最低は70代となっている。

また、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計割合は、業種別では情報通信業が最も高く、最低は医療福祉。職業別では管理的職業が最も高く、最低は運搬・清掃・包装等の職業。年収別では1000万円以上で最も高く62.4%。最低は「年収:わからない」。

つまり「今後、テレワーク(リモートワーク)をしたいと思うか」との質問に対し、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計割合は、年代では30代、業種別では情報通信業、職業別では管理的職業、年収別では1000万円以上が最も高くなる。

・「今後、リモートワーク(自宅等、オフィス以外の場所で働くこと)をしたいと思うか」について、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計割合は、年代別では30代が最も高く45.9%。最低は70代で19.2%。

・「今後、リモートワーク(自宅等、オフィス以外の場所で働くこと)をしたいと思うか」について、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計割合は、業種別では情報通信業が最も高く70.3%。最低は医療福祉で25.3%。

・「今後、リモートワーク(自宅等、オフィス以外の場所で働くこと)をしたいと思うか」について、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計割合は、職業別では管理的職業が最も高く54.7%。最低は運搬・清掃・包装等の職業で17.5%。

・「今後、リモートワーク(自宅等、オフィス以外の場所で働くこと)をしたいと思うか」について、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計割合は、年収別では1000万円以上で最も高く62.4%。最低は「年収:わからない」で30.2%。

資料「労働者の働き方・ニーズに関する調査について(中間報告)」

労働者の働き方・ニーズに関する調査について(中間報告)(PDF)

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