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テレワークとメンタルヘルス

「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」報告書
厚生労働省は2020年12月25日、「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」報告書を公表。

報告書では、これからのテレワークでの働き方について
・テレワークの対象者を選定する際の課題
・テレワークの実施に際しての労務管理上の課題(人事評価、費用負担、人材育成)
・テレワークの場合における労働時間管理の在り方
・テレワークの際の作業環境や健康状況の管理・把握、メンタルヘルス
の対応方針等についての有識者の意見をまとめたほか、テレワークを推進するにあたって必要な今後の対応についての有識者の提言が盛り込まれている。

また、厚生労働省は検討会報告書を踏まえ、今後、「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(指針)の改定を行う予定。

テレワークの際の健康状況の管理・把握、メンタルヘルスについて
「これからのテレワークでの働き方に関する検討会 報告書 概要」には、テレワークの際の健康状況の管理・把握、メンタルヘルスについては次のように記載されている。

・テレワーク中心の働き方をする場合、周囲に同僚や上司がおらず、対面の場合と比較してコミュニケーションが取りづらい場合があるため、業務上の不安や孤独を感じる等により、心身の健康に影響を与えるおそれがあり、その変化に気づきにくい。(「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」報告書概要より抜粋)

また、「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」報告書(本文)には、テレワークの際の健康状況の管理・把握、メンタルヘルスについては次のように記載されている。

・テレワークの実施には大きなメリットがある一方、在宅勤務の場合、日常生活を行う場で仕事を行うこととなるため、テレワークを行う労働者は心身にストレスを感じるのではないかとの指摘がある。
また、テレワーク中心の働き方をする場合、周囲に同僚や上司がおらず、対面の場合と比較してコミュニケーションが取りづらい場合があるため、業務上の不安や孤独を感じること等により、心身の健康に影響を与えるおそれがあり、また、その変化に気づきにくい。
メンタルヘルスの不調や、その重症化を防ぐために、オンライン上で双方向のコミュニケーションを取りやすくすることなどにより、職場の上司、同僚、産業医等に相談しやすい環境を作ることが重要である。

なお、川久保皆実弁護士は、著書(『これならわかるテレワークの導入実務と労務管理』)において「部署のメンバーで毎朝オンライン朝礼を行い、その場で1人ずつ自分の今日の体調や気になっていること等についてフランクに話してもらう」というテレワーク導入企業の事例を紹介している。

また、川久保弁護士は「テレワークであっても常時観察が可能なように、勤務時間中は常にウェブ会議ツールを接続して顔が見える状態にするというルールにしている」会社の事例も紹介している。

そして、川久保弁護士は「後者の方法については、自分のアップの顔が常に上司に見られているという状態に置かれることにより心理的ストレスを感じる労働者は少なくないでしょう」と指摘し、前者の「オンライン朝礼」のような方法で、「毎日短時間」でも「上司が部下の顔色、表情、仕草、声のトーンや服装などをモニター越しに確認できる機会を作ること」(川久保皆実著『すぐに使える規程例・書式例つき これならわかるテレワークの導入実務と労務管理』<日本実業出版社、2020年12月1日初版発行>より引用)を推奨。

「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」報告書(PDF)

「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」報告書概要(PDF)