フリーランス保護のための新法を早期に国会提出
今年(2021年)11月8日に首相官邸において開催された「新しい資本主義実現会議」(第2回)の資料が翌日(11月9日)公表されたが、その資料によると、「新しい資本主義実現会議」緊急提言(案)には「フリーランス保護のための新法を早期に国会に提出する」と記載されている。
新しい資本主義実現会議(第2回)(内閣官房サイト)
岸田首相もフリーランス保護新法の制定を明言
首相官邸サイトにも「新しい資本主義実現会議」(第2回)の記事が掲載されているが、その記事によると、岸田文雄首相は「フリーランスの方々が安心して働ける環境を整備するため、事業者がフリーランスと契約する際の契約の明確化など、フリーランス保護のための新法を制定いたします」と明言。
新しい資本主義実現会議(第2回)(首相官邸サイト)
「見通せるものがない」公取委事務総長
フリーランス保護新法については岸田文雄首相自ら「新しい資本主義実現会議」で明確に発言しているが、公正取引委員会サイトに掲載されている「令和3年11月17日付 事務総長定例会見記録」には、公正取引委員会事務総長は「フリーランス保護のための新法ということについては、今、内閣官房を中心に、関係省庁で検討が進められているというところと聞いておりまして、関係省庁の1つとして、公正取引委員会が入っているわけですけれども、まだ、現在検討中なので、その内容やスケジュールは,まだ見通せるものがないというか、申し上げられることは今のところないというふうに聞いております」と発言している。
岸田文雄首相自身が発言しているフリーランス保護新法だが、「見通せるものがない」という公正取引委員会事務総長の発言には落胆。
令和3年11月17日付 事務総長定例会見記録(公正取引委員会サイト)
所信表明演説でフリーランス保護新法にふれず
本日(2021年12月6日)行われた岸田文雄首相所信表明演説では、「フリーランス保護新法」だけでなく「フリーランス」について全くふれられなかった。
岸田文雄首相所信表明演説全文(産経新聞)
追記:フリーランス保護新法制定へ
読売新聞は「政府は、組織に雇われずに個人として働くフリーランスの労働環境を整備するため、新たな法律を制定する方針を固めた。仕事の依頼主の企業に対し、業務内容や報酬額を明示するよう義務づけ、立場の弱い個人を保護する狙いがある。秋の臨時国会に法案を提出し、会期内成立を目指す」(「フリーランス」保護新法制定へ…企業に報酬額・業務内容の明示義務、一方的な変更を防止、2022年9月13日配信)と報じた。
また、9月14日に弁護士ドットコムニュースも「全国に462万人いる企業に属さず個人で働くフリーランスの人たちを保護する新法の概要が9月13日、公表された。10月にも予定されている秋の臨時国会に提出する方針という。政府は9月27日までパブリックコメントを募っている。フリーランスに業務を委託する全企業に義務規定や禁止行為を設け、違反した場合には政府が勧告や命令をすることが柱となっている」と。
つしまようへい氏が9月14日に「日本ではフリーランス関連の問題は下請法で対処しようという話が多いけれど、本当は雇用なのに請負にしているという『誤分類』(misclassification)の問題は、もっと取り上げられないといけないと思います。社会保障にかかわる問題でもあるのです」とツイートしていたので、次のようにコメントさせていただいた。
規制改革推進会議 第6回 人への投資ワーキング・グループ 議事概要(PDF)
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