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新卒の子たちにアドバイスするとしたら。社会人5年目の、スタートアップの女性リーダーが思う3つのこと

こんにちは、俵谷です。私はZealsというテック系スタートアップで働いている社会人5年目の女性リーダーです。今までやってきたことや、こういったnoteの投稿に込めた思いは下記にまとめてあるので、よろしければご覧ください。

さて、弊社では、新卒採用に毎年力を入れておりまして、ありがたいことに今年も14名の仲間がジョインしてくれました。

弊社は新卒の子たちも例外なく非常に気合いの入った仲間でして、最近では先輩社員(Pro・Zealer)から仕事の流儀を学ぶ、「Zeals College」という施策を、同じ新卒の先輩である大江(接客DX事業統括補佐)のサポートのもと開催し、貪欲に学ぼうと努力しています。

それで、ありがたいことにPro・Zealerとして話をしてくれないかとお声がけいただいたのですが、ちょうど予定が合わず…

そしたら、その後別の日程調整があるわけでもなく、私が出るという話が流れてしまいまして、寂しくなったので、新卒の子たちに向けて話そうと思っていた内容をnoteに書こうかなとぼやいたところ、別のメンバーから見たいと言ってもらえたので、書くことにしました(笑)  ※あとで誘ってもらえました(4/8追記)

弊社のようなスタートアップや、研修期間が短いベンチャー企業(私の前職も然り)などは、そろそろ現場に送り出される頃かと思います。そういった方々であればきっと参考になることがいくつかあると思います。また、新卒2年目以降の方々にも、もしかしたら参考になるかもしれないです。
この類のことは既にたくさんの方が書いていると思うので、「不器用で平凡な新人女子」の具体的な経験と共にできるだけ書こうと思ってます。


1. 一番大事にすべきは「スピード」…圧倒的スピードで、量を得る

よく、「最初のうちは質より量だ」と言うと思います。
私も大方同意なんですが、単位時間あたりにどれくらいの量経験できるか、その速さが大事だと思っています。そして、ある程度量を得た後に質を高めていこうとした際も、そのアウトプットが早ければ早いほど良いので、速いスピードで仕事ができるかというのは新人でなくなった後にも自分の人材としての優位性になる、非常に重要なスキルだと思います。

これをしっかり実践して習得するために私が特におすすめしたいのは、「タスクが発生した後できるだけ早く、25%の出来でまず出す」です。

入社1年目の教科書という有名な本の中に「50点で構わないから早く出せ」という内容があります。私はこれを愚直に実践しておりまして、結果的に自分の糧になったことを強く実感しています。これをやる方法ややってよかったなと思う理由を、自分がプレイヤーである視点と上司になった視点どちらもから記載していきたいと思います。

例えば少し大きめの提案や施策を考案して実行しなければならない場合、私はまず「目的、ゴール、アジェンダ」をその日中に上司や周りのメンバーに提出します。
上述で"25%"という数字を使っているのはこの3つの段階でまず出した方が良いと思っているからで、なぜこの3つのみの段階でまず出すかというと、多くのケースでこの3つがアウトプットの中核となり、これが微妙な出来だとまず良いアウトプットにならないからです。ありがちなのは、この3つを確認せずに全部作りきって、期日ギリギリに出して「全然ダメ!全部作り直し!」となること。これは一番非効率だし学びも少ないので、絶対やめた方が良いと思います。
また、なぜその日中に出すかというと、①周りへの配慮 ②最終的なアウトプットの完成が期日に遅れないようにすること(+できるだけ早く出すことで、事業推進をドライブさせること) ③依頼を受けたばかりで自分や周りの記憶がまだ新しく確認のやりとりが比較的スムーズに済む この3つの理由からです。
①と②は割とセットで、最終的なアウトプット期日が遅れないようにするためにはなるべく中間のFBを得た方が良く、そしてそのために巻き込む周りの人たちにはそれぞれ業務があるので、自分の欲しい時にFBを戻してくれるとは限りません。そのため、先回りしてFBをもらえる体制にしておくことが大事です。
③は意外と重要だと思っているポイントで、人間って結構びっくりするくらいすぐ忘れるので、仕事を依頼したときに意図していたこと等の記憶を呼び起こすことすら意外と難しかったりします。なので、アウトプットを進めていくにあたって気になる箇所や確認しておきたいポイントが出てきた場合、早めに確認した方が依頼者側も受け答えしやすいので、私はできるだけその日のうちに疑問点も解消できるようにします。
そしてFBをもらって修正したり進捗させたりして、大体3, 4回の提出で一通りが完成する要領で進めます。

この要領で、要所要所で上司に提出してFBをもらいながらアウトプットを完成させることは、成長していくにあたってとても重要な施策だなと思います。なぜかというと、アウトプットに至るまでの思考プロセスを真似したり、重要な学びを引き出しやすいからです。
その領域で新人である場合、まずやるべきは「できる人を真似ること」だと私は思っているのですが、ずっとその人に張り付くわけにはいかないですし、任される業務はそれぞれ異なるので、真似るといっても結構実行が難しかったりします。
そこで、アウトプットの完成途中で都度FBをもらうことで、「FB者がもし自分と同じ仕事をする場合」という仮定に相手を引き込んで、重視するポイントやその理由、過去の経験などを話してもらうことで、相手の思考プロセスや知見をもらいやすくなります。
反対にアウトプットを一通りし終えてから初めてFBをもらう場合、FB者としても何から言ったら良いのかわからなかったり、言えることが限られたり、はたまた「まずアジェンダから出そうか」とそれ以前の仕事の仕方がFBになってしまったり、「この出来だと期日まで間に合わないから自分が巻き取っちゃうね」とそもそも真似る機会自体を失ってしまったり、そんな結末になってしまって、もったいないことになってしまいます。

目的・ゴール・アジェンダをその日中に考え抜いてFBをもらいにいくこと自体、他業務もある中で結構難しかったりするので、これでまずスピードのスキルが鍛えられると思います。そしてそのスピードとチャンスを能動的に作りにいく要領を愚直に実行していれば、的確なFBや経験の量を得ることができます。なのでおすすめです。

2. 「良いスタンス」をたくさん集める…スキルはすぐには手に入らないが、スタンスは秒で自分のものになる

書いてある通りで当たり前のことなんですが、スキルはすぐには手に入りませんがスタンスはすぐに自分のものにできます。そしてこれがすごく重要だなと思っています。

スタンスというのは、物事に対する自分の信条であったり姿勢であったりで、「ユーザーファーストでいよう」「誠実な対応をしよう」とかそういうものを意味すると私の中では定義しているのですが、そもそもこれらが仕事においてすごく重要です。ユーザーファーストなものを作ろうと思っていない人は自分本位のアウトプットが出てくるし、誠実な対応をしようと思っていない人は不誠実さが表に出てきます。それによって、その時に出せる成果や周りから得られる信頼は異なるし、自分が得られるチャンスや長期的に成し遂げる物事の幅やスキルも変わってきます。そんな感じで、自分の仕事について根本的な方向性を成すものが仕事におけるスタンスだと思います。

それで、そんな重要なものが、秒で自分のものになるんです。これは、手に入れない訳にはいかないと思います。

上述したような「ユーザーファーストでいよう」とか「誠実な対応をしよう」とかっていうのは、もしかすると「当たり前じゃん」と思えるさほど重要でないもののように思うかもしれません。ですが実際には同じ言葉でも人それぞれいろんな解釈であったり細かな思想があったりして、その一つ一つがその人の力になります。
スタンスというのはある種の「決め」であり、その思想に至るまでにたくさんの議論が為された上での一つの結論であったりもします。
最近カンブリア宮殿でdelyの堀江さんが特集されていたのですが、これとかまさにそうだなぁと思います。

「このスタンスいいなぁ」「この信条は本質的だなぁ」と思うようなものを、その結論が為された背景とセットでいろんな人から盗みながらも自分の中にたくさん作っていくことがおすすめです。その集合体が自分になるので、本質的なスタンスがたくさんあればあるほど、いろんな原動力になっていくはずです。
また、自分がその時に良いと思ったものでも実は違ったなんてこともあるので、常に見直したり色々なものに目を向けようとすることも重要だと思います。

参考までに、このnoteに記載した以外に私が大事にしているスタンスの一部。色々な記事や先輩からの助言で大切にしているものたちです。
・「我以外我の師なり」
・「失敗しても、死にはしない」
・「やるためにはどうするかしか考えない」
・「教育において、"自分がやった"と思える成果と達成感を本人が持つようにアシストすることが大事」
・「楽なものに逃げない。"良いこと"を見極めて実行する」
・「安心な場所で満足しない。常に挑戦を」
・「人間死ぬまで成長」
・「大人になるって楽しい」
・「Act Positive」

スタンスはすぐに自分のものになるので、ぜひたくさん探して自分のものにしてみてください!

3. 「食事・運動・睡眠」を侮るな…健康習慣は、中長期の成長施策

「ちゃんと食べる」「ちゃんと運動する」「ちゃんと寝る」...これらは、幼い頃から幾度となく言われてきたことだと思います。
しかしながら、忙しい時期とか、少し無理して終わらせたいプロジェクトとか、そういったものも実際にはあって、その度にどれかを少し削って普段生活を送っていくことになると思います。
時間は有限で、基本的に1日24時間で区切られていて、1日のうち何時間を何に使うかというのは新卒だろうと誰だろうと等しく与えられている権利だと思うのですが、若いとエネルギーが溢れているので多少無理しても結構長い間なんとかなって、食事・運動・睡眠を削って別のことに時間を投下しがちです。少なくとも私はそうでした。特に運動が苦手かつご時世的にも外に出にくくなったので、運動不足に拍車がかかりました。

ここから私のすごく具体的で個人的な話になってしまうのですが、私は特にこの健康習慣を疎かにしすぎたことが原因で、昨年10月より半年間ほど、うつ病に苦しめられ、仕事をお休みせざるを得なくなってしまいました。
うつ病にかかる前の私の生活は、食事を摂るのも面倒くさくて一日一食、もちろん栄養も考えられていない。運動は全くしていなく、外にも一週間に一度くらいしか出ない。そんな状態だったので、睡眠をいくら取っても疲れが取れず、長い間疲れが蓄積した状態で働いてしまっていました。休職中色々な方にご指導いただいて体系的に知ることができたのですが、「①負荷がどれくらいか ②負荷の受け皿はどれくらいあるか ③受け皿に溜まった負荷を排出できているか」この3つがそれぞれどの程度かによって、体がどれくらいボロボロになっていくかが決まっていくようで、私は②がすごく小さくて、限界が来てしまいました。(②が体力的なものにあたり、生活習慣と強くリンクするものです。)
ちなみに、負荷というのは昇進や昇給といったポジティブな刺激も含みますし完全になくすことは難しく、また、成長をする時に多く発生したりもするある意味必要不可欠なものなので、それを減らすことでなく②や③にこそ目を向けることが大事かなと思ってます。(あまりに不健全な負荷はなくした方が良いですが。また、自分の考え方の癖次第で不健全に負荷が大きくなってしまうこともあるので、それは減らしたほうがいいです。この辺りは気が向いたら別途詳しく書きます)

休職を経て自分としっかり向き合ったり、新たな学びがあったりして、今の私にとってはかけがえのない貴重な期間だったなと思いますが、でもやっぱりこの結果になってしまったことをすごく後悔しています。社会人人生の中で一番の失敗と言っても過言ではないです。

自分が成長して任せられる役割が大きくなっていくと、だんだんと求められる成果スパンが長くなっていきます。私も例に漏れずどんどん長いスパンで成果を出すことを重視して業務に励んでいまして、スコープは半年とか一年とかでした。そんな中、私は半年弱仕事を中断する羽目になってしまったんです。長い成果を出したかったのに自己管理不足故に中途半端に離脱してしまうことになり、やり遂げることができないという具合です。

この期間に得た一番の教訓は、見出しにも載せた「健康習慣は、中長期の成長施策」です。
施策というのは、短期成果を追う場合と中長期成果を追う場合とで異なり、相反する実行内容になることが往々にしてあります。健康習慣というのも私はその類かなと思っていて、短期成果を出したい時に例えば睡眠時間を大幅に削って業務に打ち込むことでその成果を得られることもありますが、例えばそれを3ヶ月続けて体調を崩して半年休むことになってしまったら、合計9ヶ月間で本来得られた成果よりも少ない成果で終わってしまうことになります。

短期成果と中長期成果を両立させる施策をやり続けることは非常に難しいことです。健康でいられるよう生活しながらしっかり仕事に打ち込むことも、実はすごく難しいことです。
なのでぜひ、「しっかり食べる」「しっかり運動する」「しっかり寝る」を侮らずに、生活習慣を良い状態にすることも頑張ることをおすすめします!


今回は以上です。
とりあえずはうちの新卒に響くといいな(笑)
最後までお読みいただきありがとうございました。明日も一日頑張りましょう!

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