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猫を棄てる - 父親について語るとき

猫を棄てる - 父親について語るときを読んだ。

買う前は棄てられた猫はどうなってしまったんだろうと思っていた。ちゃんと顛末が書いてあった。その部分は文春オンラインで公開されている。すばらしい。

素敵な挿絵は台湾のイラストレーター、高妍(ガオ・イェン)さんが描いたそう。他の彼女の作品も観てみたい。

あまり親しくない家族のことを文章にするのは、難しそうだと僕でも想像できる。分量は多くないので、1時間くらいで読んでしまった。
戦争のない状態というは、本当によいものだなとあらためて感じた。あとがきの文章が特に印象的だった。

僕がこの文章で書きたかったことのひとつは、戦争というものが一人の人間―ごく当たり前の名もなき市民だ―の生き方や精神をどれほど大きく深く変えてしまえるかということだ。

戦争を体験したい気持ちはまったくないので、こういった文章からその一部分を感じ取ることは大切だと思う。

読んでいてと、これまでの作品の断片を感じた。順序としては逆で、こういった経験が、さまざまな作品になっていったんだろうけど。

戦争や猫の表現が多かったので、ひさしぶりにねじまき鳥クロニクルや、海辺のカフカを読み返したい。本田さんやナカタさんの話が読みたくなった。

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