いつかまた逢えるなら
元旦から
地震で始まった
大切な人を亡くし
途方に暮れるばかり──
☆☆☆
こんにちは!
フジミドリです♡
【癒や詩絵物語】
今回は、長年連れ添った伴侶を地震で亡くされた方の動画が切っ掛けとなりました。
過去の記憶が重なってきたのです。
詩と物語を編み、朔川揺さんの柴絵に添えました。
創作の背景など、別サイトへ揺さんとお喋りしつつ公開しております。
では早速──
☆☆☆
彼はいつも孤独だった。
いるべきではない場所にいる。そんな思いが心の底で響いていた。いるべき場所があるはずだ、ここではないどこかに。
それで、家族にも友にも誰に対しても、彼の芯がゆるむことはなかった。
ある時、彼は出逢う。
魂が震えた。彼女もまた孤独だとわかった。いるべきではない場所にいる、そんな思いを分かち合ってくれる。
守りたかった。
二人であくせく働いて、束の間に笑い合う。けれども、いつの間にか身も心もすり減っていくのだった。
気づけば、もはや守り切れない状態になっている。どうすることもできなかった。
やがて別れがくる。夏の静かな朝。彼女を看取る。それからずっと、彼は自分を責めた。
また元の孤独へ戻る。
ある朝、風が吹く。風の中に懐かしい息吹を感じた。彼女はいるべき場所にいる。いつも自分の傍にいてくれる。そう思えた。
もう孤独ではない──
☆☆☆
『おいおいヤバいぞ。動画でも伝わってくるよ、地震の悲惨さ。うわー大変な体験だぜ。この被災者さん、オレと同年代だな』
『ひえ~自分が二階、奥さん一階でテレビを観ていて……五十年連れ添って。うーん。決まってんだよな、これも。けどさぁ』
『いや~マジつらい。わかるなその気持ち。キツいぜ。どうしたらいいんだろ。身につまされる。ミドリが逝った頃を思い出す』
『オレの理解なんて、まだまだ浅い。口先だけだな。こんなの見せられちまったら、何も言えねえもん。ただ祈るしかできないよ』
☆☆☆
死んでしまったあの人は
もうどこにもいない
消えてしまった
それは寂しい
それは切ない
それは哀しい
だから──
ここにいる
わたしの胸の
奥深く
今この時もいてくれる
そう感じたい
死んでしまったあの人を
思い出す時はいつも
わたしの傍に来てくれる
泣かないで
ここにいるから
悲しまないで
大丈夫
いずれ逢える
その時まで
待っているわ
死んでしまったあの人も
わたしを思い出して
くれるだろうか
☆☆☆
お読み頂きありがとうございます!
ではまた💚
ありがとうございます🎊