「沈黙は悪。」 日本と欧米のコミュニケーションの5つの違いと活用方法
海外ママプレナーのSacraです。猛暑の日々ですが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
2020年にアメリカで法人設立したのですが、その後あまりにも育児に本業に忙しく、数年ぶりの更新になります。
最近、クライアント(久々の純大手日本企業)とミーティングをしていて、 感じたカルチャーショックがあります。
それは、コミュニケーションにおいて「沈黙」と「行間を読む」という私が忘れかけていた日本人としての美徳です。
欧米生活17年、英国・フランス留学に始まり、ヨーロッパで5年ほど働いた後、アメリカ東海岸で9年目。非日本人に囲まれて仕事をしてきたので、いつしか欧米寄りのコミュニケーション術が身についていたのかもしれません。
今回は、「日本と欧米のコミュニケーションの4つの違いと活用術」、について私の考えをシェアします。
今回の記事の想定読者は以下です。
• 欧米人とのやりとりで何かと苦労している
• 今は日本在住だが、将来的に留学や海外就職がしてみたい
• 外資系企業の会議などでアウェイ感が否めない
• グローバルスタンダードなコミュニケーションを学んでみたい
1. 日本的なコミュニケーションの4つの特徴・メリット・デメリット
それでは、日本的なコミュニケーションの4つの特徴とメリット・デメリットについて私の見解をシェアします。
そもそも、日本的なコミュニケーションとは何でしょうか?
私の考える大きな特徴は以下です。
日本は大好きですが、確かにコミュニケーションの面では、 欧米ではまず見ない種類の高度な察知能力などを、皆が当たり前のように使っていたことに海外に出て気づきました。
このようなコミュニケーションのあり方を、この概念は、アメリカ合衆国の文化人類学者エドワード・T・ホールの言葉を借りると「ハイコンテクスト型」コミュニケーションとも言えます。
世界的にみても、日本はハイコンテクスト文化のトップに位置付けられます。
Source:Plans and budgets must be in Low-context of communication
日本以外では、中国や韓国などのアジアの国や、アラブ諸国も一般にハイコンテクスト傾向が強い国としてあげられます。
このハイコンテクスト型のコミュニケーションについては、当然ながらメリット・デメリットがあります。
メリット
デメリット
2. 日本的・欧米的なコミュニケーションの違いの背景
それでは、欧米的なコミュニケーションの4つの特徴・メリット・デメリットも考えてみましょう。
私は、日本以外にイギリス・フランス・スイス・アメリカに住み、現在も主に欧米の企業と働いていますが、私の考える欧米のコミュニケーションの主な特徴は以下です。
前述のエドワード・T・ホール の言葉では「ローコンテクスト」型のコミュニケーションと言えるでしょうか。
Source: CQ – HOW ARE WE DIFFERENT? PART TEN – CULTURAL RELATIVISM
このグローバルスタンダードとも言える欧米のコミュニケーションですが、日本人からするとこちらも当然メリット・デメリットがあります。
メリット
デメリット
3. 日本的・欧米的なコミュニケーションの違いの背景
皆さんもお気付きだと思いますが、日本的・欧米的なコミュニケーションの違いの背景には、「文化」の違いがあります。
さらに具体的に言うと、「言語」x 「国の歴史」によってこれらの違いは生まれるのです。
ハイコンテクスト:
日本は世界で最もハイコンテクストな文化に位置付けられていますが、そこには、島国として国民の間で太古から数千年も共有してきた歴史があります。
ハイコンテクストな文化の国は、長いあいだ共有してきた歴史があります。
日本の場合、単一民族の島国社会で、多くの期間は他の国から閉ざされているユニークな歴史的背景を持っています。
その長い歴史の中で、人々の間に共通のコンテクストが蓄積されていきます。その中で、状況により意味が変わる単語、同音意義語が多いなどの言語の特徴も形成されました。
つまり、数千年の歴史の中で、 日本人は、「あ・うん」の呼吸や、言葉にしなくても相手のメッセージを読み取る能力を身につけたのです。
ローコンテクスト:
反対に、ローコンテクスト文化のアメリカの例をあげれば、 わずか400年の歴史で、文化や言語の異なる世界中からの移民で成り立っています。
つまるところ、人種のるつぼとも言えるアメリカには日本人のような共通の文化的コンテクストがほぼないのです。
よって、コミュニケーションにおいて、単純明快に、簡潔に明確に相手にメッセージを伝える必要があったのです。
細分化・具体化された言語の特徴を見ても明らかです。
例えば、同じ「見る」にしてもsee、view、look、regard、watchと使い分けたり、仕事でよく使う「確認する」にしても、confirm、verify、identify、track、checkと、シーンによって使い分けています。
4. グローバルスタンダードのコミュニケーション活用術
これら日本と欧米の大きな違いを理解したところで、グローバルスタンダードのコミュニケーションの活用術について考えてみたいと思います。
私は二十歳まで純ジャパの非帰国子女なので、海外生活が長くなっているものの、どちらのコミュニケーションにも一長一短があり、甲乙つけがたいと感じてしまいます。
とはいえ、在米生活や欧米企業とのプロジェクトで求められるのは日本人であってもグローバルスタンダードのコミュニケーション。
最近は旧態依然とした大手日本企業とも仕事をしていますが、基本ミーティング中は日本語で話していても、欧米寄りのコミュニケーションで、場面に応じて日・欧米の良いとこどりをした「ハイブリッド型」コミュニケーションで乗り切っています。
私の考える日本人としてのグローバルスタンダードなコミュニケーション活用術のポイントは以下です。(仕事の場面を想定しています)
「個々のミーティングやフォーマルな場では、基本欧米的なプレゼンや会議の進行を心がける。それ以外はケースバイケースで対応。」
つまり、以下のような感じです。
まとめ
本日は、在米9年目の筆者が自身の体験に基づき、日本と欧米のコミュニケーションの5つの違いと活用方法について自分なりの考察をまとめてみましたが、いかがでしたか?
大切なことは、自分の文化に対する客観的な理解を深めた上で、ダイバーシティを理解し、受け入れていく姿勢でしょうか。
日本人の意識構造は、欧米人のそれと大きく異なります。コミュニケーションについても優越はつけられず、 正解はありません。
とはいえ、デジタル化・国際化が急速に進んでいる現在、グローバルスタンダードなコミュニケーション術を身につけることで得られる信頼や潜在的キャリアのチャンスは膨大です。
機会があれば、ぜひコミュニケーションの参考にしてくださいね。
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ご意見やコメントなどありましたら、こちらまでお気軽にお問い合わせください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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