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旅するキャンドルメーカーのお話

実は私、キャンドルに目がありません。なので、私のことをよく知る友人たちは、何かギフトというと、いつも素敵な、素敵なキャンドルをくれます。ある時、センスがキラリと光る女友達がくれたギフトのキャンドルに、「なんだこれは!!!」とおったまげるほど、オリジナリティ溢れる匂いの一品がありました。そのキャンドルメーカーの名前は「P.F. Candle Co.(ピーエフキャンドル)」。あんまりにも香りに惹かれすぎて調べてみると、生産地はアメリカ・ロサンゼルス。夫婦でスタートしたローカルカンパニーだということがわかりました。

そして私、その香りにぞっこんすぎて、調べるだけでは終わらせられなかった。ロサンゼルスに用事があった折、Uberを飛ばしてもらって、工場におじゃましてしまったのです。コロナ対策で海外にふらっと遊びに行けない今日この頃、その写真を見てたら気分が上がってきたので、ちょっとみなさんにシェアしたいと思います。

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P.F. Candle Co.の本社・工場があるのは、ロサンゼルスのダウンタウンから南東へ少し車を走らせた場所。一見古そうに見える建物を前に「あれ?場所間違った?」と思った私でしたが、心配はいりませんでした。大きな扉を開けると、そこには下の写真のような洗練されたショールームとオフィスが広がっていたのですから。

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(ミラーボールがオフィスにある!いい匂いがする!おしゃれ!とお上りさんの私は大興奮)

さらに、その奥の扉の向こうには、1日に2200個〜4200個のキャンドルやルームフレグランスを生産する工場が。この場所から、ヨーロッパを中心に、日本を含むアジア、オーストラリアなどに商品が届けられているのです。

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実はショールームにお邪魔した日、P.F. Candle Co.のオーナーであるクリスティンとトーマスの夫婦は商品づくりの新しい発想を得るための長期旅行中。というわけで、マーケティングアシスタントのジュリアン・ヘンダーソンさんが工場を案内してくださったのでした。

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(案内してくださったジュリアンさん(左)とアートディレクターのサムさん(右)とってもやさしかったなー。元気にしてるかな〜。)

「8年前、P.F. Candle Co.はクリスティンとトーマスが住んでいた、テキサス・オースティンで誕生しました。空き部屋になっていたゲスト用の寝室を使ってはじまったキャンドル作りですが、今ではこうして工場を持つようになり、30人の従業員を抱えるまでに成長しました。それでも、ロウ作りから発送まで、全て手作業で行なっているのは創業当初から変わりません。大きな家族が一緒に商品を作っているような感じですね。」

て、て、手作業!!!この時代に!?

そうなのです。このキャンドルたちは、今でも全て手作業で作られているのです。しかも、キャンドルの原料はすべて、100%大豆由来のロウを使った極めてナチュラルなもの。その香りはクリスティン夫婦が花や砂漠など大自然からインスパイアを得たものや、キャンプなどアウトドアの経験から着想を得て調合したものなのだとか。そのインスピレーションをキャッチするために、夫婦は度々旅にでかけるのです。

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カリフォルニアの海辺の香りがする「ゴールデンコースト」、マシュマロの焦げた匂いがする(本当に!!)「キャンプファイヤー」、バターや砂糖、かぼちゃの香りがする「スパイスドパンプキン」なんてユニークな香りをバンバンリリースしている秘訣は「旅」だったのか!目から鱗が落ちた瞬間でした。確かに、P.F. Candle Co.のキャンドルはなんというか、私たちの記憶を呼び覚ますような香りなんですね。それにしても、夫婦のライフスタイルのなんと羨ましいことか!旅好きの私はよだれが出そうになりました。

それに、香りだけじゃなくて、キャンドルの質へのこだわりもこれまたすごかった。キャンドルを使い終わるその最後の最後まで綺麗に炎が燃えるよう、毎日、毎日、キャンドルの燃焼テストを行っているんです。確かに、P.F. Candle Co.のキャンドルって、火を消した後の煙というか、すすが全然出ないので重宝していたのだけれど、その裏にはこんな企業努力があったとは!品質は徹底的に管理されていて、世界中に発送されるすべての商品に対する強いこだわりと愛情は、工場の隅から隅まで漂っていました。

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さてさて、My best of candlesの発表といきましょう 。「P.F. Candle Co. No. 23 Frankincense and Oud 」という香りなのですが、もう本当に、なんというか、とにかくあなたにも嗅いでもらいたい!! 寝室に灯すとほっと幸せに満ち溢れるような、スモーキーで甘い、大人な香りです。工場を訪れた時は↑こんなにラベルを印刷するほどたくさん作っていたようなのですが、この2年の間に廃盤になっている様子…悲しすぎる。もしかして私と同じようなファンが多くて売れすぎたのかな??このキャンドル愛を持って、復活を希望するメールを送りたいと思います。

ただ!このP.F. Candle Co、クリスティンさんのセンスが素晴らしく、毎年新しい香りをリリースするのです。だから、次はどんな香りがでるのかな?という楽しみもあるし、新たなるお気に入りが見つかる可能性も高い。断言しましょう。まず期待を裏切りません、このキャンドルブランド。なので、ぜひキャンドル好きのあなたには試していただきたいのです。

で、最後に私は思うのです。個性的なのにどこか人を落ち着かせる香りってやっぱり、ナチュラルな素材を使って、自然に根ざした経験から生まれたキャンドルだからなんだろうなって。人間って、根本のところでやっぱりネイチャーに戻るのよね。私は、自分のキャンドルの好みでそのことをすごく感じます。人工の匂いじゃあ、ここまで心をほぐせないよね。

それはきっとキャンドルだけじゃない気がする。やっぱり本物の匂い、味、手触り…それが大切な気がする。

今日は春分。風に春の匂いを感じてちょっと嬉しくなったな。





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