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共感が必要です

三女が籍を入れたと聞いたので、長くパートナーと一緒に居て欲しいなと思うと共に、もし自分が納得できなかったら、離れる覚悟も持って欲しいなと考えている。

結婚するって簡単なんだけど、離婚は簡単じゃ無いからね。

どこの誰でも同じことを言うと思うが、1度結婚すると離婚に至るには力が必要になる。

私が離婚した時にも、何年も別居して、これから同居する事も無いだろうと思ったけど、元夫は結婚した時に死ぬまで一緒に居ると誓ったからと弁護士に言っていた様だ。

もう既に何年も別居していたのだから、一緒には居なくても、感情的に売る瀬ないと思っていたのだろうな。

私は自分が離婚の道を選んで、弁護士さんに相談して調停をしてから離婚に至った。

三女などは「お母さん、何時離婚するの??」と大学生の時期に聞いてきた。

会社もあったし、簡単には離婚できんのよ、学費だっているしね、そんな風に答えたら。

「じゃあ、私が大学出たら離婚するんだ。」何となく納得して、私の離婚の時期を決めていた。

でもね、夫婦になって30年もすると、それまで相続や会社で苦労してきた部分が有って、一緒に歩んできた記憶が、離婚へとは進ませない。

私の場合、彼と12も年が離れていたから、彼は親は2人とも亡くなっていたし、兄弟も殆ど会う事も無くなった弟さんしか居ない。(お兄さんは早くに亡くなっている)

きっと年を取った時に困るんだろうな~。

そう考えると、例え別居しても、結婚していたら、何か有ったら助ける事も出来るんじゃ無いかとの思いが離婚を踏みとどませた。

娘が考えるほど、結婚を終えるのは簡単では無いのだよね。

長い年月一緒に居ると、夫婦というよりは家族となっていて、家族って考えると、嫌だから直ぐに離婚したらいいとはならない。

実際、私に調停員さんが、「何で色んな証拠を取って於いて、離婚しなかったの??」と聞いてきた。

「彼がもし動けなくなるとか、眼が見えなくなるとかになった時には、介護した方が良いんだろうなと思って、離婚する気にならなかったんです。」と言うと。

「あちらさんはそんな事全然思ってませんよ。」と苦々しい顔で話していた。

人間そんなもんですよ、一緒に人生の荒波を渡ってきた時には、同じ船に乗る同士でも、片方が船を降りたとみるや、そこには他人の感情が横たわってきたりする。

子供の頃、同い年の従姉妹が、伯父さん(従妹の父親)に「お父さん結婚って何?」と聞いた事が有る。

「結婚か―、そうやな我慢やな、忍耐やな。」と答えていた。

「結婚ってさ、我慢や忍耐なんやって。」と教えてくれた。

我が親はと言うと、父親が母親の事が大好きで、電車で綺麗な女性を見てしまった時にも、浮気してしもたと言う位だ。

「おい、今日俺浮気してしもた。」といつもよりも早い時間に帰ってきて、家族に告白する。

「浮気って何なん、何時したんよ?」今日は会社に行っていた筈で、帰りの時間もいつも通り、気色ばんで母が聞く。

「今日な~、電車乗っ取ったんや。」そりゃあ乗るでしょうよ、会社まで1時間以上かかるんだから。

「そしたらな、電車の中に綺麗な女の人がおったんや。」ふんふん、出会いはそれか??

「思わずな、その女の人が綺麗やなって見てしもたんや、これって浮気やろ。」意味が分からない、それで浮気やったら、世間には浮気の人間がワンサカいるわ。

「なんや、そんなん浮気とちゃうや無いの、別に手えつないだとか、キッスしたとかじゃ無ければ。」母親が答えた。

「浮気ってのは気持ちの問題やろ、浮ついた気持ちが浮気や、それやったら、俺のは浮気やろ。」父親は引かない。

「そんなんゆうたら、私だってカッコいい男の人見て、見とれる事が有るし。」と母親が続けた。

「おかあちゃん(母のこと)男に見とれる事が有るんか。」父親が口あんぐりである。

きっとショックを受けたのは父親の方だったんだろう。

そんな親だから、今でも父親が「俺は親も早く亡くなって、兄貴と2人きりで、兄貴も結婚して、この人がおったからちゃんとできたんや、全部この人のおかげや。」とか話してくる。

我が親が今でも一緒に居るのは、いつも父親が母親にこんな風に言っているからなんだろう。

私の場合は困難を共有してきた思いはあっても、互いに親密に支え合う言葉を投げ続けたり、支え合う為に感謝を表現したりはして無かったかも知れない。

だからこそ、結婚生活では共有する時間は、お互いに言葉を掛け合うのが必要になって来るのだろう。

言葉を掛け合うと言っても、批判するのではない。

毎日、家事の文句や愚痴ばかり聞かされたら、それだけで嫌になるだろう。

結婚生活には共感が必要なのだそうだ。

共感と云うのは、他人の心の状態や視点を理解して、思いやる感性のことになる。

「他人の事を考えなさい。」子供の頃言われたセリフは、考えると結婚生活にこそ必要な物なのかもしれない。

記念日に贈り物を送り有ったりするのも良いが、きっと言葉の方が暮らしには必要なのだろうな。

離婚した私はそう考えている。


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