輸出単価が下がっているらしいですよ。
日本の輸出単価が下がり続けているらしいですよ、全部じゃないのでしょうが、上がった仕入れコストを販売価格に転嫁できないでいるのだとか。
海外からの値下げ圧力は凄いらしい、そこで商品価格が上げられないって事らしいです。
昔、輸入の下着屋さんによく言っていた時期があって、その時聞いたのは、ヨーロッパは必ず値上げするって話だった。
「ヨーロッパの下着って円高円安関係なく、商品価格は上げていくんですよ。」と店主の女性が言っていた。
それだけでは無く、向うのメーカーは主張するらしい、あるイタリアのメーカーに綺麗な色の下着を作って欲しいと輸入商社が言った時。
「下着なんだから白と黒で良いでしょ。」との答え、商社も負けない。
「でも、フランスの下着メーカー何かは綺麗な彩色の物を出しているじゃないですか。」
そこでこう言い切ったらしい。
「じゃあ、フランスのメーカーのを買ったらいいじゃないですか。」
ずいぶん昔の話だから、今は違ってるかもしれないが、大量に買ってくれるかもしれなくても言い切ってしまうのだ。
確かに在庫が多くなったりして、売れなかったらリスクを被るのは作っているメーカーだ。
ハイハイ作りますとは言えないだろう、今は商圏が変わってきたから違うかもしれないけど。
その店の女性店主は「世界中に売って大量生産にしたら、安くしたらええのに、高くなるんよ。」と文句を言っていたけど、世界に売ると云う事は、それだけ在庫を抱えるリスクが大きくなる、ならば値上げ止む無しでしょう。
日本だと初期投資が終わると値下げする、(全部が全部じゃないだろうが)投資が回収できたから、安くできるのだ。
安くしない選択肢もある筈だが、親会社が良しとしない、お前んところの初期投資終わったよな、じゃあ安くできるよなって訳だ。
そうすると利幅が少なくなって、売り上げが上がっても利益が少ない、利益が少ないと今度は新しい投資さえできなくなる。
これは大企業の問題では無い、日本のほぼ90%以上を占める中小の問題だ、中小企業は大企業にいいように使われている。
大企業に値段を牛耳られているから、値上げをする術を持って居ないのかもしれない。
それは日本を支える中小企業、町工場が次の手を打てなくなるって事で、大企業にも損な事態、でもそんなの関係ないって訳だろう。
もし親企業が次の投資のための金額を上乗せして払ってくれていたら、(今更言っても無駄ですが)今の人手不足を解消する投資が出来ていて、この事態にはなって居なかったかもとは思う。
私が結婚していた時期に、夫がケイ素鋼板の仕事をしていたのだが、よくある値下げ圧力で、気が付いていた時には一時の(バブルの時期)30%位の売値に成っていた。
それでも、年金もらっっている職人さんには安い時給で仕事をして貰って、何とか仕事をしていた。
あるとき値上げのタイミングが来る、鋼材が全て値上げになるという事だった。
それは経済誌にも載るくらい明らかな値上げで、鋼材メーカーのセールスがこう言った。
「今しかないです、鋼材メーカーも売り先が潰れると商売にならないので、しっかりした形で値上げしました、御社も取引先に値上げ要求をしてください。」
有難いことに、そう言ってくれた、そうだ未だロットが変わっても(製造業は基本ロットで値段が変わる)値上げをしてくれていない親会社に、キチンと値上げすべきだ、そう考えた。
夫が大幅な値上げをしてくれると期待していると、同業者と一緒に話している時二人でため息をつきながら、こう話している。
「わしら、値上げってしたこと無いで、どのくらいどうするか解らんのやもんなー。」
私は仕事が無くなるか、それとも値上げで利益率を上げるか、生き残るにはどちらかしかないと思っていたけど、この人たちは違うのだなと考えた。
夫は大量生産品を作ってなんぼの商売で、少量生産になったなら、値上げしかないでしょと言ったのだが、そんなことしたら中国に持って行かれてしまうと答えた。
結果として、値上げが少なくても、最終的にはほぼ全部中国生産になったのだから、小ロットの物はとんでもない値上げをして当然だったのだがそれをしない、中小企業や町工場の悲劇である。
大企業の従業員だけでなく、中小企業や町工場が豊かにならないと消費が伸びないのだが、解っていても、政府も企業も見て見ぬふりをする。
大勢の大企業幹部や政府の要人はそれが解っていない、立場が下の人間の時間はタダって感覚なのだろう。
ピケティじゃないけど、ある程度行き渡らないとお金は循環しない、誰もがある程度は使わないと。
鵜飼いの鵜も少ししか餌を与えられないと、逃げようとするんだろうと感じるのは私だけだろうか?
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